故郷(1999)

劇場公開日:

解説

76歳のおばあちゃんの、沖縄から北海道まで3246kmに及ぶ破天荒なマラソン行脚の旅を描いた、シルバー青春ロード・ムービー。監督は「GOING WEST 西へ…」の向井寛。脚本は、「青春デンデケデケデケ」の石森史郎と向井監督、そして鈴木盛子と島来夢の共同。撮影を「GOING WEST 西へ…」の鈴木史郎が担当している。主演は「GOING WEST 西へ…」の淡島千景。優秀映画鑑賞会推薦作品。スーパー16ミリからのブローアップ。

1999年製作/110分/日本
配給:東映
劇場公開日:1999年4月10日

ストーリー

沖縄・名護に暮らす76歳の南風原時子は、毎年恒例の市民マラソン大会・沖縄ドリーム・マラソン・の名物おばあちゃんだ。ところが今年、親友のトカを亡くした彼女はショックの為か大会に出場しなかった。そんな時子が帰省中の孫の恵に何も告げず失踪したのは、それから数日後のことだった。実は、恵の心配をよそに時子は日本縦断マラソンに出たのだ。フェリーで鹿児島に渡った彼女は、特攻隊員たちの慰霊碑を詣でた後、途中、親友のタミからの救援物資を受けながら大分、熊本と北上を続ける。一方、偶然テレビに映っていた時子を見つけた恵は、急いでその後を追った。また、マラソンおばあちゃんの話を聞きつけたペガサス沖縄テレビのディレクター・本田も、ビデオ・カメラを担いで時子の取材に出た。ひとまず時子の無事を知った恵は、時子のやりたいようにさせることを決めるが、本田をはじめとした連日のテレビ報道のお陰ですっかり時の人となってしまった時子は取材攻勢を受けるハメに。だがその一方で、テレビを通し時子の姿に励まされる老人たちも少なくなかった。しかし、さすがの時子の健脚も寄る年波には勝てなかった。京都の病院で小休止の時子。彼女は、そこで本田に自分が生まれ故郷である北の果てに向かっていることを告白する。「死ぬ前にもう一度故郷を見ておきたい」トカの死に際してそう思った彼女は、こうして今回のマラソン行脚に出たのだった。また、本田はライヴァルの沖縄新報の記者・渡嘉敷から、時子が時局柄中止を余儀なくされた昭和15年の東京オリンピックのマラソンの代表選手だったことを聞かされる。やがて、本田をはじめ、様々な人たちに励まされ北海道へ上陸した時子は、かつてオリンピックの代表選手として一緒に練習に励んだ國澤トヨと再会。更に、根室の岬から本当の生まれ故郷である国後島を望むことが叶うのであった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.0おばあちゃんのマラソンという風変わりなロードムービー

2020年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 まずは鹿児島知覧。特攻隊で戦死した兄の慰霊碑を訪れ、偶然にも特攻隊長である大滝秀治に出会う。軍歌「海行かば」が堂々と流れる・・・最初はもしや右翼の映画ではないのかと思ったほどだ。途中、偶然気付いたテレビカメラマン尾美としのりが彼女の姿をドキュメンタリーに収めたいと急遽追っかけはじめる。やがてマラソンファンが共に走り、彼女をしきりに応援しはじめるといった展開だ。  各県を回り、観光地を巡る気分で楽しめるが、彼女の目的、目的地が徐々に明かされ、実は1940年の幻の東京オリンピックの強化選手だったことも判明する。満州で一緒だった女性も登場したり、孫娘とカメラマンが仲良くなったりと色々盛りこんであるものの、最終地点の納沙布岬に着いたときには「あそこが私の生まれ故郷よ」というわざとらしいエンディングを迎えるのです。  鈴木宗男逮捕の事実さえなければ素直に感動できたのかもしれないですけど、海の向こうにはムネオハウスがあると思うと不思議な虚しさにも襲われます。 【2006年3月BSにて】

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kossy