女囚と共に
劇場公開日:1956年9月11日
解説
女子囚人群の生態を描きその矯正補導を主題とする異色篇。「雑居家族」の田中澄江の脚本を、同じく久松静児が監督、「チャッカリ夫人とウッカリ夫人」の小原譲治が撮影を担当。出演者は「愛情の決算」の原節子、「飯沢匡作「二号」より ある女の場合」の木暮実千代、「森繁よ何処へ行く」の香川京子、淡路恵子、「夕やけ雲」の久我美子、「恐怖の逃亡」の安西郷子、「飯沢匡作「二号」より ある女の場合」の杉葉子、「囚人船」の岡田茉莉子、「病妻物語 あやに愛しき」の田中絹代、先ごろパリから帰った話題のスター谷洋子、「アチャコの子宝仁義」の浪花千栄子、その他伊豆肇、十朱久雄、上田吉二郎、小杉義男、清川玉枝、滝花久子など。
1956年製作/146分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1956年9月11日
ストーリー
女子刑務所の保安課長杉山よし子は、信じ切っていた夫安岡の不貞を宥せず、離婚した身の上。故にこそ女囚の一人一人に深い愛情を抱いている。自らの前科を知り他の娘と結婚した無情な男の新居に放火、懲役五年の南せん子。窃盗・前科十一犯、癖の悪い我が手をくやむ金岡みつ、年若い夫殺しで幼児を抱えた平井かず子等々。一級収容者(模範囚)の原妙子、精神薄弱の野見けい子や臨月近い高橋てん子の雑居房、兇暴な富士てるよの特殊房--。作業場の機織機械の傍で滝よし子が突然卒倒。芸妓上りの弱々しい女囚も、出所を待つ貧しい恋人のため出所金を稼ごうと病をおして就業しているのだ。病床の枕許で読まれる恋人並木の手紙に咽び泣く滝のいじらしさ。子供の純真な手紙に号泣する金岡、あくまで課長に反抗する南、騒ぎの中に平井の愛児は息を引取る。夜、大野分類課長の読経が流れる監房内。耳を傾ける南はありし日を追憶。幸福を逃したくないばかりに恋人多田に前科を隠した当時の心境、生れた子供は一カ月で死亡……その泣き声……燃える家……。南は電線をショートさせ火事騒ぎを起す。その騒ぎの中に、平井は自ら薄幸の生涯を閉じる。竹原所長が東京の会議から帰任。免囚の保護に撓まぬ熱意をもやす所長の姿に、杉山も元気をとり戻す。そこに厚生委員沢夫人から花嫁を世話してほしいとの知らせ。所長や杉山達の相談は、破廉恥な養父を過失死させた罪の償いに努める原妙子に決まる。だが病床にいた滝の病状は急変、恋人並木が駈けつけた時、滝は息を引取っていた。厚生省の係官が視察に来所。思いがけぬ安岡の姿に杉山は驚き、その視線を逃れようと努める。杉山は育児室の子供らを芝生で遊ばせている南を目撃、愛情の蘇りに喜ぶ。この頃、南に同性愛を抱く野見けい子は自分の仮釈放を杉山の仕組んだ邪魔立てと誤解、出刃庖丁で斬りつける。課長重傷の報に女囚の怒りは南へ集中。騒ぎを外に輸血を申出た南。危険を脱した二人の女性は感謝と信頼に結ばれた。一カ月後、所内美容学校は認可、花嫁衣裳の原が送り出される。女囚達の祝福、所長と杉山は新しい熱意にジッと瞳を見交していた。
スタッフ・キャスト
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竹原所長田中絹代
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杉山保安課長原節子
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山下総務部長十朱久雄
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大野分類課長上田吉二郎
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斎藤看守(係長)菅井きん
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笹本看守(部長)藤野美恵子
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関看守吉沢京子
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君塚看守宮地晴子
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田中教育課長磐木吉二郎
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矢島作業課長田中志幸
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女医津路清子
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医務課員(男)伊東巨介
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受付の看守皆川一郎
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看守A黒田隆子
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看守B山下愛子
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看守C渡絹代
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看守D小関佳子
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佐藤院長勝本圭一郎
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南せん子(女囚)久我美子
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原妙子(女囚)香川京子
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平井かず子(女囚)岡田茉莉子
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千葉やす子(女囚)木暮実千代
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滝よし子(女囚)安西郷子
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金岡みつ子(女囚)浪花千栄子
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野見けい子(女囚)淡路恵子
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戸坂なつ(女囚)本間文子
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高橋てん子(女囚)千石規子
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佐川かよ(女囚)杉葉子
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富士てるよ(女囚)馬野都留子
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沼田ユキ中北千枝子
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女囚マリー谷洋子
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女囚A辻伊万里
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女囚B秋吉光果
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女囚C月野道代
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女囚D春日みどり
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女囚E向井正江
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女囚F百瀬澄子
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女囚G中田幸子
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女囚H恵ミチ子
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厚生省課長安岡伊豆肇
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沢夫人清川玉枝
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並木良平加藤春哉
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平井の実父田辺元
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千葉の子供二木まこと
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保育園の保母万里陽子
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原の養父小杉義男
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原の恋人松尾文人
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杉山の母滝花久子