海賊船 海の虎
劇場公開日:1964年8月14日
解説
小国英雄の原作を「新・男の絞章 度胸一番」の甲斐久尊と「生きている狼」の井田探が共同で脚色、井田探が監督したアクションもの。撮影は「花と怒涛」の永塚一栄。
1964年製作/92分/日本
配給:日活
劇場公開日:1964年8月14日
ストーリー
千里丸は、南シナ海に君臨する海賊船だ。首領千里の虎は“人を殺さず、船を停め、物を奪う”ことを信条として、次々と密輸船を襲った。そんなある日、千里丸は洋上をただようボートから一人の風来坊をひろいあげ、背中の傷から、その名を二の字とつけた。数日後、千里丸は幽霊船を見つけた。そして、やっと見つけ出した船員たらは、口々に千里の虎に襲われたことを告げた。虎には身に覚えのないことだったが、船員たちから、事情を問いただすうち、それが、虎の父親を殺した、海賊ボルネオの鉄の仕業とわかった。鉄がマカオに向ったことを知った虎は、急遽船をマカオに向けた。マカオでは鉄を首領とする海賊一同が乱痴気騒ぎをしていたが虎が来たことを察知した鉄は、殺し屋を雇うと、逃げるように港をたった。虎もすぐ後を追った。千里丸は、再び密輸船を相手に戦闘を開始した。凄じい白兵戦が続き千里丸はそのたびに勝どきをあげた。しかしたび重なる戦闘に多くの犠牲者を出し、さらに台風に巻きこまれ千里丸は解体寸前に追いこまれた。そんなとき、虎が仇と狙うボルネオ丸が現れた。戦力を失った千里丸は窮地にたった。が虎は二の字とともにボルネオ丸に乗りこみ、鉄を追いつめた。だが鉄を射とうとした瞬間、二の字がこれをさえぎつた。いつしか、海上保安隊が船をとりまき、全員逮捕された。裁判が始り、虎は周囲の悪意で、有罪の判決を受けようとしていた。そのとき、保安官山本が証言台にたち、虎が人を殺さない義賊であることを証言し、殺人の罪は晴れた。この山本こそ、まぎれもない二の字の姿だった。