自由ケ丘夫人

劇場公開日:

解説

武田繁太郎の同名小説の映画化で、「サラリーマン御意見帖 出世無用」の長瀬喜伴が脚色し、「幽霊繁盛記」の佐伯幸三が監督した風俗喜劇。撮影は「大学の山賊たち」の飯村正。

1960年製作/90分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1960年9月18日

ストーリー

高級住宅街である山ノ手の自由ケ丘に住む池上良策の妻淳子は、年若く子供もないが近所に住む別宮夫人、お節介やきの枝村夫人や派手好きの滝田夫人達の仲間に加わって、茶道に生花、小唄にお料理と毎日のように出かけている。そんな淳子に同じ家に住む姪の信子は驚異の眼差を向けていた。俊太郎は信子の勤めている会社の部長で、家では夫人に会社では女社長にいためつけられている気の弱い男である。枝村夫人の亭主は仲々の精力家で肉体的には夫人に文句を言わせない自信を持っていた。洋装店「ルノアール」は夫人達の連絡場所である。その店に出入りしている写真家の高桑は美しい淳子に興味を持っていた。良策はバーのマダム千鶴子と関係があり口実を作っては泊っていた。この情事を枝村が夫人にしゃべったため淳子の知るところとなったが、良策は白を切り通した。だが、お節介の枝村夫人が興信所から取り寄せた良策の調書を見て淳子は驚いた。信頼しきっていた良策の不貞に、謝る良策の言葉も耳にはいらなかった。淳子は高桑の誘いに応じて出歩くようになった。一方枝村夫人は別宮夫人が室内装飾家の村井青年と親しいのをみて、二人の仲が怪しいと俊太郎に告げた。或る日、家に帰って来た俊太郎は、寝室で妻と男の会話を聞き例の話が本当だと、前後の見境もなく妻を殴りつけた。しかし実際は村井に頼んで室内の装飾を変えていただけだった。夫人は夫の本当の愛情を知って殴られたのを喜んだ。そんな頃、淳子は家を飛び出した。高桑と箱根に来た淳子は、良策を憎んでも忘れることの出来ない自分を知った。箱根の美しい風景の中に、ふと心に浮ぶものは良策の面影たった。淳子は良策を許す気持になった。夫婦の愛情は一度位の夫の浮気で崩れ去るものではない。良策の心にも決して愛情は消えていないのだ。淳子は執拗に離れない高桑を酒に酔わしその隙に逃げ出した。淳子が自由ケ丘についた時、良策が淳子を探しつかれて駅前広場に佇んでいた。

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