敦煌

劇場公開日:

解説

戦乱の世、11世紀のシルクロードで、敦煌の文化遺産を守ろうとした青年の活躍を描く。井上靖原作の同名小説の映画化で、脚本は「必殺! ブラウン館の怪物たち」の吉田剛と「植村直己物語」の佐藤純彌が共同で執筆。監督は同作の佐藤、撮影は「春の鐘」の椎塚彰がそれぞれ担当。

1988年製作/143分/日本
原題または英題:Dun-Huang
配給:東宝
劇場公開日:1988年6月25日

ストーリー

11世紀の宗。科挙の試験に落ちた趙行徳は、街で西夏の女を助けた礼として、西夏への通行証をもらった。西夏の文字に興味をもった趙は西域へと旅立つ。灼熱の砂漠を尉遅光の隊商と共に歩いていたが、途中で西夏軍漢人部隊の兵士狩りに会い、無理矢理入れられてしまう。隊長の朱王礼は文字の読める趙を重用した。漢人部隊がウイグルを攻略した際、趙は美しい王女ツルピアと知り合い恋におちた。二人は脱走を試みるが失敗、趙は西夏王・李の命令で都へ文字の研究に行くことになった。二年後、趙が戻ると、李はツルピアと政略結婚しようとしていた。趙も朱にもどうすることもできなかったが、婚礼の当日ツルピアは自殺した。ツルピアに思いを寄せていた朱の怒りは爆発し、敦煌府太守・曹を味方につけて李に謀反を起こした。敦煌城内で死闘を繰りひろげる漢人部隊と西夏軍本部隊。初めは漢人部隊が優勢だったが敦煌城に火矢が放たれ、朱側は火に包まれた。戦うことより文化遺産を戦火から守ることに使命を見出していた趙は、教典や書物、美術品などを城内から莫高窟へ運び込んだ。それから900年が経ち、莫高窟からこれら文化遺産が発掘され、敦煌は再び世界の注目を集めたのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第12回 日本アカデミー賞(1989年)

受賞

作品賞  
監督賞 佐藤純彌
主演男優賞 西田敏行

ノミネート

音楽賞 佐藤勝
新人俳優賞 中川安奈
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映画レビュー

4.0人生の虚無感を解消するための目的探し

2024年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 宮城谷昌光の『三国志』が好きなのもあり、中国周辺の地理にも興味が湧いたため、原作を十数年前に読んだ。でも内容をほぼ覚えておらず、今作を新鮮な気持ちで観た。

 今作のテーマは、人生の虚無感とそれを解消するための目的探しだったのかなと思う。科挙に失敗して西夏に行ったのも、ウイグルの王女を匿ったのも、経典を焼失から守ったのも、全てはそのためで、趙行徳は常にどうしようもない虚しさを抱えているように見えた。しかし、ストーリーに対してはそれ以上のものを感じられなかった。

 ただ、今作は映像美が秀逸で、広大な砂漠や夕焼けの中で大軍が行進する様は『アラビアのロレンス』を連想させる圧巻のスケールだった。

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根岸 圭一

3.0正直面白くない。 スケールの大きさから力の入れ具合は伝わったが、ど...

2024年6月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

正直面白くない。
スケールの大きさから力の入れ具合は伝わったが、どの人物も描写が薄く、全く魅力的に感じられない。渡瀬恒彦などは異人役でもはやいるだけ(笑)
長いのも、もはや退屈を感じさせるだけであった。

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はむひろみ

4.0主役は、敦煌や莫高窟と共に、人間の活動をも浄化する砂漠だったろうか…

2024年4月5日
スマートフォンから投稿

言わずと知れた井上靖原作の作品だが、
平山郁夫のシルクロード画を知ったのが
NHKの特集番組「シルクロード」
の頃だったのか、
この映画の頃だったのか、今となっては
忘却の彼方となってしまった中での、
1988年のロードショー以来の再鑑賞。

キネマ旬報ベストテンでは、
第1位選出の「となりのトトロ」や
「火垂るの墓」のジブリ勢と、
私の大好きな黒木和雄監督の
「TOMORROW 明日」が上位を占める中、
第13位との評価だった。

しかし、日本映画としてはかなりの大作だ。
沙漠でのスペクタクルとしては
デヴィット・リーン監督の
「アラビアのロレンス」を、
また、敦煌城での攻防は
「イントレランス」を思い浮かべたが、
それらに引けを取らない位の大作の趣だ。

旧ソ連の「戦争と平和」も同様だったが、
この作品での人民解放軍による
合戦シーンも大迫力で、
良し悪しは別にして、
共産主義政権下の軍隊による
スペクタクルシーンは、
昨今のCGによるものにはない
リアリティを感じる。

そんな中国側の協力と友情に
支えられたこの作品だが、
現在はそんな映画製作が想像出来ない
残念な政治状況になってしまっている。

さて、この作品、
井上靖さんの文字文化への想いと、
莫高窟から見つかった膨大な古文書への
推理をベースに、
共に愛した女性を心に秘めた二人の男性の
戦いが、核心と言えば核心なのだろう。
しかし、主役は敦煌や莫高窟と共に、
人間の活動をも浄化する砂漠なのだろうと
思わされる描写が印象的だった。

かつては原作本も読んだものだが、
果たして小説では
この点についてどう感じ取れていたのだろう
か、との記憶も、
これもまた、忘却の彼方となっていることを
思い知らされる鑑賞となってしまった。

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共感した! 3件)
KENZO一級建築士事務所

3.0大スペクタクル

2024年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

興奮

中国の宋の時代、西にある西夏の国が力をつけ、宋の領地である西国を次々と併合していく。
西夏の漢人の武将(西田敏行)と、西夏に興味を持った文人(佐藤浩市)が知り合う。
文人が愛し合ったウイグルの王女(中川安奈)が西夏に殺され、更に西にある敦煌で復讐を図るが・・・。
戦闘シーンはよく出来ているが、敵味方が判然としない事や、戦略がわからないのが歯がゆい。

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いやよセブン