顔(2000)

劇場公開日:

解説

逃亡生活の中で、生きる意欲を見つけ出していく中年女性の姿を描く人間喜劇。監督は「愚か者 傷だらけの天使」の阪本順治。宇野イサムによる原案を基に、阪本監督と宇野自身が共同で脚本を執筆。撮影を「ポルノスター」の笠松則通が担当している。主演は、「櫂」の藤山直美。2000年度本誌日本映画ベストテン第1位。2000年7月8日大分・別府松竹ブルーバードにて先行上映。

2000年製作/123分/日本
配給:東京テアトル

ストーリー

1995年1月。幼い頃から家に引きこもっている正子は、母親が営むクリーニング店の二階で洋服のかけはぎの仕事をしながらひっそりと暮らしていた。ところが、そんな彼女の生活が母親の急死で一変する。通夜の晩、正子は仲の悪かった妹・由香里をはずみで殺害。香典袋を手に、35年間閉じこもっていた家を飛び出した。突然の大地震も手伝って逃亡に成功した正子は、離れて暮らす父親の行方を探してやって来た大阪を経て、やがて別府へ流れ着く。そこで、親切な中年女性・律子に拾われた彼女は、律子の店でホステスとして働くことになるが、その仕事はそれまで内向的だった彼女の内面を変えていった。そして、いつしか生きる意欲を見出すようになった正子は、池田という男にも秘かな想いを寄せるようになる。だが、律子の弟でヤクザ者の洋行が殺され、店に警察の捜査が入ったことから、彼女は再び逃亡生活を余儀なくされる。律子や池田に別れを告げ、小さな離島へ逃げる正子。しかし暫くすると、そこへも警察の追っ手は迫ってきた。捕まってなるものか。必死に逃げようと海へ飛び込んだ正子は、やっと覚えた平泳ぎで泳ぎ出す。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第24回 日本アカデミー賞(2001年)

受賞

監督賞 阪本順治

ノミネート

作品賞  
脚本賞 阪本順治 宇野イサム
助演女優賞 大楠道代
音楽賞 coba
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映画レビュー

0.5なにこれ?

2022年6月25日
スマートフォンから投稿

レベル低すぎて
映画とは呼べない。
観るところ、まるでなし。
シナリオ、演技、撮影、編集
素人以下。
日本のプロなんて、こんな文化祭レベル。

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キョン

4.0コンプレックスの塊の女性の魂の解放の物語

2020年7月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD


もちろん主人公の正子の不美人顔のことです
そのために彼女は劣等感の塊となってしまっています
本作はミステリーものでも、犯罪ものでも、逃亡劇でもありません

コンプレックスの塊の女性の魂の解放の物語です
だからラストシーンに私達観客は彼女の味方になって応援すらしているのです

島の祭りのお囃子の唄の歌詞が、正子の物語とリンクしてくるのは出色の演出でした

藤山直美は、ご存知のとおりあの喜劇王の藤山寛美の娘
顔がそっくりです
彼女もまた子供の頃からの喜劇人としての舞台のキャリアがメインなのでどうしても笑いのシーンは舞台ぽさを感じてしまいます
それでも強烈に映画の中に私達観客を引き込み一気にラストシーンまで連れて行く演技力は凄い力です

スナックの女性となって髪をセットし、綺麗なドレスをまとい、化粧もして、弾けた様子は本当にそれなりに魅力的です

大楠道代の律子ママも鶏ガラのような細い体、ヘアスタイル、あの衣装、立ち振る舞い、言動
ものすごい実在感があります

二人とも全国のどこのスナックでもいそうな迫真のリアリティです

あのお店の楽しそうなシーンが輝いているからこそ、前半の鬱屈からの魂の解放と、終盤の逃走もまた、その解放を失いたくないという説得力を増しているのだと思います

素晴らしい演出力です

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あき240

3.5内容はシリアスながら、重過ぎなく展開していき、犯人である主人公の成...

2020年4月3日
iPhoneアプリから投稿

内容はシリアスながら、重過ぎなく展開していき、犯人である主人公の成長物語として良くできていたと思った。監督のうまさということなのか。

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おれ

4.5友達て..おらなあかんの?

2020年1月9日
スマートフォンから投稿

たいへん面白かった。実在の人物の話とは思えないほどの運の良さと逞しさ。
この話の内容で、この映画の作風というギャップ。
時代なのか出会う人たちがみんな優しい。

「許してもらわんでもええよ。」
「うち間違った人好きです。」
などセリフもインパクトある。

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collectible
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