カリフォルニア・ドールズ
劇場公開日:2012年11月3日
解説
「攻撃」(1956)、「何がジェーンに起こったか?」(62)、「合衆国最後の日」(77)などで知られる名匠ロバート・アルドリッチの遺作。タッグチーム「カリフォルニア・ドールズ」を組み、わずかなファイトマネーを求めてあてなき旅を続ける2人の女子プロレスラーと、そんな2人を導く1人の老マネージャーの旅路を描いたドラマ。マネージャー役は名優ピーター・フォーク。2012年、ニュープリント版でリバイバル。82年日本初公開時の邦題は「カリフォルニア・ドールス」。
1981年製作/112分/アメリカ
原題:The California Dolls
配給:boid
日本初公開:1982年6月5日
スタッフ・キャスト
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試合シーンがとにかく長い。冗長、退屈といった意味ではない。見終えた後でその長さにようやく気がつく、そういう長さ。劇中でのカウントアップが現実の時間経過と相即している。この長丁場を息切れすることなく、いやむしろ徐々に勢いを上げながら描き切ったのはすごい。これが凡庸なスポーツ映画であれば、時間経過による緊張の弛緩を恐れてダイジェスト演出に逃げたことだろう。
「プロレス的」という文系にはお馴染みのレトリックが示すように、プロレスの世界は基本的に不正とか忖度とか場外乱闘とかいった反スポーツマンシップ的な要素を、その場にいる全員が反スポーツマンシップ的だと理解したうえで、あえて理解していないものとして振る舞うことによって成立する知的でセンシティブなスポーツだ。
しかし一方で試合は加熱する。あくまで清く正しい主役として戦うカリフォルニア・ドールズも、悪役トレド・タイガースのあまりの暴虐ぶりや、それを露骨に看過し続ける審判にプリミティブな憤懣を募らせていく。
やがてそこにはごっこ遊びとガチ喧嘩の間を危うげにゆらめく緊張空間が立ち上がっていく。それがそのまま試合という物語のサスペンスとなって受け手を惹きつける。30分にもわたる試合描写にもかかわらず少しの中弛みも起きない理由はここにある。知らず知らずのうちに画面の中に感情移入してしまい、悪徳審判がカリフォルニア・ドールズに思い切りプレスを食らうシーンなどは見ていてかなり爽快だった。
2022年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
さすがに今風ではないけれど
当時の雰囲気が感じられてよかったです。
スタイリッシュに有名な女優さん達でリメイクしたら面白そう。
最初のくだりで、てっきり来日するかと思っちゃったww
2022年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
1981年(アメリカ)監督:ロバート・アルドリッチ(遺作)
主演はピーター・フォーク。
この映画はカルト的名作の言い伝えがあり、いつか観ようと思ってました。
やはり、誉れ高い・・・その評判通りでした。
若くて長身でスタイル抜群の美女ふたり。
リングネーム「カリフォルニア・ドールズ」
本当に綺麗なおふたりさんです。
なんでこんな可愛いオネーちゃんが一夜のファイトマネー500ドルで、
排気ガスを撒き散らすアメ車(マネージャーのピーター・フォークの愛車)に、
乗って北米各地のリングを回って興行して行くのか?
シカゴ→からプロレスの聖地・ピッツバーグまでのロードムービーです。
用心棒みたいなマネージャーがピーター・フォーク。
かなりヤバい橋を渡ります。
ろくな食事にも有り付けず、昼は移動、夜はリング。
何の楽しみもないドールズ
でも、カリフォルニア・ドールズには、夢があるんです。
チャンピオンになって、有名になりたい。
お金持ちになりたい!!
それにしても過酷なロードムービー。
ハンバーガーと駄菓子とタバコそして安モーテル。
カリフォルニアドールズはすごい根性してます。
遂に遂に、2人は北米チャンピオンリーグで宿敵の北米チャンピオンに挑戦する
事になるのです。
相手はチョーク(首を締め上げる)
髪を踏んづけて引き上げる。
胴体(内臓)を蹴りお腹を踏みつける・・・などなど反則の数々。
お金で買収されてるレフェリーは、チャンピオン側の回し者。
ラスト30分に渡るプロレスシーンの迫力は物凄いです。
スタントなしだとか!
何度もドールズが死ぬのでは?と思います。
首が折れるか?と思います。
それでも声援とリングのお客さんの熱狂がドールズを後押しします。
「ファイティング・ファミリー」も良かったけれど、この映画も負けていません。
女子プロボクシング映画「ミリオンダラー・ベイビー」
こちらはアカデミー賞作品賞。
比べるのもおこがましいですが、人間ドラマは確かに薄いです。
でもリングシーンの盛り上がりは負けてないです。
良くも悪くも、裏表なしのB級傑作でしょう。
コロンボじゃないコロンボはちょっと違和感ありますが、それでもこの人の達者ぶりはよくわかります。プロレスシーンの迫力とカッコよさはさすがロス君、見せるところを心得てます。