ミシシッピー・バーニング

劇場公開日:

解説

1960年代のアメリカ南部における人種差別問題をテーマに、アラン・パーカー監督が実話に基づいて描いた社会派サスペンス。ミシシッピー州で3人の公民権運動家が消息を絶った。FBIは2人の捜査官を派遣するが、彼らを待ち受けていたのは、非協力的どころか敵意まで剥き出しにして捜査を妨害する住民達だった……。たたきあげのベテラン捜査官をジーン・ハックマンが、その相棒の若手エリート捜査官をウィレム・デフォーが熱演。

1988年製作/126分/アメリカ
原題または英題:Mississippi Burning
劇場公開日:1989年3月11日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第46回 ゴールデングローブ賞(1989年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) ジーン・ハックマン
最優秀監督賞 アラン・パーカー
最優秀脚本賞 クリス・ジェロルモ
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映画レビュー

4.0差別主義者は悪口や迫害しかやることがないのでは

2024年9月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 今作に出てきたKKKのような差別主義者は、人生においてやることが、悪口や迫害といった行為しかないのだろう。作中のFBI捜査官の台詞に「黒人を憎んだおやじの本当の敵は貧乏だった」とあるように、そうなる要因の一つが貧困にある。

 金も教育も無い。そのため特に能力や知識も無いので、人生においてやりたいことも無いか、もしくはできない。閉鎖的な田舎では、人生の先も見えているので、現状を打開していく気力も湧かない。黒人がいると仕事の競争相手が増えて自分達の仕事が無くなる恐れもある。そういったフラストレーションを、黒人に対する差別という形でぶつけるしか無いのだろう。なぜなら、仕事、家族や友人といった人間関係、または趣味などが充実していれば、そのような行為に費やす時間は無いはずだからだ。彼らはまず、自分の人生を充実させようと努力する必要があるんじゃないか(自戒の念も込めて...)。

 黒人差別の歴史は、多少の嫌がらせ程度のものではなく、命の危険に晒されるレベルだったと知っていたが、今作はそういった差別を映像化してくれた点で貴重だと思う。

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根岸 圭一

4.0観るのが辛いけど大切な作品

2024年9月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1960年代のミシシッピ州での黒人差別の実話ベース作品
このテーマの作品は本当に観るのがしんどいです
日本では昨年末公開の「TILL」程ではないですが、観てるのが辛いシーンがありました
実際の差別はもっとひどかったのでしょうけど
黒人の人達についての白人の人達のコメントがひどすぎました
環境が人をつくると思うし、差別が当然という中で育ってきたらそうなるのも仕方のない事なのかもしれません
住人だけじゃなくて、保安官や判事も差別主義者、判事までが差別をするという事に本当に驚きました
逮捕されても軽すぎる刑に虚しさだけが残り、希望が見えるラストでありながらも、まだ差別と戦っていかないといけない事が想像できました
そんな差別主義者と戦うFBI捜査官役にウィリアム・デフォーとジーン・ハックマン
エリートではない叩き上げの捜査官にジーン・ハックマンがとってもはまっていたと思います
観て楽しめる作品ではないけど、観るべき作品で観て良かったです

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小町

5.0メッセージ性とエンタメ性の両立

2024年6月15日
PCから投稿

テーマはゴリゴリの社会派ですが、映画作品としてのエンタメ性もドラマチック且つサスペンスが最高水準です。

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越後屋

3.0白人至上主義

2024年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

今見たら、また違う感想を抱くに違いない。

でも、もうその気になれない。

当時、映画といえば、純粋な娯楽作品が絶対条件で、自分にとっては、スピルバーグやルーカスのフィルムがそれであった。

ヒーローが悪を倒し、カッコよく去っていく。思えば、そんな映画ばっかり、いったい何本見たことか。

やがてスピルバーグは『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』でオスカーを獲得し、今も監督業を続けているが、その作風は大きく揺らいでいる。

人種差別を題材にして、見る人の心を揺さぶるのは、一種の禁じ手なのだろう。誰も何も言えなくなる。もちろんあってはならないことだが、この映画からもう30年近い年月が流れても、未だに白人至上主義がまかり通る社会は、なくなっていない。

きっと、これから30年たっても、人種差別を題材にした映画はなくならない気がする。
『ブレードランナー』が奴隷解放運動を根底に据えたSF娯楽映画であったように、テクノロジーの進化は、人種を開放しない。

アメリカが根底に抱える病理は、もう立派にビジネスとして成立している。
当時はその対象が虐げられる側だったのに比して、今は勝てない相手に対する畏怖の感情が混じっているように映る。

差別があるから、生きていられる人だっているのだ。

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うそつきかもめ