青春のお通り 愛して泣いて突走れ!
劇場公開日:1966年4月27日
解説
京都伸夫の原作を、「河内カルメン」の三木克巳が脚色、「大空に乾杯」の斎藤武市が監督した“青春のお通り”シリーズ第二作目。撮影もコンビの萩原憲治。
1966年製作/89分/日本
配給:日活
劇場公開日:1966年4月27日
ストーリー
チャッカリスカヤこと南原桜子は短大を卒業後、Kツーリストに就職したが、あまりに安い給料に愛想をつかして、会社をやめて、テレビ作家浪花秀介のところに、お手伝いさんとして住みこむことにした。この浪花家は、妻の女優ユカリとハウスキーパーのカメ婆さんの三人暮しだが、ユカリと秀介の夫婦仲は悪く、お互いに浮気ばかりしていた。しかし桜子は住みこみで、給料二万円という条件に満足して、お手伝いさん生活を始めた。そんな桜子にとって気がかりなのは、桜子の親友でケロリンスカヤこと久子の兄圭太のこと。桜子は圭太が好きだったが、桜子のもう一人の親友キドリンスカヤこと中子も圭太に好意をよせて、なにかと理由をつけては圭太のもとに通っていた。そしてある日、桜子は、圭太が、中子や久子と共に松山に旅行にでたことを知り、勝手に失恋したときめこんで、一人で傷心旅行にでていった。しかし、これにはわけがあった。久子が自分の婚約者平橋をよく思わない圭太を、何とかうちとけさせようと、自分たちの婚約旅行に中子と圭太を誘ったのだった。そんなこととは知らず、旅行の途中、ホテルを経営している兄祐二のところに寄った桜子は、数年前黒人の作曲家と結婚して、渡米していた姉桃代が、黒人の赤ちゃんを連れて帰って来ているのにめぐりあった。が、それもつかの間、夫に先だたれ生活に困る桃代は、三年後には必ずもどってくる、という置手紙を残して、一人で米国に帰ってしまった。近く子供ができるという妻のある祐二には、赤ん坊を育てることはできず、桜子が、その赤ん坊を引受けて浪花家に帰った。意外にも浪花家では、温くこの赤ん坊をむかえ入れてくれた。そしたある日、桜子は今度の旅行で知りあった老画家曽根に招かれ、そこで曽根の温い親切にふれた。曽根は、桜子の話を聞き、その赤ん坊と共に、桜子の両親までも、自分の家にひきとろうというのだ。桜子と、両親は涙してその好意を受けた。圭太との誤解もとけた桜子の胸には、明るい希望がはちきれそうだった。