Love Letterのレビュー・感想・評価
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ふたりの樹
感想
愛している人の死から2年。
言葉が聞きたい。だから手紙を書いた。
返事が返って来ないと知りながら。
些細な思い込みから手紙の返事が返ってくる。
そこから知る大切な人の知られざる過去。
忘れていた過ぎ去りし思い出の日々。
人間の死生観。
死んだ人の事は残された人の記憶に残り続ける。
今を良く生きる事は、今はもういなくなってしまった愛する人の分まて生きていく事。
自分だけの、人に言えない秘密の思い出。
人の本当の想いはその時々の感情に覆われ複雑になり、素直に表現することが出来ない。
特に大好き人の思い出は。
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脚本と演出・描写が詳細に創り込まれており、いつ観ても素晴らしい。また劇中の音楽が良い。
若き日のふたりの藤井樹を演じた酒井美紀さんと柏原崇さんの初々しい表情と自然な演技、カット割の効いている正面から人を捉えた描写。中学校のクラスメイトの皆さんの表情を含めた各場面がドキュメントフィルムのようにありのまま捉えられており、特に樹が転校する日に樹の家に図書室で借りたマルセル・プルーストの失われた時を求めてを返して置いて欲しいと頼みにくる場面は大好きな場面であり、素晴らしい描写でこの映画の価値を高めている部分であると感じる。
及川役の鈴木蘭々さんは違った意味で記憶に残る演技であった。
豊川さんの演技は秀逸。中山さんの演技も自然で安定していた。
この映画を観ると30年前のあの頃の自分に戻れる。気がする。
今となってはとても懐かしい。
⭐️4.5
2024.12.6
中山美穂さんの急逝の報に接し心からご冥福をお祈り申し上げます。素晴らしい作品と音楽で楽しませていただきありがとうございました。
蜜柑の汁で炙り出したような初恋
「青春18×2」の2人が並んで観た映画は、
岩井俊二監督の「Love Letter」でした。
ずっと以前に観てますが、
感動したことと、
中山美穂と豊川悦司が出ていて、
豊川悦司がガラス吹きをしてたこと、
そして小樽の雪景色、
これだけしか覚えていませんでした。
名作の誉れ高いだけのことはありました。
2年前、婚約者を山でなくした中山美穂。
3回忌の法要で恋人・藤井樹(いつき)の中学の卒業アルバムを
見せられます。
咄嗟に住所を腕にメモ。
そこは小樽市色丹でした。
恋人を忘れられない博子は、小樽の住所に手紙を書き投函します。
すると藤井樹の名前の差出人から返事が来たのです。
博子は一瞬、樹から本当に返事が来たような変な嬉しさを
覚えます。
文通は続いて、秋庭(豊川悦司)が悪戯して、
「あんたは誰だ?」と書くと、同じクラスの女生徒・同姓同名の
藤井樹からだったのです。
この映画には悪意のないトリックが幾つか隠されています。
小樽に住む女の子の藤井樹の役は中山美穂です。
二役なんですよ。
そして博子は心の隙間を埋めるように、樹(中山美穂)に
樹(柏原崇)の思い出を書くように頼むのです。
★同姓同名で嫌な思いをたくさんしたこと。
★同じ図書委員をしたのに、一向に手伝わない彼のこと。
★交通事故で複雑骨折したのに、地区大会に出たこと。
★極め付けは、珍しい誰も借りていない本の図書カードに、
藤井樹の名前が最初に記される事、
彼はそこに喜びを感じていたのです。
(これは伏線でラストの落ちに繋がります)
小樽の女の子・樹は、同姓同名の彼の思いに、
それまでまったく気づいてませんでした。
博子が思い出を掘り起こしたことで、恋人の初恋を
炙り出してしまう。
本当に素敵なフェイントのあるラブストーリーです。
死んだ(遺体は山の中)恋人の過去、
同姓同名の同級生の女の子。
ラストの死者からのメッセージ。
是非ご覧になって、お確かめ下さい。
二重(ふたえ)に撚(よ)られたらせん構図が生み出すしっとりとした情感の一本
<映画のことば>
渡辺博子さん。
あなたは、あいつのどこが良かったの?
亡くなって三回忌を迎える婚約者に踏ん切りをつけ、想い出としてだけ抱いて前に進もうという気持ちだったのかも知れません。
卒業アルバムから拾った、今はもう国道敷になっているという樹(いつき)君の住所に宛てて、博子が亡き婚約者にラブレターを送ったというのは。
それが、たまたま同姓同名で同性の樹(いつき)さんに受け取られたというあたりから、「岩井ワールド炸裂」とでもいうべき次第と相成ります。
踏ん切りをつけようとしたはずのラブレターだったのに、同じ世代を生きている樹さんによって、却(かえ)って亡き樹君への想いが募ってしまったといえる、ある意味では皮肉な構図なのですけれども。
そして、本作では「おまけ」として、クラスメイト時代の樹さんと樹君との仄(ほの)かな関係性も、本作の「二重(ふたえ)のらせん構造」として仕込まれていたのだろうとも思います。
ちょうど、遺伝情報(記憶)を伝えるDNAが、独特の二重のらせん構造を持っているように。
(たとえば、図書カードの裏面に、密(ひそ)かな細工をしても気づかれないよう、誰も借りないような本ばかりを借りて、最後の最後に、その本の返却をさりげなく樹さんに頼むような小細工だとか。)
そういうフアンタジーの効果も冴えて、観終わって、しっとりとした、それでいて溢れるようなたっぷりの情感の残る一本として、これも「岩井監督らしい」佳作であったと思います。
評論子は。
(追記)
作中では、本の返却を自宅で服喪中の樹さんに頼んだ時の樹君の表情が、評論子には、忘れられません。
図書カードの細工に樹さんが気づいてくれるか、くれないか、その期待と不安。
そのなんとも言えないような不安定な気持ちが、樹さんに対する「取って付けた」ような樹君の悔やみの言葉になり、その不安定な語調を感じ取った樹さんも、つい吹き出してしまう…。
その情感も、評論子には素敵な一本でもありました。
(追記)
作品の本筋とは何の関係もないことで恐縮ではありますけれども。
飛んでいる飛行機が、日本エアシステムの機体だったり、(博子の文通相手の)樹さんが使っていたのが、パソコンではなく、明らかにワープロ専用機だったり(シャープ製の書院?東芝製のルポ?)、往時を知る者としては、懐かしくもありました。
(JAS・日本エアシステムが日本航空に身売りをしたのは、後のことです。TDA・東亜国内航空の機体でなかっただけでも、まだ「新しい」ともいえるでしょうか。)
往時の樹君が走っていたグラウンドの写真を撮ってもらうにしても、動画で撮影してメールで送ってもらうのではなく、ポラロイドカメラを送り付けて頼むあたりも、その意味では、なかなか「味わい」がありました。
(追記)
「救急車の到着までに1時間」…冬場の北海道の地方都市なら、当時としては、あり得なくもないだろうと思います。
そして、状況としても、正に今、降りしきる雪の中で、何とかして道路を啓開して交通を確保しようと道路管理者(国道であれば北海道開発局?北海道道であれば北海道庁の小樽建設管理部?)が除雪車両を投入して必死の除排雪作業の真っ最中―。
そんな状況では、無理もないことでしょう。
いかに救急車とはいえ、悪路を走るにしては、ふつうのワンボックス車に過ぎないわけですから。
(ましてや、小樽は「坂の街」)
これも、小樽の色彩がたっぷりのエピソードでもあったと思います。
評論子は。
過去と現在進行形のラブストーリー
感動の名作。
博子(中山美穂)と小樽に住む樹(中山美穂)の手紙のやり取りがミステリアスで面白い。
この作品からインスパイアされたと言われる有名な手紙のやり取りのラブストーリーの『イルマーレ』(2000年・韓国映画)との大きな違いはSFではないところ。
意味のある一人二役で良かった。
視聴中、一瞬どっちの中山美穂さんか迷う。
豊川悦司さんが傍におるほうが関西やろ、ほんで雪景色のほうは北海道の小樽だべ。
回想シーンの樹(酒井美紀)も中山美穂さんが演じても良かったかもしれない...って、そしたらもっとややこしくなるやん、ますますわかんねぐなるべさ。
郵便配達員が「ハンコください」というセリフが好き。今はあまり聞かなくなったので昭和生まれの私には懐かしい響き。
ポラロイドカメラで現在の校舎を撮影し、在校していた生徒たちに「本人に会えた」と言われるくだりは泣ける。さらに追い打ちで「好きな人の名前」という考え方に驚き、同時に感動がMAX状態になった。
そして「わがままな女」が「お元気ですかー私は元気です」を繰り返すのを秋葉(豊川悦司)が笑顔で見守るシーンも涙腺崩壊ポイントのひとつ。
『失われた時を求めて 第7篇』(著者 : マルセル・プルースト)をピックアップする岩井俊二監督のインテリジェンスと、藤井樹(柏原崇)の過去の恋と秋葉の現在進行形の愛の描き方の巧みさに脱帽。
まるで少女漫画の世界
30年前の岩井俊二作品
岩井俊二作品が好きになって過去作に遡ろうと思いつつ、なかなか見る機会がありませんでしたが。ほかの作品でラブレターの話が出たので良い機会なので鑑賞です。
スタートからちょっとねじれていて、これがどういう意味なのか考えてしまいます。時間軸がズレている?想像しているキャラクターが入れ替わってる?死んでる人間が死んでない?逆に他にも死んでる?
などなどいろいろ考えてしまいますが、そんなに複雑ではありません。もっとピュアな物語です。
そういえば、あの岩井俊二監督の30年前だもの。
30年前のストーリーと絵作りは、ノスタルジックで今風ならエモい。昭和っぽい演技で、上手いとかそういうものでは無い。今ならもっと違った演技になるかと。
「ラブレター」の2つの意味と、、最後の終わり方。良かったですね。
前半は、昭和演出と演技の下手さに目が行きましたが、後半は泣けました。
多分、今夜ベットで噛み締めて、、明日はもっと良くなるのでしょう。岩井俊二監督作品ですから。
話が出来杉くん
主人公の中山美穂Aが婚約者を亡くし、過去に彼からもらったラブレターに返事を出す。
返って来るはずもない手紙だったが、返信が来た。
何とそこに婚約者と同姓同名の女性が住んでいた。しかも中山美穂一人二役で同じ顔!
どんな偶然やねん!
その地(小樽)に行ったことでそれが判明し、単なる偶然ということになった時次の偶然が!
中山美穂Bには中学時代に同姓同名のクラスメイト(男)がおり、それが後のAの婚約者だったぁ!
どんな偶然やねん!
後はBがAに思い出を話して聞かせるという展開。
で婚約者がBを好きだった事に気付き、B自身も実は彼を好きだったことに気付く。
この男、モテるなあ。でもどんだけ中山美穂の顔好きやねん!
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以上、詩的に物事を考えられないタチなので、あり得ないこの設定に興醒めし、突っ込み所を探すに終始してしまいました。
ついでにこの映画の事象が起こる確率を計算してみました。前提条件は次の通り。
1.同じ顔の者は世界に自分以外に3人いると言われている。
2.世界人口は約70億人である。
3.同じ顔の3人はほぼ間違いなくアジア内にいるだろう。アジアの人口は世界の約60%である。
4.婚約者の名は「藤井樹」。電話帳データベースによるとこの名の者は4人いる。
5.このデータベース内に登録されているサンプル数は約2400万人である。
1~3より、無作為抽出した人物が自分と同じ顔の確率 = 3 / (70億 * 60%)
4~5より、その人物が死んだ婚約者と同じ名前の確率 = 4 / 2400万
※本来は婚約者の旧住所宛でその人物に手紙が届く確率も必要だが、計算できないので無視します
これらの積を取ると、(8.4*10の15乗)分の1となる。つまり約1京分の1の確率!
人生を80年とすると、80 * 365 * 24 * 60 * 60 = 約2.5 * 10の9乗(秒)
これらの積を取ると、(3.4*10の6乗)分の1となる。つまり約34億分の1(回/人生)!
そう、34億回生まれ変わって1秒だけ体験する奇跡がその時起こったのである・・・
自分のヒマ人さに感心します・・・・
生きてるって素晴らしい絆の良さが映像化された傑作 大人でも感動する
追記
知らなかった面を秘密を暴いていく探検家のようによっぽど彼のことが好きだったんだな彼のいろんな面を知りたいんだろうな彼女から彼への最期の愛なのだろう その結果若かりし頃の彼の初恋が実ったのだ 彼の最期の歌はなんていうか空間を飛び越えて広がっていくような歌だなすごく純な思いの強さを信じていた彼だから
生きてる人のことではなく死んでしまった人のことを考えて思って生きる勇気を温かさをもらう 降り積もった雪に寝ころぶ=仮死のマネごと 死んでしまった人の事を考えてる
振り返って今共に生きてるっていいな明日あの人に会いに行くことができる最高だ相手の事大切にできる全然手遅れじゃないという気持ちになれる
百選もの巷に溢れ歌われている絆や生きてほしいといった類うんざりしてきたでもこれほど見てる側の心に迫ってくる映像は他にない 岩井俊二はすごいな~
韓国で岩井俊二は人気らしい今日もK-POP歌手ような人たちがグループで来ていた 正直見せたくない日本人だけで楽しみたい隠しておきたいぐらいの傑作
恋人同士でも友達同士でも見てはいけないこの映画は一人で見なくちゃ
ラストシーン亡き彼の青春の初恋がよみがえって彼女に届き両想いになってエンド胸の高鳴りを私もともに感じたブワッと瞬息風がこっちにふいてきたかのような気分になったもらい泣き切なすぎる
ノスタルジー宝箱のような思い出お元気ですか~私は元気です
彼が雪山で遭難した時に死ぬ間際歌った青い珊瑚礁
自分自身一度もモテたことないし青春時代もひたすら暗かったおかしかっただからこういう系の映画は嫌い漫画もでも岩井俊二は違う
それに主人のこともあるし 上質な恋愛映画って身近な人を大切にやさしくしてあげたくなる
青い珊瑚礁 by松田聖子
私の恋は南の風に乗って走るわー
失われた時を求めて プルーストの本
中山美穂=広瀬アリス指先からすべての振舞いが美しい トヨエツと鈴木蘭らん
過去の出来事の真実が明らかになることで、登場人物が救われていく温かみのある物語、そして鮮やかなラストシーン
岩井俊二脚本・監督による1995年製作(113分)の日本映画。配給:日本ヘラルド映画
ヒロインが通っていた高校の図書貸出カードの裏に、高校時代のヒロイン酒井美紀の美しい肖像スケッチ(亡くなった同級生が高校生時代に出した一種のLove letter)が描かれていたというラストシーンが、凄く鮮やかであった。恥ずかしながら自分も、高校時代に類似趣旨の創作物を女子生徒に贈ったことを思い出した。
このラストシーンのために、藤井樹という同性同名の男女での図書委員活動、駐輪場での待ち伏せで返したテスト答案の裏への落書き、貸出カードに100以上と沢山の藤井樹の名前の記載があったこと等、幾つかの伏線が組み立てられている脚本も、実にお見事。
肖像スケッチは、転校前に少年からヒロインに渡された小説『失われた時を求めて 第7篇見出された時』(マルセル・プルースト著)の貸出カードの裏にあった。読んだことは無いが、おそらく、この映画の言わば原典の様な小説なのだろう。
学生時代に恋されていたことを知って幸福感を感じた中山美穂・藤井樹だけでなく、他の登場人物も救われていく展開には暖かい感慨を覚えた。
中山・藤井樹の母(范文雀)は、同居の父親(篠原勝之)が判断を間違えて夫が死んでしまったとの誤解が解けたし、亡くなった藤井樹の恋人であった渡辺博子(中山美穂)は、藤井樹の故郷へ新しい恋人候補・豊川悦司に促されて行き、一目惚れされた訳を知ったことにより、前を向いて歩ける様になる。苦いことも含めて過去の出来事の真実が明らかになることで、未来へ向かう原動力が産まれるという構造が、観念的且つ論理的で興味深く、知的な映画だなとも感じた。
そして、青みがかった雪の中の映像、対照的に少し赤みを入れた色調の高校時代(図書館の揺れるカーテン等)の映像が何とも美しく、岩井俊二 が脚光を浴びたのも納得させられた。また、REMEDIOS( 麗美)によるという音楽も素敵であった。
監督岩井俊二、脚本岩井俊二、製作村上光一、企画重村一、堀口壽一、エグゼクティブプロデューサー松下千秋、 阿部秀司、プロデューサー小牧次郎、 池田知樹、 長澤雅彦、撮影篠田昇、照明中村裕樹美術細石照美、録音矢野正人、編集岩井俊二、音楽REMEDIOS
出演
中山美穂渡辺博子・藤井樹、豊川悦司秋葉茂、酒井美紀少女・藤井樹、柏原崇少年・藤井樹、范文雀、篠原勝之、加賀まりこ。
記録用 1995年作品
ミポリン若い!演技下手すぎて笑ってしまった。
トヨエツ一途でまっすぐな役が新鮮。今思い出してみたらこういう役が多かったかも。すっかり忘れてた。
映画の内容は何かを訴えかけるようなテーマがあるわけではなく、、、
情景の映画と言える。
物凄くいい映画だった
記憶があったのだけど、今回見直してみたら、少し感想が変わった。
なにより、秋葉さんのキャラクターが受け入れられなかった。言動全てに違和感があり、苦手な役者さんだったこともあり、まったくダメだった。
一緒に登ったパーティーの一人が、死なせた彼の恋人と平気で会うことができるものだろうか。山を知ってる人の設定なのに、冬山と思われる山に軽装で登ろうとする姿にも抵抗が大きすぎた。山を単なるストーリーのお飾りにしているように感じた。
また、(ある意味この映画の主人公である)男性の方の樹さんが、中学最後の陸上大会で、それまで(多分)一生懸命に練習していたであろう1コースの選手の妨害をしたことを単なる1つのエピソードにしているのもどうしたのものだろう。
多分、監督は山に登った経験もなく、スポーツに真剣に取り組んだこともないのだろう。
とはいえ、この映画の主人公は小樽の方の中山さんだと思うのだが、中山美穂さんの魅力を引き出した、とても素晴らしい演出だった。アイドル映画としては満点なのかもしれない。
今回、こんな風に感じてしまったのは、自分が歳をとって瑞々しい感性を失ってしまったのか。あるいは多くの映画を見るようになって、感動する視点が変わってしまったのか。
とはいえ、そこまでのファンでもない私が、中山さんの姿を見るだけで、思わず涙が出そうになった。彼女のファンの方々は涙があふれてしまって、スクリーンが見えなかったかもしれない。
『失われた時を求めて』は大変です。僕は4回試みましたが、まだ、読めてません。
ある意味時代の空気を切り取っていた
ふとしたきっかけで再鑑賞。
ヒロインの渡辺博子は初鑑賞当時はあんな可愛らしい、守ってあげたくなるようなキャラクターはいないと思っていたのに、今見直すと印象が180°変わっていた。
好きな男性と死別し、忘れられないままその友達のアプローチを受け入れてしまう所、その彼が自分に好意があることを知りながら死別した恋人への愛を事あるごとに口にする無配慮な所、自分の勘違いで全く関係ない他人を巻き込みながらも、その人が同級生だと知るとエピソードを教えろとか、風邪引いてると知りながらグラウンドに行って写真を撮ってこいとか、自分で散々聞いておいてやり取りした手紙を丸ごと送り返してしまう所など、我儘で計算高く、自分の感情の為に他人を振り回す性格が随所に見られます。
しかし一歩引いて考察すると、当時はこういった「何を考えているのかわからない」「落とせそうで落とせない女性」「落とせないのにキスは受け入れる、押しに弱い女性」が世の男性にとてつもなく人気の時代だった事を思い出します。ちょうど裕木奈江などが全盛期の頃です。
そう言った意味では時代の空気を切り取った、興味深い作品だな、と改めて感じました。
久しぶりに再見したが
亡くなった恋人の事を「もっと知りたい、忘れられない」という気持ちは伝わってきたし、切なくなるのだが・・・・。残念
初めての鑑賞
高く評価されてる映画と知っていたが
以前、録画に失敗し、いまだに見ていなかった
主人公の渡辺博子(中山美穂)は登山中の事故で恋人の藤井樹を亡くしていた
2年後(3回忌?)の法要の日に樹の母から中学校の卒業アルバムを見せてもらい
樹が中学3年まで北海道の小樽に住んでいたことを知る
かつて住んでいたところは国道が通り、その住所は存在しない
博子は存在しない住所の樹へ手紙を出す
届くはずのない手紙と思っていたが、なぜか返事が届く
相手は同姓同名の中学の同級生、藤井樹(女)だった・・・
昭和時代に流行した、アイドルが主演する恋愛映画と思っていたが違っていた
博子と樹(女)は不思議な文通を始める
博子は樹(女)に
「自分の知らない、中学生の頃の樹(男)の事を教えて欲しい」
「彼の初恋の人はどんな人?」
「彼が走っていたグランドの写真を撮って欲しい」
と手紙を送る
本当に愛していたのだろう
良いストーリーだと思うし、切なくなる
でも時々現れる秋葉茂(豊川悦司)で、すべてぶち壊し
死んだ恋人を「忘れられない、もっと知りたい」一方で
秋葉の事を受け入れてる
映画の序盤で、藤井樹からの手紙がそこにあるのに、しっかりキスしてるシーンでがっかりした
この主人公は二人の男を同時に愛せるのか?
自分も男だが、秋葉の気持ちは理解できない
一緒に登山して、樹は事故で死に、自分は生きて帰ってきた
普通なら博子に合わせる顔が無いと思うのだが
「博子ちゃんは俺が貰った」って、ただのチャラ男ですか?
映画の後半では、中学時代の二人の樹に感情移入してしまった
秋葉は登場しない。または恋人を失った博子を支える「恋愛を超えた友人」という設定なら星4以上なのだが・・・
映画の中で、存在しないはずの住所について明らかになっていない
他のサイトのレビューやネタバレサイトでは
「かつての樹(男)の住所には、同姓同名の樹(女)が住んでいた」
という記述があるが
樹(男)本を返しに来たシーンを見るとすでに樹(女)はそこに住んでいるようだ
博子がアルバムで見つけた住所は、初めから樹(女)の住所だったと思う
でなければ物理的にあり得ない
「かわいく、難しく、眠く」
冒頭の40分に困惑
冒頭の雪景色の法事シーンがトリッキー。神戸なのか小樽なのか??? どういうこと? ダブルキャストに気ががつくまでしてやられた。
ミステリアスなスタート後がmオーソドックス。なるほど同姓同名かい。いまならもっとありがちかも。わが子たちの名も、今では男女ありになった。
中山美穂より酒井美紀が良かったな。それより、在りし日の范文雀が懐かしい。
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