ギャング・オブ・ニューヨーク

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

「タクシードライバー」のマーティン・スコセッシ監督が、19世紀ニューヨークで生きる人々の壮絶な生きざまを描いた歴史ドラマ。1840年代、ニューヨークのファイブ・ポイント地区。アイルランド移民集団のリーダーであるヴァロン神父は、敵対するアメリカ生まれの集団のボス、ビルに殺される。ヴァロンの幼い息子アムステルダムはそれを目撃し、自らも少年院へ送られてしまう。15年後、ニューヨークへ帰ってきたアムステルダムは復讐を果たすべく、街を牛耳るビルの組織に素性を隠して潜り込む。やがて彼はスリ師の女性ジェニーと出会い、互いにひかれ合うが……。主人公アムステルダムをレオナルド・ディカプリオ、彼の運命の女性ジェニーをキャメロン・ディアスが演じ、5年ぶりにスクリーン復帰したダニエル・デイ=ルイスが敵役ビルを怪演。2003年・第75回アカデミー賞では10部門にノミネートされた。

2002年製作/168分/アメリカ
原題または英題:Gangs of New York
配給:松竹、日本ヘラルド映画
劇場公開日:2002年12月21日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第26回 日本アカデミー賞(2003年)

ノミネート

外国作品賞  

第60回 ゴールデングローブ賞(2003年)

受賞

最優秀監督賞 マーティン・スコセッシ
最優秀主題歌賞

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) ダニエル・デイ=ルイス
最優秀助演女優賞 キャメロン・ディアス
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映画評論

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写真:Album/アフロ

映画レビュー

4.0【人種の坩堝近代ニューヨーク市を舞台に、アイルランド移民とアメリカ生まれの人々との抗争を大スケールで描いた作品。だが、彼らもアメリカ近代化の波に呑み込まれて行く様を痛切に描いた逸品なのである。】

2025年1月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

難しい

■1980年代ニューヨーク市のファイブ・ポイント地区。
 アイルランド移民集団”デッド・ラッツ”のリーダー・ヴァロン神父(リーアム・ニーソン)が、対立するアメリカ生まれの集団”ネイティブ・アメリカンズ”のリーダー・ビル・カッティング(ダニエル・デイ=ルイス)に抗争の中、ナイフで殺害された。
 それを目撃していたヴァロンの幼い息子アムステルダム・ヴァロン(レオナルド・ディカプリオ)は、15年後、復讐のために素性を隠してビルの組織に潜入する。

◆感想・<Caution!内容に触れています。>

・物凄い熱量で描かれた、近代アメリカ、ニューヨーク市での抗争を描いた作品である。現代、これほどの有名俳優多数を含めた登場人数と、近代のセット、意匠、衣装を要した映画を作る事が出来るのは、一体何人いるのだろうか。
 流石、マーティン・スコセッシ監督であると素直に思う。

・物語の構成は意外にシンプルで、アイルランド移民集団”デッド・ラッツ”のリーダーであった父を殺された男と、父を殺した男との愛憎を描いた作品であるが、そこに様々な思惑を持った男達が絡んできたり、二人と接点を持つ魅力的な女スリ、ジェニー・エヴァディーン
(キャメロン・ディアス)が登場する事で、物語に華が添えられるのである。

■この作品が凄いのは、アイルランド移民集団”デッド・ラッツ”とアメリカ生まれの集団”ネイティブ・アメリカンズ”の抗争を描きつつ、それを率いるアムステルダムとビル・カッティングの関係性が、特にビルを演じた名優ダニエル・デイ=ルイスの、凄い演技もあり二人の人間の愛憎が、キチンと描かれている所である。
 ビルが、ヴァロン博士を殺した時も彼は博士に敬意し表しつつも、別の場では実に残忍な男になるのだが、それをダニエル・デイ=ルイスが見事に演じているために、レオナルド・ディカプリオも頑張っているのだが、差が出てしまっているかなあと思ってしまったかな。
 あとは、ジェニー・エヴァディーンを演じたキャメロン・ディアスの立ち位置が、後半やや薄れた事かなあ。

■この作品が観ていて切ない気持ちになるのは、”デッド・ラッツ”と”ネイティブ・アメリカンズ”の争いの中、新しきアメリカを率いるリンカーンによる南北戦争のための徴兵制により、二つのグループが瓦解していく様であろう。
 圧倒的なアメリカ陸海軍の一斉射撃、砲撃によりニューヨーク市の人達の多くは亡くなる。それを象徴しているのが後半の多くの死者の胸に立てられた蝋燭のシーンである。

<そして、ラスト。ニューヨーク市が時間を経る中で、摩天楼が立って行く様を映し出すシーンは、ニューヨーク市が近代化していく様を如実に表しているのである。
 今作は、近代アメリカ、ニューヨーク市の二つの集団を描きながら、結局は彼らも近代化の波に呑み込まれて行く様を、痛切に描いた近代アメリカ史を語る逸品なのである。>

コメントする 1件)
共感した! 3件)
NOBU

3.5NYギャングのルーツ‼️

2025年1月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

19世紀のニューヨークを舞台に、アイルランド移民のグループと先住民のグループの争いを描いたスコセッシ監督の入魂作ですね‼️先住民のグループのボスのダニエル・デイ・ルイスに父を殺されたアイルランド系のディカプリオ‼️やはりダニエル・デイ・ルイスがスゴい‼️よそ者を締め出す事がアメリカの繁栄の道という、信念と執念に凝り固まった敵役を熱演してる‼️あのヘアスタイル、ヒゲ、そして妙に色気のある声‼️硝煙の中からディカプリオへの容赦ない攻撃‼️とても最後のモヒカン、ホークアイと同じ人とは思えないですね(笑)

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共感した! 4件)
活動写真愛好家

2.5ディカプリオは良い役者さんだと思いますが・・・若い頃の評価は不遇ですね。

2024年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

19世紀初頭のニューヨーク。アイルランド移民の子として、父の仇であるギャングに挑む主人公を描く物語。

レオナルド・ディカプリオとキャメロン・ディアスの共演が話題の作品でした。
当時の街並みの再現に驚きはありましたが、それだけの作品でした。
当時の世相や文化に無知な日本人としては、戸惑う部分が大きかったのが理由の一つでしょう。
逆に、知らないことを知ることが出来た・・・と捉えることも出来るのですが・・・

ディカプリオとディアスの共演で、ラブストーリーに振られたことも大きなマイナスでしょうか。
物語としては、ディカプリオの復讐譚をしっかりと描くべきでした。ラスボスを演じたダニエル・デイ=ルイスは、それに相応しい素晴らしい演技をしていたので、とても残念に感じました。

蛇足ですが、ダニエルが「主演男優賞」にノミネートされたことは、かなり不愉快。この映画の主役は誰がどう観てもディカプリオ。それなのにダニエルを「主演」にノミネートしたことにアカデミー主催者の底意地の悪さを感じてしまいました。

私的評価はやや厳しめです。

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共感した! 0件)
よし

1.0アメリカの歴史もの

2024年9月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

タイトル通りギャングのストーリーかと思っていたら、ギャングは出てこなくアメリカの歴史ものでした
南北戦争の頃や、人種のるつぼになっていくニューヨーク、その頃の歴史が描かれていて、それがわかるのは良かったけど、全体を通して残虐なシーンが多すぎて観るのがしんどかったです
ハッピーになる人がいないのは苦手です
スコセッシ作品は好きなんだけど今作は合わなかったです
でもキャメロン・ディアスの衣装は可愛かったし、セットの小物とか凝ってたなぁと思いました
この作品では、ディカプリオよりダニエル・デイ=ルイスの方が断然インパクトありました

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小町