大奥(秘)物語
劇場公開日:1967年7月30日
解説
「あゝ君が愛」の国弘威雄、「組織暴力」の佐治乾、「冒険大活劇 黄金の盗賊」の掛札昌裕、「一心太助 江戸っ子祭り」の金子武郎の四人が共同でシナリオを執筆し、「あゝ同期の桜」の中島貞夫が監督した時代もの。撮影は「侠客道」の吉田貞次。
1967年製作/95分/日本
原題または英題:The Shogun and His Mistresses
配給:東映
劇場公開日:1967年7月30日
ストーリー
六代将軍家宣の時世。大奥に生活する女たちの生活は、まさに雌そのものだった。将軍の胤を宿さなければ、そのまま飼い殺しにされるのがオチだった。旗本の娘ふさの女中として大奥にきたおみのが家宣の目にとまり、お手付き中臈となったが、そうした大奥での生活をお客会釈の松島から聞かされたおみのは、是が非でも家宣の胤を宿そうと決心した。ところがそうしたおり、お部屋様のおすめが懐妊し、それを妬んだおこんの乱心沙汰によって、彼女の下にいるおみのはお褥辞退の沙汰を受けた。このままでは大奥で朽ち果てるばかりと思ったおみのは松島と計って、秘かに他の男の胤を宿し、二ヵ月後に懐妊が公にされると、おみのは次期将軍の生母として、ゆるぎない権勢を握ったのである。大奥には、殿が夜伽の者と同衾している寝所に、お添寝の中臈が控えるという制度があった。篠の井はそうしたお添寝の一人だったが、ある夜、家亘の命で彼の閨の一部始終を見ていることになった。翌朝、その反動からか篠の井は浦尾と激しい同性愛に陥ったのである。だが、二人の仲は長くはつづかなかった。間もなくお手付き中臈となった篠の井が家宣の子を懐妊したとき、嫉妬に狂った浦尾が彼女に水銀を飲ませたため篠の井は流産し、自から命を断った。ところで、このような大奥女中とは違って、お目見得以下の部屋子たちは三年奉公と決っていた。町人の娘おちせもその一人で奉公があけたら、恋人の長吉と一緒になって染物屋をやるという夢を持っていた。ところがあと半月で年期があけるという時、おちせは家宣の目にとまり、お手付きにされてしまったのである。同情する上臈飛鳥井のすすめで、城外に出たおちせは長吉に会った。すべてを聞いた長吉は逃げ出そうと言ったが、その時現われた伊賀者の手で長吉は殺されたのだった。あまりの仕打ちに何事かを決心したおちせは、これまで嫌っていた家宣の寝所にすすんで行った。そしておちせは、男と女の心からの愛も分らず、女を人形と見る家亘に侮蔑の言葉を投げつけると、傍の将軍の小刀で家宣に斬りつけ、彼女も自害して果てたのだった。
スタッフ・キャスト
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おみの富司純子
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おこん宮園純子
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おすめ久保菜穂子
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斎の局三島ゆり子
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おふさ萩玲子
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御台所星野美恵子
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玉岡中村芳子
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磯川国友和歌子
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おまき沢淑子
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おゆき三浦徳子
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お広敷役人有川正治
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お火の番林三恵
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お伽坊主大江光子
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男小山田良樹
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老婆金森あさの
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浦尾岸田今日子
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篠の井小川知子
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仲居岡田千代
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部屋子一波千鶴
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部屋子二崎山陽要
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お伽坊主日高綾子
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御典医村居京之輔
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おちせ佐久間良子
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飛鳥井岩崎加根子
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長吉村井國夫
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たみ坂本スミ子
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タモン小島恵子
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茶屋の女丸平峰子
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部屋子司みどり
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女中一服部三千代
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女中二北口千春
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伊賀者一結城哲也
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伊賀者二西田良
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お次千葉芳子
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徳川家宣高橋昌也
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松島山田五十鈴
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ナレーター渡辺美佐子