ア・フュー・グッドメン

劇場公開日:

解説

キューバ米海軍基地で起った不審な殺人事件の真相を探る若き弁護士の姿を中心に、軍隊内の組織悪を暴く過程での、登場人物たちの人間的成長を描くドラマ。監督は「ミザリー」のロブ・ライナー。映画の主要部分を成す法廷場面は、カリフォルニアのカルバー・スタジオに巨大セットを組んで撮影された。製作はライナーと、「JAWS・ジョーズ」のデイヴィッド・ブラウン、「スタンド・バイ・ミー」のアンドリュー・シェインマン。エグゼクティブ・プロデューサーはウィリアム・S・ギルモアとレイチェル・フェファー。ブロードウェイでロングラン・ヒットとなったアーロン・ソーキンの舞台劇を基に、彼自身が脚色。撮影は「JFK」のロバート・リチャードソン、音楽は「シティ・スリッカーズ」のマーク・シェイマンが担当。トム・クルーズ、ジャック・ニコルソン、デミ・ムーアなど豪華なスターが競演している。

1992年製作/アメリカ
原題または英題:A Few Good Men
配給:コロンビア トライスター映画
劇場公開日:1993年2月20日

ストーリー

キューバの米海軍基地で、海兵隊員サンティアゴが就寝中に襲われて死んだ。犯人は同部隊のダウニー一等兵(ジェームズ・マーシャル)とドーソン兵長(ウォルフガング・ボディソン)だった。検察官ロス大尉(ケヴィン・ベーコン)は、2人を殺人罪で起訴する。事件の背景にコードR(規律を乱す者への暴力的制裁)の存在を感じた内部調査部のギャロウェイ少佐(デミ・ムーア)は、被告の弁護を申し出るが、ハーバード出身で法廷経験のないキャフィー中尉(トム・クルーズ)が任命された。キャフィーは偉大な弁護士だった父の影を意識するあまり、担当した事件はすべて検察側との事前取引で処理してきた男だった。キャフィーの助手として同僚のウェインバーグ大尉(ケヴィン・ポラック)が選ばれ、ギャロウェイを中心に調査を開始するが、やはり被告たちは、上官ケンドリック中尉(キーファー・サザーランド)からコードRの命令を受けていた。サンティアゴは訓練に絶えかね、ドーソンによる不法発砲事件の情報提供と引き換えに、基地からの転籍を申し出ていた。それを知った最高指揮官ジェセップ大佐(ジャック・ニコルソン)は激怒し、マーキンソン中佐(J・T・ウォルシュ)の反対も聞かずコードRの実行を示唆したのだった。命令に忠実に従っただけで、殺意は無かったのだという言葉にに心を動かされたキャフィーは、被告の無罪を申し立て、法廷での裁判が始まった。裁判の途中、失踪していたマーキンソンが現れ、真実を証言すると約束したりもするが、直前に自殺してしまい審理は困難を極める。苦悩しつつキャフィーは、ジェセップを証言台に立たせることを決意した。法廷での2人の対決は、キャフィーの巧みな弁舌で、ジェセップの権力への盲信を突き、自らの口からコードRの指令を出したことを白状させる。被告たちは無罪となるが、軍に対する背信により除隊処分となってしまう。ドーソンはキャフィーに、この裁判を通じて、自分が守るべきものは軍の規律ではなく弱者であるサンティアゴだったことを悟ったと語り、2人は互いに尊敬をこめた敬礼を交し合うのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第65回 アカデミー賞(1993年)

ノミネート

作品賞  
助演男優賞 ジャック・ニコルソン
編集賞 ロバート・レイトン
音響賞  

第50回 ゴールデングローブ賞(1993年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) トム・クルーズ
最優秀助演男優賞 ジャック・ニコルソン
最優秀監督賞 ロブ・ライナー
最優秀脚本賞 アーロン・ソーキン
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映画レビュー

5.0それぞれの矜持。それぞれの誇り。その行方。

2024年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

興奮

知的

萌える

冒頭。一糸乱れぬ、海兵隊員のデモンストレーション。見事。
軍隊とはこういう言う場所なのだと印象付ける。

登場人物それぞれの誇りをかけた生き様が交錯する。
名セリフとして名高い「お前に真実は判らん!」。
この事件の”事実”は明白。証明が難しいだけで。
だが、”事実”≠”真実”。
キャフィーの知りたがる”真実”と、ジェセップの生き様をかけた”真実”とは次元が違う。
そして、ジェセップは己が信じる”真実”は、世の中・治安維持・国家防衛の点で、それこそが”真実”と思い込んでいた。

という社会的には何が”正義”かと問う問題作であると同時に、
チャラ男・キャフィー中尉の成長譚。
 この時期、チャラ男から一本筋の通った男になるという、こういう役が多かったトム様。でも、微妙に一人一人違う演じ方。すごい。
 超有名な人権法律家の父を持ち、それとの確執?も微妙ににじませる。どこに行ってもついてくる父の名声。キャフィー自身もハーバード・ロースクール出身で、目端の利く頭の回転の切れの良いエリートなのだが、父に比べれば…。父に憧れつつも、父に及ばない自身への失望もチラ見せしつつ、AD/HDかというような粗忽さもあり、頭の回転と口のうまさを最大限に発揮して、小手先の方法で業績を上げる。野球>仕事への熱意。それが…。自分が海兵隊から、ある目的をもって利用されていると気が付いてから…。さあ、どうでるか。長いものに巻かれろでもいいはずなのに。それが処世術にたけたエリートの対応のはずなのに。

ギャロウェイ少佐。
 己の信念に基づき、突き進む。キャフィーのお尻を叩く役。わがまま~。同僚に居たらやりにくそう。これだけお尻を叩きまくって、いざとなると…。キャフィーを心配しているとも見えるが、なら最初からお尻叩くな!彼女がいないと話が進まないが。
 ムーアさんの映画はまだあまり見ていないが、この信念の女性具合が、鼻につきそうな一歩手前で、美貌と合わせて、くらっと来てしまう。初デートでカニ料理のチョイスも少佐らしい(笑)。

ウェインバーク大尉。
 風船のようにつかみどころのないキャフィーのお目付け役。正直、裁判自体への貢献は、この映画の中ではあまり描かれておらず、いなくてもと思ってしまう。だが、キャフィーとギャロウェイだけだと、迷走しそうな中、ウェインバークがいるだけで、チームとして地に足がついている雰囲気が出てくる。
 ポラック氏の映画もこれ以外ほぼ見ていないが、この存在感に唸ってしまう。親馬鹿ぶりも和む。

検事・ロス大尉。
 演じるのはベーコン氏。最近の癖のある役から、物語の進行に、何かやらかしてくれるのではないかと勝手にドキドキ。でも、キャフィーとの関係性に安定感を醸し出しつつも、検事と弁護士という立場の違いからくる攻防にハラハラしと、物語に華を添える。ウェインバークとはまた違った安定感。それでいて、キャフィー同様の頭の回転のキレ、冷静さ。好演。ジェセップの衝撃的な証言の後の目の泳ぎ方も見もの。

ダウニー一等兵。
 自分で考えることを放棄してしまった兵士。たまたま心酔できるようなドーソン兵長に出会ったから、そうなったのか?命令に従っていること。それが彼の矜持と言うのが悲しい。
 そんな小物感と、小物なりのプライドを、しっかりマーシャル氏が演じている。

マーキンソン中佐。
 ジェセップ大佐と己の矜持との板挟み。その結果…。
 温かみと、元諜報員の不気味さ。指揮命令系統を重んじる軍人としての矜持と、人としての矜持のせめぎあいの中…。中間管理職の悲哀。ウォルシュ氏好演。

ケンドリック中尉。
 演じるのはサザーランド氏。拝見するのは『スタンドバイミー』と今作くらい。劇場型のお兄ちゃんが、今作では、ねちっこい蛇のような役で、敵役を一気に引き受ける。好演。

と、出演されているすべての方を称えたいが、やはり一番の怪演はジェセップ大佐を演じるニコルソン氏に尽きる。
 パワハラの権化。権力に取りつかれた男ともいえるが、単なる権力亡者ではない。
 紛争がいつ起こっても不思議ではない国境の警備。その緊迫感がヒリヒリと伝わってくる。その一線を死守する覚悟。それゆえの感覚の麻痺。善と悪の混乱。指揮系統の乱れ→国の安全の崩壊・部下の全滅くらいに、その責任を得負っていたのであろう。
 ぬくぬくと安全圏にいて、美味しいところを引っさらっていくエリート(キャフィー父子が代表)への反発。国を動かしている意識の高いエリートに対して、国を守っているのは自分たちだというゆるぎない自負。裁判長やロス大尉の助け舟さえ、自身の仕事に対するけなしとしてしまうほどの強靭なる信念。単なる悪役ではない。
 法廷での証言の後、周りの反応が変わったことへの戸惑いのシーンが秀逸。職務を遂行したと称賛され、皆首を垂れるのが当然と思っていたことからの混乱。この方にしか表現できないのではないかと思ってしまう。
 トム様演じる不退転のキャフィーの口八丁。でも、それ以前の軽口に比べ、ジェセップ大佐の威厳にビビりながらも決して逃げない演技がニコルソン氏の演技を引き立てる。

裁判長。
 公平を努めるのにも関わらず、ジェセップ大佐の証言後の、「言わせてしまった」感からの、司法として適切な対処への切り替え。

そんな映画史に残るやり取りのあと、すべてをさらうのがドーソン兵長。
 最初のふてぶてしさ。そこから見えてくる彼なりの矜持。ジェセップ大佐の証言後の慌てよう。その上で、映画ラストの言葉が生きてくる。ボディソン氏好演。

脚本も見事。
 ドーソン兵長が自身のミスを隠蔽しようとする悪の化身のような始まりから、法廷で少しずつ見えてくる人柄。そして、将校から見たら使い捨てのコマであるドーソン自身のために、将校であるキャフィー自身の懲戒免職をかけて、勝ち目のない勝負に出るキャフィーを見てからのラストの言動。
 ハラハラする要素も入れつつ、直球に気持ちの良いラストに向かう。
 元々舞台劇の映画化とのこと。

それぞれの男たちの矜持のぶつかり合い。
大切なものは何か、それを守るために何をすべきか。考えさせられる。

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とみいじょん

4.5痛快!逆転裁判!

2024年6月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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マルボロマン

4.0暴力的制裁コードR

2024年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

トムクルーズ扮する弁護人ダニエルキャフィー中尉は、基地内で起こった暴力的制裁コードRではないかと思われる事件を担当し、デミムーア扮するジョアンギャロウェイ少佐に会う様に言われキューバへ飛んた。

現地の司令官役としてジャックニコルソンが登場。低い声で語っていても迫力あるよね。トムクルーズとの共演作は初めて観たが、存在感抜群だね。

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重

4.5尋問のシーンが最高

2024年3月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

萌える

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きゃな