顔(2000)
劇場公開日:2000年8月12日
解説
逃亡生活の中で、生きる意欲を見つけ出していく中年女性の姿を描く人間喜劇。監督は「愚か者 傷だらけの天使」の阪本順治。宇野イサムによる原案を基に、阪本監督と宇野自身が共同で脚本を執筆。撮影を「ポルノスター」の笠松則通が担当している。主演は、「櫂」の藤山直美。2000年度本誌日本映画ベストテン第1位。2000年7月8日大分・別府松竹ブルーバードにて先行上映。
2000年製作/123分/日本
配給:東京テアトル
劇場公開日:2000年8月12日
ストーリー
1995年1月。幼い頃から家に引きこもっている正子は、母親が営むクリーニング店の二階で洋服のかけはぎの仕事をしながらひっそりと暮らしていた。ところが、そんな彼女の生活が母親の急死で一変する。通夜の晩、正子は仲の悪かった妹・由香里をはずみで殺害。香典袋を手に、35年間閉じこもっていた家を飛び出した。突然の大地震も手伝って逃亡に成功した正子は、離れて暮らす父親の行方を探してやって来た大阪を経て、やがて別府へ流れ着く。そこで、親切な中年女性・律子に拾われた彼女は、律子の店でホステスとして働くことになるが、その仕事はそれまで内向的だった彼女の内面を変えていった。そして、いつしか生きる意欲を見出すようになった正子は、池田という男にも秘かな想いを寄せるようになる。だが、律子の弟でヤクザ者の洋行が殺され、店に警察の捜査が入ったことから、彼女は再び逃亡生活を余儀なくされる。律子や池田に別れを告げ、小さな離島へ逃げる正子。しかし暫くすると、そこへも警察の追っ手は迫ってきた。捕まってなるものか。必死に逃げようと海へ飛び込んだ正子は、やっと覚えた平泳ぎで泳ぎ出す。