イノセンス

劇場公開日:

解説・あらすじ

押井守監督が士郎正宗のSFコミックを映画化し、「マトリックス」シリーズにも影響を与えたとされるなど、世界的にも注目を集めた劇場アニメ「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」の続編。前作から3年後を舞台に、公安9課のバトーを中心とした物語が展開する。

人間の脳が情報ネットワークに直接接続され、身体の機械化が進む世界。少女型の愛玩用アンドロイドによる持ち主の殺害事件が多発し、政府直轄の防諜機関・公安9課のバトーは、犯行直後の少女型アンドロイドが「助けて」という言葉を残して自壊するのを目撃する。違法アンドロイドの製造を疑った9課は、製造会社ロクス・ソルス社の捜査に乗り出し、失踪した草薙素子のかわりにトグサと組むことになったバトーは、ロクス・ソルスのある北の大地へと飛ぶ。

日本アニメとしては史上初となるカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品。製作にはスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが名を連ねている。2004年の公開から20周年を記念し、2025年2月に4Kリマスター版で劇場公開。

2004年製作/99分/G/日本
配給:TOHO NEXT
劇場公開日:2025年2月28日

その他の公開日:2004年3月6日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

オフィシャルサイト

スタッフ・声優・キャスト

監督
原作
士郎正宗
脚本
押井守
製作
石川光久
プロデューサー
石川光久
鈴木敏夫
演出
西久保利彦
楠美直子
キャラクターデザイナー
沖浦啓之
サブキャラクターデザイナー
西尾鉄也
メカニックデザイナー
竹内敦志
プロダクションデザイナー
種田陽平
美術設定
平田秀一
渡部隆
車両設定
水村良男
銃器設定
西尾鉄也
レイアウト設定
渡部隆
竹内敦志
作画監督
黄瀬和哉
西尾鉄也
沖浦啓之
美術監督
平田秀一
CGIアートディレクター
篠崎亨
色彩設計
遊佐久美子
色指定
広瀬いづみ
松島英子
渡辺陽子
彩色検査
水田信子
特殊効果
村上正博
2Dワークス
中山亜希子
撮影
佐久間未希
ビジュアルエフェクツ
江面久
デジタルエフェクトスーパーバイザー
林弘幸
編集
植松淳一
三木幸子
中野千尋
録音監督
若林和弘
サウンドデザイナー
ランディ・トム
整音
井上秀司
音楽
川井憲次
主題歌
伊藤君子
アソシエイトプロデューサー
森下勝司
寺島真樹子
ラインプロデューサー
三本隆二
西沢正智
制作担当
川口徹
コンセプトフォト
樋上晴彦
中国語デザイン
末武康光
アニメーション制作
Production I.G
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受賞歴

第57回 カンヌ国際映画祭(2004年)

出品

コンペティション部門
出品作品 押井守
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映画評論

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(C)2004 士郎正宗/講談社・IG, ITNDDTD

映画レビュー

3.5難しい

2025年3月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

いろんな故事成語が出てきた。絵が綺麗だった。

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たくわん

4.5ゴーストは何処の彼方へ

2025年3月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』の続編。

【ストーリー】
2034年。
公安9課から素子が消えて3年が経った。
隊を率いるバトーは、自分と同レベルのサイボーグ要員がいなくなった現状にフラストレーションをかかえつつ、その日も事件進行中の現場にむかう。
アンドロイドたちの暴走事故が多発していた。
製造はロクス・ソロス社のタイプ2052 ・ハダリ。
現場の凄惨さに不快をおぼえながら、バトーは少女型アンドロイドを鎮圧する。
鑑識の結果、セクサロイドにはゴーストダビングの痕跡があった。
生体——生きた人間——から直接ゴーストをコピーする違法技術である。
ダビング元の人間は脳死状態になり、健常に戻れたケースはない。
もう一つ、ハダリには性行為機能が後づけされていた。
セクサロイドである。
テロの可能性なしと、捜査はバトーとトグサの専従に。
バトーはトグサにたよらず、現場におもむいてはスタンドプレーをくり返す。
「少しは俺たちを信頼しろ」
課員たちは、行動が素子に似てゆくバトーに危機感をつのらせてゆく。

一応SF用語の解説など。
サイボーグ:体を義肢、義体に取りかえた人間
アンドロイド:人間型ロボット
セクサロイド:性行為機能のついたアンドロイド
今作では「ガイノイド」と呼ばれてはいますが、アンドロイドのことです。
「サイボーグは、どこまで人間なのか」という議論について、原作では素子が友だちとパフェ食べながら茶飲みの話題として描かれてます。
士郎政宗の原作では、キャラクターはあんまり悩んだりしないんですね。
そこをシリアスに膨らませるからこその押井守。
人間とはなんなのか、「自分」なんてものはないんじゃないかという、根源に対する疑問を、くり返し視聴者に提示してくる。
自分ちゃらんぽらんで、そこらへんの草でも食って生きてりゃいいやっていう田夫野人なので、押井守はじめ繊細な文学的悩みをはらんだ作品は、心を切りさく刃物のような刺激物でもあります。
めんどくさ、と思う部分ももちろんありますけど。

押井守の映画がそこいらの文学作品で終わらないのは、アクションシーンの鋭いカット割と、類まれなる映像のセンス。
時間が経っても、マトリックスやスターウォーズのように古くならない。
まあフォロワーが少ないってのもありますが、それでも画面はお金かけられるだけかけてリッチに作ってあって、アニメーションの動きも、端々に気配りがされてます。
製作費が安いときはとことん画面安いのが、悩ましい点ですが。
『ASSAULT GIRLS』とか。

球体関節の少女も、独特のインモラルさを匂わせてて、いいですね。
自分若いころ吉田良の『天野可淡人形写真集 KATAN DOLL RETROSPECTIVE』欲しくて欲しくて、でもお金なくて、毎日本屋で立ち読みしてました。
最後の一冊が売れたあとの、あのぽっかり空いた心の空白、まだ自分の中にあっておどろきます。

音楽も善きですねー。
川井憲次の『傀儡謳(くぐつうた)』
そこここで鳴り響いては、黄泉から人形の手が伸びてくるようにこちらをいざない、常世から引きずりおろそうとしてくるあの不気味さと甘美。
たまらん。
『follow me』もいいけど、傀儡謳ずっと聴いてたい。

エンタメ度は前作に比べて低いのですが、映像美は圧倒的で、こちらを驚かせる仕掛けもたっぷり。
「当時病気してて病んでた」とここないだインタビューで語ってましたけど、そんなヤミ押井が好きな貴方なら、この作品も楽しめるはず。
病気は前立腺かな?
なんかあのころ、すぐ前立腺の話しようとしてたよね、監督。みんな止めてるのにすぐ話題を前立腺にもどしてたよね。
いいけど。

「続編の構想がある」との報道もありますから、ファンとしては、楽しみに待ちたいところです。

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かせさん

4.5今だからバトーさんと共有出来た喪失感かも

2025年3月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

今回はせっかくの特別上映で、攻殻機動隊と同じ日に駆け込みで2本続けて視聴しました。
以前観た時は、まだ1作目の攻殻機動隊の方は途中までなんとなくついていってラストから完全に振り落とされた感じだったのが、イノセンスの方は最初からあまりついていけず、北端パート以降はもはや諦めて映像美だけ追っていた状態でしたので、時間がなくて予習できなかったのもあって今回も覚悟してましたが、案外スルスル飲み込むことができました。
理由の一つはハダリが個人的に完全に不気味の谷現象で、昔は完全に無理!状態だったのが、多少見慣れたのか前ほど拒絶感がなかったこと。
そしてもう一つは、この直前に攻殻機動隊の方を視聴することで、「もう田中敦子さんの少佐はいないんだ」という喪失感を自然とバトーさんと共有できたからかな、と思っています。
いくら荒事に慣れっこの部署だからといってもバトーさんの行動がいちいち荒っぽくて共感できなかったのも、「この犬に癒されてるシーン、こんなにいる?監督の趣味が出過ぎじゃない?」と思ってたのも、そういう心の中の茶々入れが入らず受け入れられた気がします。
あとやはり世界観と映像美は圧巻。特に昔は中国語が出てくるのが全然ピンと来てなくて「こういうのって英語じゃないの?」とか思ってたんですが、今はむしろしっくり来ました。
とはいえ改めて名言?の引用は多すぎるし、ちょっとくどかったかも。

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ねこきち

4.0その世界の深さを感じる

2025年3月15日
PCから投稿

20年経っても見応えのある作品
想像力を超え力のあるものは残る。

意味を考えると思考停止になる。
物語を追うと金縛りに合う。

公開当時は、感覚で観た。
だから今も感覚で捉えた。

包み込む色彩や音
声が愛おしくなり
その世界に深く沈み込んだ。

美しい世界に痺れた。

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星組