次郎長三国志 第一部 次郎長売出す
劇場公開日:1952年12月4日
解説
オール読物連載の村上元三の原作を「続三等重役」の松浦健郎が脚色し、「武蔵と小次郎」のマキノ雅弘が監督した東宝映画。製作は「喧嘩安兵衞」の本木莊二郎。撮影、音楽をそれぞれ「若い人(1952)」の山田一夫、「すっ飛び駕」の鈴木静一が担当している。配役は「娘十八お転婆時代」の田崎潤、「鞍馬天狗 一騎討ち」の河津清三郎、「激流(1952)」の若山セツ子、「武蔵と小次郎」の澤村國太郎などに加えて東宝第四期のニュー・フェイス豊島美智子、浪曲の広沢虎造が出演している。
1952年製作/82分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1952年12月4日
ストーリー
居酒屋の喧嘩出入りで旅人の小富、武五郎を河へ叩き込んだ通称次郎長、米屋の長五郎は、長い草鞋の旅先きで鼻ッ柱のつよい若者桶屋の虎吉を乾分に得たが、再び清水港に戻って間もなく、鬼吉がその意中の娘お千を襲った五丁徳や小富、武五郎をうちのめしたことから、小富一派の名代で旅人関東の綱五郎が喧嘩口上をのべに来た。しかし五丁徳などの卑怯なやり口を怒った彼は、喧嘩に加勢はおろか、やがて軌りまくられて逃げ出した五丁徳らを尻目に次郎長第二の乾分となった。お千に一目惚れした綱五郎は、飲み屋で鬼吉と取組み合いの大喧嘩を始め、浪人風の相客伊東政五郎に表へ放り出された。政五郎は侍の世界に愛想をつかし藩を出奔してきた腕も学問もある一人物で、武士階級を離れることを頑なに拒む妻ぬいへの未練を断ち、これも次郎長から盃をもらって渡世人となった。膽略縦横の彼はたまたま次郎長やその義父大熊が、渡世の仁義から和田島の太左衛門に助っ人して津向の文吉を討とうとしているのを止め、この喧嘩仲裁に出ることを勧めた。命を張った仲裁の結果は、一時に次郎長の名を売出し、彼の名を慕って草鞋をぬぐ若い物の数は俄かにふえた。