醜聞 スキャンダル
劇場公開日 1950年4月30日
解説
黒澤明が初めて松竹に招かれメガホンを取った作品。脚本は「野良犬(49)」と同じく菊島隆三との共著である。新進気鋭の画家(三船)と美しい声楽家(山口)が偶然出遭ったところを雑誌記者に盗撮される。まったくの醜聞(スキャンダル)に巻き込まれていく二人。物語の舞台はやがて裁判へ……。いたずらに醜聞を追うジャーナリズムを糾弾する一方で、後半は志村喬演じる弁護士の心情・行動が焦点となっていく。
1950年製作/104分/日本
配給:松竹
劇場公開日 1950年4月30日
黒澤明が初めて松竹に招かれメガホンを取った作品。脚本は「野良犬(49)」と同じく菊島隆三との共著である。新進気鋭の画家(三船)と美しい声楽家(山口)が偶然出遭ったところを雑誌記者に盗撮される。まったくの醜聞(スキャンダル)に巻き込まれていく二人。物語の舞台はやがて裁判へ……。いたずらに醜聞を追うジャーナリズムを糾弾する一方で、後半は志村喬演じる弁護士の心情・行動が焦点となっていく。
1950年製作/104分/日本
配給:松竹
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2014年6月14日GHQ占領下の戦後5年間、日本人の精神性大改造計画の下、忠臣蔵以外の映画製作がやっと認められ、まだ世の中は貧しかったものの、娯楽に飢えていた庶民は、当然、映画館に殺到した。映画産業界にあっては、作れば売れる、まさに古き良き時代であった。敗戦国故の不十分な機材しかない中で玉石混交の作品が発表される中、35歳新進気鋭の黒澤明は、敗戦後の晴れ晴れとした空気の中で、わが青春に悔なし(1946年)、素晴らしき日曜日(1947年)、醉いどれ天使(1948年)、静かなる決闘(1949年)、野良犬(1949年)と、作りたい作品を品質を下げることなく次々と発表していく。そして39歳で放ったのがこの醜聞(1950年)である。おそらく映画作りが楽しくて楽しくてたまらなかったせいであろう、映画は溌溂としており、物語は飽きることなくコメディタッチで最後までテンポよく進む。三船敏郎も若くてきれいだし、山口淑子も沢口靖子に似ていて大変美しい。小沢栄太郎は根性悪の役をいつも通り見事に演じているし、千石規子がびっくりするくらい若くて後年脇に回った婆さんの役しか見ていなかったから実に新鮮だ。もちろん主役は志村喬で、最後にお約束通り娘が死んで制約から解き放たれ正気を取り戻して正義が勝ったところで話は終わるのだが、作品全体のトーンが少し書生っぽいところが気になるものの、黒澤明が最も好む素朴な人間賛歌映画となっている。このテーマは、わが青春に悔なし(1946年)、素晴らしき日曜日(1947年)、醉いどれ天使(1948年)、羅生門(1950年)、生きる(1952年)、どん底(1957年)、赤ひげ(1965年)、どですかでん(1970年)と繰り返し描かれるが、黒澤明の永遠のテーマなのであろう。志村喬の、「あぶない、あぶない」というセリフが、11年後に作られる用心棒(1961年)の三船敏郎のセリフで使われていたり、12年後に作られる椿三十郎(1962年)の加山雄三のセリフで使われていたり、「不幸な人間にとっては幸福な人間が不幸になるのを見るのは楽しい」というセリフが13年後に作られる天国と地獄(1963年)で山崎努が三船敏郎に拘置所で吐くセリフに使われていたりで、これらは黒澤明の本音なのかもしれない。公開当時のこの作品を見た観客は、素朴に、三船敏郎に、山口淑子に、志村喬に、千石規子に、桂木洋子に、場末の飲み屋で蛍の光を歌った人々に、それぞれ自己を投影し未来に希望を持ったであろうことは想像に難くない。それほどうまくこの作品は作られている。後にコストや製作計画から解放された故に七人の侍(1954年)は別格としても必ずしも面白い作品は少なくなっていく黒澤明だが、この頃はまだ黒澤明の主張と興行をうまく両立させており、この作品は黒澤明会心の一作であることは間違いない。当時の美しい日本語が聞けるのも今となっては価値がある。
主役は志村喬だ。歯並びを変えたのかと思うほど、他作品と表情所作が違う。とんでもない役者。しかし話は勿体ない。最後に何かあれば(歌手が本当に絵描きを好きになるとか)傑作の部類だったが。ところで黒澤明は広場の沼が好きだね。
ヒューマニズムと社会正義を真っ正面から謳うことがなんのてらいもなくできた時代
というかそれを強く欲し求められていた時代が、街の風景の中に見ることができます
ちょうど70年前、1949年の年末のキャバレーでの蛍の光の大合唱は本作のハイライトです
来年こそはちゃんとやるぞ
そんなものはどうせ誰も守れはしない
キャバレーの客全員が自分もそうだと分かっているからこそ、皆涙して合唱したのです
本当の主人公である志村喬演じる蛭田弁護士の姿は当時の日本人全員の姿だったのでしょう
法廷劇となったクライマックスで、観客たる私達はカタルシスを得ます
それは時代もお星様に成れるかも知れないという希望がもたらすものです
だから涙がでるのです
ラストシーンで背中を丸めて寒風の街中を歩く蛭田弁護士が写ります
もう弁護士ではなく元になっているかもしれません
しかし、良く観れば彼は風に吹き飛ばされたヨレヨレの帽子を拾ってまた被って青信号を渡って行くのです
吹き飛ばされた帽子は弁護士資格の暗喩でしょう
彼の背後にはもう過去の出来事になったアムールの宣伝ビラがビリビリに破れ散っているのです
彼もまた立ち直り前向きに歩みを進めていると
私達は知ることを得るのです
マスゴミという言葉があります
本作で描かれる卑劣なメディアの実態はなんら誇張でも無いどころか、本作よりもさらに深刻になっているから、そのような言葉が生まれたのです
メディアを志す若者は本作を必ず観て頂きたいと心から願います
私がクリスマス頃に必ず観る「#素晴らしき哉人生」のオマージュ的なシーンあり。
強引な部分あれど、この時代にプライバシーの侵害、報道の在り方なんて、現代にも通じるテーマで映画を撮った黒澤明。
志村喬さんの演技の素晴らしさよ。
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