拝啓総理大臣様
劇場公開日:1964年4月29日
解説
「続拝啓天皇陛下様」の野村芳太郎がシナリオを執筆、監督した喜劇。撮影もコンビの川又昂。
1964年製作/89分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1964年4月29日
ストーリー
角丸は時代にとり残された“売れない漫才師”だ。一方角丸の昔の相棒、ムーランは、妻のルージュと組んだ時事漫才「拝啓総理大臣様」が当って今をときめくテレビタレントだ。人が良すぎて要領の悪い角丸だが、彼の師匠鶴松の死に会って発奮し、もう一度晴れの舞台を飾ろうと上京した。東京に着いた角丸は、早速昔の相棒ムーランに会いに行くが、そのころムーランは、やきもちやきの妻ルージュに浮気の現場をおさえられて、てんやわんや。そんな時角丸が会いに来たのでは相手になってくれるはずがなかった。それでも昔の友情から角丸に芸能社を世話してくれたが、その職場はボイラー焚きだった。くさった角丸は、自分の才能に絶望してヤケ酒を飲む毎日が続いた。そんなある日、一ぱい飲屋で幼馴染アヤ子と再会し、気をとりなおした角丸は、上京する途中知り合ったハーフのアヤ子と組んで“四角い顔と黒い顔”のキャッチフレーズで、どさ廻りの一行に加わり、再び漫才をはじめた。村から村へと流れ歩き、笑いをふりまく二人だったが、その後姿はさびしかった。そのころムーランは、週刊誌にスキャンダルを書きたてられ、ルージュとの離婚話が持ちあがっていた。そんなルージュにいや気がさしたムーランは、角丸を呼び帰して、テレビに出演したが、初めてのテレビ出演ですっかりあがった角丸のために失敗した。角丸は再びもとの一座に帰り、アヤ子を相手に相変らず“古い漫才”を演しものに村から村へとあてどない旅に出るのだった。ムーランはルージュとの離婚を解消し、人気コンビは復活した。