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久しぶりに全編通して映画を観ました。PCの21インチモニタでですが。
ジョブチェンジしてから、なかなか映画観てレビューまで書く時間がなかったです。
この作品ね、YouTubeのショート動画で偶然に見つけたんですね。一応過去はバイク乗りの端くれだったから、かなり強い興味を持ったの。「これは観るべし!」って。
なのにどーっこ探しても配信していないから、TSUTAYAで円盤借りてきたの。
最初は「スピードに命を懸けた男の半生記」だと思って観始めたの。
ところがどっこい大作、ロードムービーの傑作だったのですね。
そう、傑作。良くも悪くも“よく出来過ぎた”傑作。
出てくる人出てくる人、みーんないい人ばかりで胸がほっこりするの。お話が進むにつれ、ずーっとニコニコしながら観てたの。
むしろ、どこかでイヤなヤツが出てきてこっぴどく裏切られるとか、いけ好かないライバルが登場してイライラさせられるんじゃないかと、そういう展開すら期待しながら観てたの。でも悪人なんて、ただの一人も登場しないの。
主人公・バートには老若男女+ニューハーフに至るまで、誰をも魅了する人徳と愛嬌があったみたい。
そうしたらライバルどころか、これまたナイスガイの出場者の登場で窮地を救われたってんですから、どんだけ天上界のお話ですかって話ですよ。
ちなみにそのナイスガイことジム(クリス・ローフォード)なんですが、かつて存在したWGP500ccクラスを5年も連続でチャンピオンを獲得した、オーストラリア出身のマイケル・ドゥーハンに激似なの。「えっ、まさか土地と職業柄でゲストでご出演?」って思いましたもん。また余計なこと書きましたよね。
車検場でのやりとりは、ニコニコを通り越して爆笑してたのw 強引にも程がある出場のシーンもw
コルクの栓の燃料キャップとかw 肉切り包丁で削いで作ったスリックタイヤとかw (本人曰く、軽量化のためだとかw)ひび割れたタイヤに靴墨刷り込んで新品に誤魔化すとかw
そもそも、正式なエントリーすらしてなかったのね、このおじさん。「ここに来れば走れると思っていた」なんて。
前例のない事態に、スタッフも支援者も「な、なんだってぇーーーーー!!!」状態。
ここでのひと悶着が笑えるの。バートと、その支援者はウォーミングアップと誤魔化して、本出場を目論んでんでたんですからね。
最後は、厳格なスタッフをして「こんなに決意の固いやつは初めてだよ」「気の毒な気もしてきた。遠くから来たんだ。何とかしてやろうじゃないか。この際ちょっと規則を曲げようじゃないか」と言わしめる愛嬌たっぷりの頑固オヤジっぷりを発揮すんですからね。
但し「どんなに速度を出したって、せいぜい110km/hどまりだ」と嘲られるんですが。確かに言えてる。
結果、排気量1000cc以下のオートバイクラスで40年も型遅れのポンコツインディアン(失礼!せめてヴィンテージとか呼ぼうよ)を駆って時速288km/hの大記録を打ち立てたんですから、あっ晴れです。
これ、ノンフィクションの匂いがしていたので、ちょっと調べてみました。完全ノンフィクションじゃなくてあくまでも脚色の多い伝記物らしいですね。
実際はどうだったんだろう?やっぱり悪人に騙されてこっぴどい目には遭ってたんだろうなぁ。
同じ出場者からは嘲笑の的にされてたんだろうなぁ。
ちなみにバートが中古車屋のフェルナンドから買った格安のオンボロ車、また悪い癖で調べてみました。なんとか知恵袋のお力を借りて。シボレー・ベルエアの1954年モデルということらしいです。この癖一向に治りません。
映画ファンなら真に調べるべきことがあります。監督や出演者のことです。主演のアンソニー・ホプキンスって『羊たちの沈黙』で類稀なシリアルキラーのハンニバルを演じられた方だったのですね。未見なのでまるで存じ上げませんでした。こういうのこそ常識として頭に残しておくべきですよね。車とか鉄砲の名前とかじゃなくて。とか言いながら、Wikipediaで、また寄り道をしてシリアルキラーの件でゾディアック事件や殺人ピエロことジョン・ゲイシーのことなんかも調べちゃったわけですが。まるで懲りてない。
バートがね、序盤に“友人”の少年・トムに???なこと言ってるんですね。
「もし人が夢を追うのを止めたらそれは野菜と一緒だ」→「どんな野菜?」→「さぁ…キャベツかな。そうだキャベツだ」
「えっ?どーゆー意味???」と思ってちょっと考えてみたの。「枯れてシワシワになってるのを待つだけだ」みたいな感じ?
これまたこんな厨二的台詞もあったんですね。「顔には皺はあるが心はまだ18歳だ」どこかのアイドルが言ってそうな台詞。
最後に思うに、夢を持つことは大事だけれど、それを支える信念を持つってことはもっと大事なんだなぁ…と。
でね、肝心の採点ですが、★5にしようかどうしようか迷ったの。出てくる人出て来る人、みんないい人ばかりで、お話が上手く運び過ぎって思ったので、残念ながら★0.5個減らしました。
せめて最後の大舞台で、いけ好かないライバルの度胆を抜くカタルシス万歳!な展開もあってほしかったかな。
本当の最後にもう一個ね「そりゃないぜセニョール!」って記述がwikipediaの本作解説に載ってるの。怪しげなモーテルの“女”(?)主人。“彼”の紹介に「モーテルの受付。おかま」って書いてあるの!ややこしいこと覚悟で言うとね、おかまって蔑称だよ!よくないよ!
日本語で書くなら、せめてニューハーフとかジェンダーレスとかの和製英語にしようよ!ここは別に採点に響いたわけじゃないんですが。ポリコレ何様!?とまで思ってるんですが。なら書くなよ。