無宿人別帳

劇場公開日:

解説

オール読物連載松本清張原作の同名小説の映画化で、「しのび逢い」の小国英雄が脚色、「熱愛者」の井上和男が監督した異色時代劇。撮影もコンビの堂脇博。

1963年製作/87分/日本
原題または英題:Escape from Hell
配給:松竹
劇場公開日:1963年1月27日

ストーリー

享和二年、江戸の無宿人六十二名が同心占部小十郎の護送で佐渡へ送られた。道中、川越無宿長次郎のように佐渡を前にして死ぬ者も出たが、佐渡での労役はそれにもまして辛いもので、金山の水替仕事はまさにこの世の地獄だった。やがて、彼等と前後して新佐渡奉行横内主膳が着任した。主膳は奉行所の腐敗をつき、改革を断行しようとする新進気鋭の士だった。しかし、主膳と同伴してきた新支配頭黒塚喜助は、私情に溺れ蛇のような執念をもった男だった。喜助の妻くみと、御家人宗像弥十郎の仲にあらぬ疑いを持ち、弥十郎に罪をきせて佐渡送りにしたのも喜助。それにあきたらず、神田無宿弥十とよばれている弥十郎を殺すため、小十郎に命じて落盤事故をおこさせ、他の無宿人吉助、市兵衛、卯助、権次郎ら共々坑内に埋めようとまでした。そうした喜助の秘密を握った小十郎もまた、こぎたなくて、抜け目のない小役人だった。主膳が、佐渡一山の山師加賀屋庄右衛門の繁栄に疑問を持ったとみると、すぐさま加賀屋に内通した上、独り身の主膳に妹と称しておのが妾おりんをさしだし、からめ手から篭絡しようとした。一方、政治の改革をめざす主膳は、庄右衛門の鉱山を奉行所直轄とし、落盤事故で働く坑を失った無宿人をそこで働かせようとするが、庄右衛門の策動で彼の鉱山の穿子たちは、一足早くストライキに入ってしまった。一歩ずつ、先んじられて憤懣やるかたない主膳であるが、佐渡に根を張り佐渡の主人といわれる加賀屋には太刀打ちできなかった。その頃、喜助は無宿人の下世話役新平を買収、島からの脱出を無宿人たちにそそのかせていた。「加賀屋がついている」と称して無宿人たちを海辺におびき寄せ、鉄砲隊に待ちうけさせて弥十郎を殺すコンタンだった。そんな企みを知ったのが無宿人の差配役清兵衛だった。無宿人あがりだけに無宿人への愛情は深く、島脱けがワナであることを説き、一同奉行所へ向った。清兵衛の娘みよと彼女に愛情を持つ駿河無宿仙太だけを逃して。ウラをかかれた喜助たちは奉行所へ戻り鉄砲隊で攻撃をかけてきた。応戦する無宿人たちと激闘数時間、その間喜助は来合せたくみを斬り、弥十と刃を合して共に死んだ。奉行所が燃え落ち無宿人が死に絶えた頃、みよと仙太は本土をめざして小舟を漕いでいた。

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映画レビュー

3.0世界遺産の話

2023年9月5日
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マサシ