ミンボーの女

劇場公開日:

解説

名門ホテルを食い物にするヤクザとミンボー(民事介入暴力)専門の女弁護士の闘いを描く。脚本・監督は「あげまん」の伊丹十三。撮影は「バカヤロー!4 YOU! お前のことだよ」の前田米造がそれぞれ担当。

1992年製作/日本
配給:東宝
劇場公開日:1992年5月16日

ストーリー

東京の名門ホテル、ロイヤルコートではサミットの開催を控えていたが、ヤクザの逗留を許しているという危機管理の甘さが理由で、その開催権をライバルホテルに奪われてしまう。ロイヤルコートの総支配人は断固ヤクザを排除しようと決心し、経理マンの鈴木とベルボーイの若杉をヤクザ担当に任命する。2人はヤクザにおびえながらも排除に取り掛かるが、ズブの素人である彼らは手もなくヤクザの術中におちいり、金をむしりとられてしまう。そんな彼らの不適切な対応は逆にヤクザを刺激する結果となり、事態はさらに悪化していく一方であった。そんな状況にたまりかねたホテルはミンボー専門の女弁護士・井上まひるを雇う。女でありながらもミンボーのプロであるまひるは、知識と経験と胆力によって難事件を次々にさばいていき、そんなまひるの指導もあって鈴木と若杉は次第にヤクザに対しての対応を心得、成長していく。そんなある日、ゴルフ・クラブで入内島という男と出会った総支配人は、彼に誘われるがまま、とばく行為に手を出してしまう。ところが入内島はヤクザ組織の中心人物で、これをネタに総支配人を次々とワナにはめてしまい、ホテルそのものに揺さぶりをかけてきた。戦えばスキャンダル、降伏すれば多額の金をゆすり取られてしまう。それを知ったまひるは、ホテルの会長に企業全体としての決断を迫り、ホテル側も真っ向から闘うことになるが、そんな時、まひるはヤクザの鉄砲玉に刺されてしまう。そしてまひるがいなくなったのを幸いにホテルに押しかけてくるヤクザ。だが企業全体で暴力団に立ち向かう体質に生まれ変わったロイヤルホテルは、正当な手段でヤクザを撃退するのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第16回 日本アカデミー賞(1993年)

ノミネート

作品賞  
監督賞 伊丹十三
脚本賞 伊丹十三
主演女優賞 宮本信子
助演男優賞 大地康雄
助演男優賞 村田雄浩
音楽賞 本多俊之
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映画レビュー

4.0攻めてるねえ

2023年6月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ホントに感心する。

主義主張が先走ると観ている観客を楽しませる気持ちが、どこかへ行ってしまうものだけど伊丹監督は娯楽作品にしてしまえるんだね。

信子を刺したギバちゃんを村田が圧倒するところが印象的なのは、そこにカタルシスがあるわけでラストのホテルマン側の成長っぷりも清々しい。

フィクションを堪能して犠牲を強いられる人たちはスカッとするのであるから、作り方として正しかったのだと思う。
問題なのは、これを寛容できない者たちが行動を起こしてしまう事に尽きる。

本当に残念である。

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K・M

4.0復活

2023年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

今回は民事介入暴力団対応の女弁護士が主人公(宮本信子)、ホテルのヤクザ対策を引き受け、渡り合う。
民事不介入の警察を尻目に、曖昧な脅しで金を巻き上げるのだが、毅然とした対応でこれをはねつける。
ところが脇の甘い総支配人(宝田明)がつけ込まれ・・・。
調子を取り戻した感じでとても面白い。

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いやよセブン

4.5宮本信子、さすが!

2022年6月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

怖い

興奮

夫が伊丹作品のファンでDVDを持っている。
今まで何となく観なかったが、何となく観てみた。
1992年の作品なので、30年の間に変わった部分で、リアリティが失われてしまったところもあると思う。
しかしそれを差し引いても、素晴らしい。
私は95年から社会人をしていたが、接客業だったけれど影ではこういう誰かの努力があったのだろうか。
暴力と数と武器で脅してくる無法者に屈さずに対応するのは、相当の覚悟が必要だろうな…
その辺の作り込み方がすごくて、タメになったな。

あとはなんといっても、錚々たる顔ぶれの俳優陣の若さがもう楽しすぎて、堪りませんでした。

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コモ

5.0宝田明さんを偲んで

2022年4月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

怖い

知的

この作品は何度も観た
なんだ観ても面白い

監督と脚本は『お葬式』『タンポポ』『マルサの女』『あげまん』『大病人』『スーパーの女』『マルタイの女』の伊丹十三

ホテルにたかるヤクザを一掃するために戦うホテルマンたちと彼らに協力する民事介入暴力専門弁護士による社会派コメディーの傑作

伊丹十三監督の代表作
個人的には一番好き
痛快活劇のお手本

はじめはドタバタしていたけど弁護士が入れ知恵してから落ち着いてきた
鉄砲玉を取り押さえる時以外は暴力を振るわずあくまで合法的に暴力団と対峙した

大地康雄の演技が細かい
コメディー映画の名優だけに出番が減ってしまったのは残念でならない

一世風靡の三人が出てるのに哀川翔がなぜか出ていない
残念

朝岡実嶺が懐かしい
正統派の美人さん
テレビドラマ高校教師にも出てました
それにしても犯されているのに騎乗位は何度観ても不自然
でっち上げなんだからそりゃそうなんだろうけど

エピローグでヤクザに屈しないホテルマンたちや弁護士による人間の壁にロシアの侵略に抵抗するウクライナ国民を彷彿させた

原辰徳氏も見習ってほしかった

ホテルヨーロッパの会長に雇わられた弁護士の井上まひるに宮本信子
ホテルヨーロッパ総支配人に宝田明
元経理でヤクザ対策担当セキュリティ対策室長・総支配人特別補佐鈴木勇気に大地康雄
元ベルマンでセキュリティ対策室所属の若杉太郎に村田雄浩
ホテルヨーロッパ会長に大滝秀治
フロント課長に三谷昇
経理部長に鶴田忍
百万ドルの笑顔のホテルマンに三宅裕司
レストランのボーイに武野功雄
総支配人の娘に櫻井淳子
ホテルヨーロッパ役員に庄司永建
ヤクザ入内島に伊東四朗
ヤクザ伊場木に中尾彬
若頭に我王銀次
鉄砲玉に柳葉敏郎
入内島の子分に不破万作
入内島の子分に上田耕一
入内島の子分に小木茂光
入内島の子分に有薗芳記
ヤクザ花岡に小松方正
花岡の子分に大河内浩
花岡の子分に清水宏
エピローグの大親分に田中明夫
エピローグの大親分に関山耕司
プールのヤクザにガッツ石松
ロビーのヤクザに六平直政
明智刑事に渡辺哲
警察課長に河西健司
警官に鈴木正幸
裁判長に矢崎滋
外務者に務める支配人の友人に津川雅彦
支配人のゴルフ仲間の社長に柳生博
ヤクザに恐喝されている変なパーマをかけてるおじさんにきたろう

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野川新栄
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