黄金の馬車
劇場公開日:1991年1月26日
解説
18世紀の南米スペイン植民地を舞台に、イタリアからやってきた仮面劇の一座のヒロインと彼女に恋する総督を軸に展開する恋のさやあてと宮廷の陰謀劇を、舞台と現実をないまぜにして描く人間喜劇。「大いなる幻影」のジャン・ルノワール監督作品で、88年に復現された版での日本初公開。製作はフランチェスコ・アリアータ、脚本はプロスペル・メリメの一幕戯曲を翻案したルノワールとジャック・カークランド、レンツォ・アヴァンツォ、ジュリオ・マッキ、ジネット・ドワネルの共同、撮影はクロード・ルノワールが担当し、音楽はヴィヴァルディほかを使用。出演はアンナ・マニャーニ、オドアルド・スパダーロほか。
1953年製作/フランス・イタリア合作
原題または英題:Le Carrosse D'or
配給:フランス映画社
劇場公開日:1991年1月26日
ストーリー
総督フェルディナン(ダンカン・ラモント)の支配する南米のスペイン植民地、そこへ総督の取り寄せた黄金の馬車と一緒に船にのってやってきたのはドン・アントニオ(オドアルド・スパダーロ)率いるイタリアのコメディア・デラルテ(即興仮面劇団)一座に、そのヒロイン、カミーラ(アンナ・マニャーニ)に恋して同行している騎士フェリペ(ポール・キャンベル)を加えた一行。一座は早速興行を始めるが、全く受けず、観客の注意は客席の中の人気闘牛士ラモン(リカルド・リオリ)にばかり向けられる始末。怒ったカミーラがラモンを挑発し、やっと大喝采をとるが、あがりはほとんどなかった。しかしそこへ宮廷で舞台を演じないかという総督からの使い。カミーラをすっかり気に入った総督は彼女を大舞踏会に招待するが、一方面白くないのは今まで寵愛を受けていた侯爵夫人イネス(ジゼーラ・マシューズ)そしてまたカミーラの心を失って絶望したフェリペは軍隊に志願すると彼女に別れを告げる。が今度は闘牛士ラモンが新たにカミーラに言い寄り始めるようになる。そんな中、カミーラに黄金の馬車をやる約束をしてしまった総督に、公爵らはそんなことをするなら罷免を訴えると息まく。しかしそこへ突然カミーラが現われ侯爵夫人イネスと猛烈な恋のさやあてを演じ大混乱となる。カミーラは黄金の馬車に乗って帰るが、ラモンが彼女を熱心に口説いている時、軍隊からフェリペが帰って来る。更には詫びを入れるため総督まで現われ、3人がはち合わせ、ラモンとフェリペは決闘を始めてしまう。ドン・アントニオはカミーラに逃げようと言うが、彼女は「私は残る」と動じない。ラモンとフェリペは逮捕され、総督も罷免だろうと噂される中、大司教がカミーラと共に宮殿に黄金の馬車で乗りつけ、彼女が馬車を教会に寄付し、来たるミサで歌うので皆を招待したいと告げる。歌い踊るドン・アントニオ一座の中にカミーラが駆けつけ大団円となるが、既に彼女を取り囲んでいた男たちの姿はなく、舞台の上にしか自分の人生はないことを知ったカミーラは一抹の寂しさを覚えるのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジャン・ルノワール
- 脚本
- ジャン・ルノワール
- ジャック・カークランド
- レンツォ・アバンツォ
- ジュリオ・マッキ
- ジネット・ドワネル
- 原作戯曲
- プロスペル・メリメ
- 製作
- フランチェスコ・アリアータ
- 撮影
- クロード・ルノワール
- 音楽
- アントニオ・ビバルディ
- Archangelo Corelli
- Olivier Metra
- 編集
- David Hawkins
- 字幕
- 川竹英克