劇場公開日 2008年6月21日

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インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 : インタビュー

2008年6月18日更新

シリーズ1作目の「レイダース」から、27年にわたってルーカスとスピルバーグを陰で支えてきた名プロデューサーのフランク・マーシャルとキャスリーン・ケネディ。19年ぶりに「インディ」製作に携わった2人に本作の裏話を聞いた。(取材・文:編集部)

※【注意!】ネタバレしています。映画を御覧になった方のみお読みください。

フランク・マーシャル&キャスリーン・ケネディ インタビュー
「『インディ』チームは今や大きなファミリーなんだよ(笑)」

様々な紆余曲折を経てようやく「クリスタル・スカル」に辿り着いた「インディ」製作チーム
様々な紆余曲折を経てようやく「クリスタル・スカル」に辿り着いた「インディ」製作チーム

――「レイダース」で出会い、その後結婚されたお2人ですが、やはり本シリーズへの思い入れは深いですよね?

キャスリーン・ケネディ(以下K):「そうね」

フランク・マーシャル(以下M):「このシリーズで出会って結婚したのは、僕らだけではなくて、スティーブン(・スピルバーグ)もそうだからね。彼は『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』でケイト・キャプショーと出会い、そのまま結婚したんだ。シリーズ誕生から27年経った今、『インディ』チームは大きなファミリーだよ(笑)」

キャスリーン・ケネディ(左)とフランク・マーシャル
キャスリーン・ケネディ(左)とフランク・マーシャル

――今回の第4作に至るまでは様々な紆余曲折があったと思いますが、脚本の開発にはどの程度関わっているのですか?

K:「脚本が出来上がって、皆で読んで、書き直してというのを何回も繰り返したわね。それにスティーブンを含む私たちは、他のプロジェクトにも関わっていたので、結果的にとてつもなく長い時間がかかってしまったのよ」

M:「プロデューサーとしては、脚本作りの早い段階から関わっておくことが非常に重要なんだ。なぜならば、どこでどういった撮影をするのかをいち早く知って、その撮影をする準備を進めないといけないからね。僕らは砂漠、ジャングル、どんな辺境の地でも、いい場所を早く見つけておかないといけないんだよ」

――本作には多くの脚本家が携わったそうですが、それぞれにギャラを払うわけですよね?

K:「もちろん。とっても高くついたわよ(笑)」

――やはり一番ギャラを多くもらえるのは、決定稿を書いたデビッド・コープなのですか?

M:「それは一概にそうとは言えない。基本的に一番多くもらう人は、出来上がったシナリオに対して一番貢献したライターなんだよ。だから、(デビッド・)コープが一番もらっているとは限らない。今回の場合、一番多く払うのは、もしかしたら(フランク・)ダラボンかもしれないし、(ジェフ・)ネイサンソンかもしれない」

K:「脚本のギャラは、我々プロデューサーと、それぞれのライターのエージェントたちが交渉してすりあわせていくんです」

――今回の宇宙人登場には驚きましたが、宇宙人に一番こだわっていたのは、ルーカス、スピルバーグ、ハリソン・フォードの3人のうち誰なんですか?

K&M:「ジョージ(・ルーカス)だね(笑)」

K:「どちらかというとスティーブンは宇宙人ネタに懐疑的だったのよ」

――50年代の話ということで、核実験のシーンが登場しますが、あのシーンはどうしても入れたかったのでしょうか?

K:「あの当時は、その威力がどれほどのものかを知らずに、砂漠で多くの核実験が行われていた。ジョージたちは、それを映画に反映させたかったんだと思うわ」

放射能を浴びようが、滝から落ちようが、 死とは全く無縁のインディ
放射能を浴びようが、滝から落ちようが、 死とは全く無縁のインディ

――インディが白血病にならなくて良かったなあと思うと同時に、放射能の影響が随分軽く扱われていると思いました。

M:「確かにそうなんだけれども、このシリーズでインディが経験することはどれもありえないようなことばかりだからね。今回、3つの滝からボートとともに落ちるけど、普通はあそこで死ぬよね(笑)」

――「最後の聖戦」から19年経っているので仕方ないですが、サラー(ジョン・リス=デイビス)やマーカス(デンホルム・エリオット)も登場しなかったので、長寿シリーズの寂しさや哀しさも感じられました。

M:「ストーリーの関係上、いくつかのキャラクターは出る必要がなかったんだよ。今回は南米が舞台だし、サラーを無理矢理出しても仕方ないしね」

K:「そうね。インディのお父さんも(ショーン・コネリー)も写真だけでの登場になった(笑)」

M:「このシリーズを通して言えることは、キャラクターが全て素晴らしいし、演じる俳優たちも素晴らしい。今回はジョン・ハート、ケイト・ブランシェット、シャイア・ラブーフたちが演じた新しいキャラクターが出ているほか、カレン・アレンもマリオン役でカムバックしている。なので、今回は新旧取り混ぜての新しい『インディ』といったところだね」

――なぜシャイア・ラブーフを息子役に選んだのですか?

K:「これはスティーブンの強い要望よ(笑)」

M:「『ディスタービア』『トランスフォーマー』の彼を見て、“あの元気が欲しい”と言ってキャスティングしたんだ」

――ラストのインディとマリオンの結婚式は感慨深いものがありましたが、シャイアがインディの帽子を被りそうで被らないところはパート5への期待が膨らみますね。

M:「ハハハ。あのシーンは続編のことを考えて撮ったわけではないよ。ただ単純に楽しんで貰おうと思って撮ったんだ」

「インディ5」はシャイアが主演!?
「インディ5」はシャイアが主演!?

――カンヌ映画祭でルーカスが「パート5はシャイア主演で」というようなことを発言したとニュースになりましたが、実際はどうなんですか?

K:「インターネットで、あるレポーターが聞いたと書いていたけど、実際は誰もそんなこと言っていないのよ(笑)。だから単なる噂よ」

――マーシャルさんは「ボーン・アイデンティティー」シリーズも手掛けてますが、今回久しぶりに「インディ」を手掛けて、古くさく感じませんでしたか?

M:「古くさく感じたことは事実だよ。でもインディはわざと古くさく作っている映画だからね(笑)。それに、映像スタイルや編集も含めて何もかも全く違う映画だし、主人公の性格も違う。ボーンは、渋々ヒーローをやっている人で、インディはエネルギッシュに困難に飛び込んでいくんだ。でも共通点が無いわけではない。それは2人とも、小道具や超能力ではなく、頭を使っているところだよ。そこが多くの人に受け入れられる秘訣なんじゃないかな。実は「ボーン」は来年夏に新作を撮影することになったんだ。(ポール・)グリーングラスに監督をしてもらいたいけど、彼のスケジュール次第なのでまだどうなるかわからない。いずれにしても2010年公開だよ」

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