ガントレット

劇場公開日:

解説

警察上司の立場がまずくなる裁判の証人を護送するはみだし刑事(でか)の活躍を描くアクション映画。製作はロバート・デイリー、監督は「アウトロー」のクリント・イーストウッド、脚本はマイケル・バトラーとデニス・シュラック、撮影はレックスフォード・メッツ、音楽はジェリー・フィールディングが各々担当。出演はクリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック、パット・ヒングル、ウィリアム・プリンス、マイケル・カバナーなど。日本語版監修は高瀬鎮夫。デラックスカラー、パナビジョン。1977年作品。

1977年製作/アメリカ
原題:The Gauntlet
配給:ワーナー・ブラザース映画

ストーリー

朝陽がフェニックスの町を包む--。夜明けだ。酒場より出てきた男は、酒くさい息をはきながら車を運転して市警の前に着く。男の名はショックリー(C・イーストウッド)。ヒラの市警警官だ。重要な事件の担当も今までなく、大きな昇進もしてない彼は今、ブレイクロック(W・プリンス)警部補より呼び出しを受けたのだ。同僚で今はデスク仕事に出世したジョゼフソン(P・ヒングル)に酒くさいのを注意されたショックリーの今回の仕事は、組織のからんだある事件の検事側証人としてある人物を、ラスベガスからフェニックスまで連行するという、ごくありふれたものだった。ところが、ラスベガスに着いてショックリーの驚いたのは、何と証人はマリー(S・ロック)という女だったということ。この売春婦は知的な女で、彼女はショックリーとの旅を拒絶する。行けば殺される! と。馬鹿なことを言う奴だ、と思っていたショックリーも、空港へ向かう途中で起こった待たせてあったレンタカーの爆発や、正体不明の車の追跡等に出合っては、信じずにはいられない。ようやくマリーの言うことにある程度納得した彼は、彼女のいうとおりひとまず彼女の家に身をひそめた。そしてブレイクロックに保護をたのむ彼。警官の来る間、マリーは風呂へ、彼は空港に次の便のチケットを予約した。やがて、パトカーがやって来る。しかも、たのんだ1台ではなく数十台も……。何か事態はおかしかった。警官隊や狙撃隊が家を包囲し、一斉射撃を始める。壁が床が天井がズタズタの穴だらけと化し、マリーは地下室より脱出通路を逃げ、ショックリーもあとを追って脱出に成功。同じ頃、家はくずれ落ちた。再び2人の旅が始まった。途中でパトカーを1台ジャックし、州境へ向かう。そしてその警官より彼は意外なことを聞いた。彼は警官殺しの犯人にされ、マリーも暗黒組織より命を狙われているというのだ。ショックリーは再び、ブレイクロックに電話して保護の確約を取るが、マリーは、ブレイクロックがあやしい、彼こそ張本人だ、という。そういわれてみれば思いあたる点もいくつかある。ショックリーは、ブレイクロックのさしむけた保護隊の待つ州境の手前で、マリーと共にパトカーを下車した。そしてそのまま州境に向かったパトカーは待っていた一団のマシンガンにもちろんハチの巣に……。敵はブサイクロックだ! ショックリーはそう確信した。マリーと共に砂漠の洞穴で一夜をあかしたショックリーは、朝近くにやってきたヘルス・エンジェルのバイクを1台奪い、電話でジョゼフソンにブレイクロックの策謀をつげる。が、その時、頭上にヘリがやって来て、電話ボックスの彼を狙う。マリーを乗せ、彼の逃亡が始まった。執拗に追ってくるヘリ。逃げるバイク。やがてヘリは高圧線に接触して爆破、ショックリーとマリーは、貨物列車に飛び乗った。しかし、そこには先程のエンジェルの男達が……、マリーの必死のオトリ作戦がものをいい、2人は助かった。そして、2人はキングマンという町に着く。フェニックス行きのバスの発車時刻までの間、モーテルに入り、休息する2人。マリーはショックリーに愛を告白。ショックリーもそれを静かに受けとめた。そして再び、ジョゼフソンに今から町に乗り込むことを告げた。マリーは反対するが、こうなれば、男としての意地だ。一方、ジョゼフソンは、友の危険を救うため地方検事フェイダースピール(M・カバナー)に協力を求めるが、彼もまたブレイクロックの仲間だったのだ。早速、ショックリーの計画はブレイクロックにも知れ、警官隊は町へ入ってくるバスのコースの街路に並ぶ。手に銃を持って--。その頃、ショックリーはバスをジャックし、運転席を鉄板で囲むと、マリーと共にフェニックスへ向かった。青空の下、バスはフェニックスへ近づく。街路には銃を片手の警官隊以外1人もいない。やがて、街に入って来たバスにジョゼフソンが近より、ショックリーの計画をやめさせようとするが、彼も狙撃され死亡。ショックリーの怒りは爆発する。ただマリーという証人を連れて前進するのみだ。バスは街角をまがった。と、同時に無数のいやそれ以上の弾道がバスに吸い込まれていく--。やがてバスは止まり、ショックリーとマリーが下車。警官は2人を囲み、ブレイクロックが2人の前にやって来た。そして彼はショックリーを撃つ。傷つき倒れるショックリー。だがマリーがショックリーの銃をとり、ブレイクロックに向け引金を静かに引くのであった--。(ワーナー・ブラザース映画配給1時間50分)

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映画レビュー

4.5やっぱり、イーストウッドはかっこいい。

2023年1月12日
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マサシ

2.0なんだこれ。

2022年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

家やバスを撃ちまくってハチの巣にする画を撮りたかっただけとしか思えない。
重要な証人を殺すだけならだれかを買収して刑務所内で殺害すればよいのでは?とか
街中を走るバスのタイヤをなぜ撃たない?などと考えてはダメな映画。
しかも、ラスト、これで終わり??ってエンディング。
イーストウッドが出てなければ本当に観る価値なし。

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penguin

3.0少しコミカルなアクション映画

2021年12月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

一応ダーティハリーと変わらない一匹狼系のノリではある。

仲間のセリフ「事務より現場がいい」
その方が気楽ですからね。家族のため、そして出世できるかなと頑張るが、コネ天下り発言顔色…気にしながらストレス溜めて、真面目にやりゃ利用されたりして、腹黒い奴は消えろ!(愚痴)

[護送中の一休み]
女「さっきは助けてくれてありがとう。二人で楽しく過ごしましょ、幸せにしてあげる」
イーストウッド「幸せどころか惨めな気分になってきた」
→この切り返し!もうダーティハリーのセリフですよ!番外編のつもりで観ることにしました(苦笑)

2人は被害に遭い、パトロール中の警官が代わりに運転する流れになるんだけど、売春婦との価値観バトルトークは現実味があってバカにならないと思う。嫌味合戦とでも言えばいいか...結構タメになること言ってたな。他にも山道周辺での「バイク×ヘリ」の攻防は景色も素晴らしい!そして非情なまでの乱射シーンは迫力ありました。ただ、死んだか確かめずに去っていくのは「違うだろ!」と突っ込み入れたくなったけど、理解しやすく楽しめた。

 でも…残念なことに後半がつまらなかった。3度目の乱射シーンは一番派手ではあるが「またか」と思ってしまったし、コミッショナーが撃たれるまで、あれだけ人がいて誰も動かないのは無理がある。「何かおかしくないか?撃っていいのか」と疑問を持つ人が少なすぎたかな。

人を利用してまで出世や権力を得る気はない。いや、あってはいけない。畜生はぐれ者...俺達は似た者同士なのさ。それでいいだろ、放っておいてくれ。

そんな印象で去っていくのであった…

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はむちん

4.0今では監督としても巨匠の彼も駆け出しの頃はこんな時代もあったのです

2021年5月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

お気楽アクション映画
一昔前の土曜洋画劇場に好適な作品です

物語は遠くにいる証人を連れてこいといわれて行ってみるととんでもないトラブルに巻き込まれてというもの
だからマンハッタン無宿にちょっと似てます
けれどもそこからお話がかなり違います

脚本は大味でご都合的な展開も多数
目玉は、ド派手に撃ち合う、というか一方的に撃ちまくられるシーンです
ガントレットとは、平たく言えば袋叩きみたいな意味
無茶苦茶に四方八方から撃ち捲られるシーンが二度三度あり、最後の高速路線バスが蜂の巣にされるのは語り草のシーンです

石原軍団の西部警察が本作をリスペクトした作品であると一目でわかります

それでもB級映画としては、中の上は行っていると思います
なかなか面白いです

クリントイーストウッドが監督3作目の作品
今では監督としても巨匠の彼も駆け出しの頃はこんな時代もあったのです

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