オスカーとルシンダ

劇場公開日:

解説

19世紀のオーストラリアを舞台に、ギャンブルに魅入られた男女の数奇な愛の行方を描いた文芸ドラマ。英国のブッカー賞を受賞したピーター・ケアリーの同名小説(邦訳・DHC出版)を原作に、「エンジェル・アット.マイ・テーブル」「ある貴婦人の肖像」のローラ・ジョーンズが脚本を執筆、監督には「若草物語」のギリアン・アームストロングがあたった。製作はロビン・ダルトンとティモシー・ホワイト。撮影のジェフリー・シンプソン(「シャイン」)、音楽のトーマス・ニューマン、編集のニコラス・ボーマンは「若草物語」に続く参加。美術は「いつか晴れた日に」のルチアーナ・アリギ。衣裳は「ある貴婦人の肖像」のジャネット・パターソン。出演は「イングリッシュ・ペイシェント」のレイフ・ファインズ、『Paradice Road』(日本未公開)の新鋭ケイト・ブランシェット、「ジキル&ハイド」のサイアラン・ハインズほか。ナレーターは「シャイン」のジョフリー・ラッシュ。

1997年製作/131分/アメリカ・オーストラリア合作
原題または英題:Oscar and Lucinda
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1998年7月4日

ストーリー

時はヴィクトリア朝。オスカー(レイフ・ファインズ)は厳格な説教師の父(クライヴ・ラッセル)の元、英国の海沿いの町デヴォン州で育ち、やがて父の宗派を離れて国教会の牧師の元に身を寄せ、オックスフォード大学で学び、敬虔な牧師となった。ルシンダ(ケイト・ブランシェット)はオーストラリアの片田舎で生まれ、幼い少女の頃誕生日に涙ガラスを贈られて以来、ガラスに魅了され、進歩的だった母の莫大な遺産を受け継ぎ、シドニーでガラス工場を買い取った。境遇も住む場所も違う二人だったが、どちらも孤独でギャンブルの魔力に取り憑かれていた。伝道師としてオーストラリアに赴いたオスカーは、所用のため英国から帰国の途につくルシンダと船の中で知り合い、二人は偶然お互いのギャンブル好きを知って、船室でポーカーに興じた。ところがシドニーで再会後、カードをして語らうところを信者に見つかり、オスカーは破門された。失意のオスカーをルシンダは自宅へ連れて来た。二人は互いにひかれるようになるが、オスカーはルシンダがガラス工場の共同経営者だったハセット牧師(サイアラン・ハインズ)を愛していると思い込んでいた。そこでオスカーは、自分の信仰心とルシンダのガラスヘの思いの完全な結合というべき“ガラスの教会”を作って、それをハセットの赴任地に運ぼうと思いついた。それはオスカーのルシンダヘの愛情を証明する、生涯最大の賭けだった。ルシンダはオスカーの身を案じながらも、冒険の成功を巡ってお互いの全財産を賭けることを提案した。苦難の末、オスカーは教会をハセットの住む僻地のべンジェリンまで運ぶが、ここで思わぬ事態が。ハセットは結婚したばかりで、彼を夫と狙っていた未亡人ミリアム(ジョゼフィーヌ・バーンズ)が今度はオスカーを誘惑したのだ。オスカーはあえなく彼女に身を汚され、水辺のいかだに浮かべたままの教会で神に懴悔する。ところが教会は突然、重みで浸水し、オスカーを閉じ込めたまま水中に沈んだ。葬儀に駆けつけたルシンダは悲しみに暮れる。その後、オスカーの子を宿したミリアムは息子を残したまま世を去り、ルシンダはその子を引き取り、育てたのだった。

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映画レビュー

3.0賭けと愛の信仰の話

2020年10月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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