探偵物語(1983)

劇場公開日:1983年7月16日

解説

殺人事件に巻き込まれた私立探偵と女子大生が、事件を解決し愛を経験するまでを描く。赤川次郎の同名小説の映画化で、脚本は「ニッポン警視庁の恥といわれた二人組 刑事珍道中」の鎌田敏夫、監督は「俺っちのウエディング」の根岸吉太郎、撮影は、「汚れた英雄」の仙元誠三がそれぞれ担当。主題歌は、薬師丸ひろ子(「探偵物語」)。

1983年製作/111分/日本
配給:東映
劇場公開日:1983年7月16日

あらすじ

女子大生の新井直美はあと一週間で父親の待つアメリカに旅立つことになっている。ある日、直美は前から憧れていたサークルの先輩・永井に誘われた。永井は海辺の店でペンダントを二つ買い、一つを直美にプレゼントする。そして、いつしか二人はホテルの一室にいた。そこに突然、直美の伯父と名乗る男が飛び込んできて永井を追い出してしまう。この男・辻山秀一は私立探偵で、直美の父の元秘書・長谷沼から、彼女のボディー・ガードに雇われたのだった。ある日、辻山の別れた妻・幸子が、彼女の愛人で岡崎組のドンの跡取りである和也がホテルのシャワー室で何者かに刺殺されたと辻山のアパートに飛び込んで来た。ホテルは密室状態で犯行のチャンスがあったのは幸子だけと、警察、国崎組の目は幸子へ。そこに直美が訪れ国崎組のが追手迫る中、三人はどうにか脱出し、直美の家へ逃れた。直美は幸子をかくまい辻山と二人で真犯人を見つけようと言い出す。そして、和也の葬儀に出かけた直美は、未亡人の三千代と国崎組の岡野が一緒に出かけるのを見つけた。そこに辻山も現われ後を追った二人は、三千代と岡野のベッドでの会話の録音に成功するが、国崎組に追い回される。ある夜、辻山と幸子がベッドにいるのを見て、ショックをうけた直美は、街をさまよい見知らぬ男の誘いにのる。その男と入ったホテルは和也が殺されたホテルであった。直美は、シャワー室の天井が換気孔になっているのを発見し、そこから逃げ出す。急いで帰宅し、辻山が録音テープを持って国崎組へ向ったのを知った直美も後を追う。辻山は違うテープを持っていったのだ。そして、テープを聞いた剛造は、岡野におとしまえをつけさせ、直美の証言で皆でホテルに向った。そこで、換気孔から隣の部屋へと移動を行った直美は、通路でペンダントを発見した。それは永井が海で買い、以前、直美が辻山と入った和也が経営している店で、バニーガールとして働いていた永井の恋人・正子がしていたものだった。次の日、ペンダントを見せ、問いつめた直美に正子は告白を始めた。正子は永井のために、あの店で売春もしており、そして、妊娠している彼女に無理やり客をとらせる和也を憎み、激情的に殺害したのだった。自首するという正子を永井が送り、事件は解決した。渡米の前日、直美は辻山のアパートを訪れるが、中々お互いの気持が噛み合わない。帰り際、直美は彼に愛を告げると、急いで出て行った。次の日、空港で直美を待ちうけていたのは辻山だった。二人は別れの熱いキスを交わし、直美は発って行った。

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(C)KADOKAWA 1983

映画レビュー

4.0 アイドル映画に終わらせるつもりが1ミリもない気概

2020年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

いま観るといろんな意味でスゴい、という文脈上においてはかなり上位なこの映画。人気アイドルの主演作として作られたとは思えない描写の数々に爽快感を覚える。にっかつロマンポルノ出身の根岸吉太郎監督に演出させて相手役には松田優作。アイドル映画に終わらせるつもりは1ミリもない気概がいい。世が世ならコンプライアンスで一発アウトなシーンの数々も、当時の社会様相や道徳感がフィルムに刻み込まれていると思うと感慨深い。相米慎二監督「セーラー服と機関銃」も合わせて観たい1本。

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オスカーノユクエ

2.5 何故にラブホテル殺人事件?

2025年10月21日
iPhoneアプリから投稿

「セーラー服と機関銃」がヒットして、薬師丸ひろ子が大学に受かってからの初主演作品。
アイドル映画にしては日活ポルノ出身者が入っているので、エロ描写もあり、赤川次郎って色んな作風があるのに、アイドル映画にラブホテル殺人事件を選んだか良く解りません。
内容も原作と全く違う展開だし。
同時上映の「時をかける少女」の方が何倍も面白ろかった。
何故、あの頃は宣伝に乗せられて薬師丸ひろ子のアイドル映画を観ていたか不思議。

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ライブラ

4.0 とにかく、私達世代には松田優作は格好良いのである

2025年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、TV地上波

先に夕方に再放送していたドラマのほうの探偵物語にドはまりしていた。
その後、松田優作に傾倒していって、途中で亡くなった事もあり更に大学の頃までハマっていった。
『野獣死すべし』『家族ゲーム』も松田優作の魅力全開でしたね。

そして、薬師丸ひろ子。
当時の少年達はみんな彼女に夢中になっていたと思う。
この映画の時は、役と同じく本人も女子大生だったはず。

そして、松田優作はカッコよかった。
ドラマ版の探偵物語でのコミカルさは無く、映画版は疲れた中年の探偵を演じていたけどカッコよかった。。
冴えない探偵さんでも、関係無く良かった。
とにかく、私達世代には松田優作は格好良いのである。

この頃の角川映画の中では好きな作品。
薬師丸ひろ子の主題歌とともに、ラストシーンが思い出される映画。

映画での冴えない探偵役と、テレビドラマの探偵物語の工藤ちゃんとのギャップが大き過ぎる。
良い役者さんだったということだろう。

この映画は松田優作演じるキャラが好きになれるかどうかだと思う。
ホント、普通のおっさんの感じで演じている点が凄い。。
薬師丸ひろ子も可愛かったしね。
私は1980年代の名作の一本だと思ってます。
DVDも買っちゃったくらいだし。。

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はりー・ばーんず

2.0 背伸びしても届かない薬師丸ひろ子

2025年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

赤川次郎さんの原作は、まったくテイストの違う短編で、映画オリジナル用に膨らませて制作された、薬師丸ひろ子・角川映画ありきの作品。

特にこれといった見どころもなく、そつなくこなす演技の松田優作は新境地と言える変身を遂げた。それまでのアクションヒーロー路線とは全く毛色の違うキャラクターを演じている。『探偵物語』同名のテレビシリーズを主演していただけに、その役柄を期待して劇場に運んだ人もいたんじゃないかと思う。

主演と同時に主題歌も歌うという展開で、マルチメディアのハシリと言える映画かも。主題歌の作曲の大滝サウンドも全盛期で、とにかくみんないい仕事している。これで、映画の出来が良ければ何も文句なかったのに。

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うそつきかもめ