紅の豚

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劇場公開日:

紅の豚

解説・あらすじ

宮崎駿が監督・原作・脚本、スタジオジブリ制作による劇場用アニメーション作品。イタリア、アドリア海を舞台に、豚の姿をした飛行機乗りのポルコ・ロッソと、彼を取り巻く人々との愛と友情の日々を描く。

第1次大戦後のイタリア、アドリア海。暴れまわる空賊相手に賞金稼ぎをしているポルコ・ロッソは、自分に魔法をかけて豚の姿になった飛行機乗りだった。ある時、目障りなポルコを倒すため空賊たちがアメリカ人の凄腕パイロット、ドナルド・カーチスを雇い、ポルコは機体の不具合もあって不本意にもカーチスに撃ち落とされてしまう。幼なじみのジーナの心配をよそに、機体の修理のためミラノにいる昔なじみの飛行機製造工のピッコロを訪ねたポルコは、そこでピッコロの孫娘フィオに出会う。

本作の主題歌を歌う加藤登紀子が、ヒロイン・ジーナ役の声優も務めた。

1992年製作/94分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1992年7月18日

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映画レビュー

3.5わずか15ページのほんわかとした短編漫画が大人の物語として生まれ変わった

2025年5月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:TV地上波

笑える

楽しい

興奮

賞金稼ぎの赤い飛行艇乗りが空中海賊=空賊たちと命を賭けた壮絶な空中バトルを繰り広げる…そんな手に汗握るスリリングな物語を期待していると微妙に肩すかしを食らう(笑)。
いや、もちろんそういう空中バトルが描かれるのだけれど、全体にほんわかとした雰囲気なのである。

それもそのはず。原作の漫画がそもそもほんわかとしているのだから。

原作は宮崎駿本人による漫画「飛行艇時代」。わずか15ページの短編である。
原作の大まかな筋書きは映画とほぼ一緒。でもマンマユート団以外の空賊たちは登場しない。ジーナも登場しない。シリアスな描写も一切ない。
宮崎駿お得意の淡い水彩で、あくまで軽いノリでほんわかとした物語がユーモラスに綴られている。
だいたい主人公を豚にしてしまう時点で、ありきたりのハードボイルドやヒロイズムに対する宮崎駿のシニカルな視線が感じられる。
この「飛行艇時代」は、さすがに天才宮崎駿が描いただけのことはあり、15ページの短編ながら流行り廃りと関係なく時代を超えて読み継がれるべき傑作漫画と言える。

ただ、この15ページのほんわかとした原作そのままではさすがに長編映画にはならない。
宮崎駿はそこに原作にはなかったジーナという大人の女性を登場させ、さらにポルコ・ロッソの過去の心の傷なども描くことで、ほとんどギャグ漫画に近かった軽いノリの物語を大人の鑑賞に耐えうる長編映画に生まれ変わらせた。

この作品で描かれているのは『ルパン三世 カリオストロの城』や『天空の城ラピュタ』のような痛快冒険活劇の世界ではない。
この作品が公開されたとき宮崎駿は51歳。アニメーション映画の最前線を駆け抜けてきて、50代を迎えてこれまでの自分の仕事を少し俯瞰して見る余裕ができたのかもしれない。
だからこの作品は冒険活劇の世界にのめり込まずに一歩引いた目で俯瞰して眺めるような、そんな大人の視点で作られている。

この作品がノスタルジーに満ちているのは、宮崎駿自身が同年代の仲間たちと一緒にアニメを夢中で作った血気盛んな若い頃を懐かしんでいるせいかもしれない。
自分がこの作品を劇場で観たときは20代を迎えたばかりだった。血気盛んかどうかはともかく(笑)若者であり、賞金稼ぎの赤い飛行艇乗りの物語と聞いて、痛快冒険活劇を期待して観に行ったため、微妙に肩すかしを食らったのを今でもよく覚えている。

でも、あれから30年が過ぎて自分も宮崎駿がこの作品を作った年齢を超えてしまった。
そういう目で観ると、この作品が血気盛んな若者時代を通り過ぎてしまった大人たちに宮崎駿が贈った物語だということがよく分かる。

この作品の一種の枯れた味わいは、50歳を過ぎたおっさんにしか本当には理解できないのかもしれない(笑)。
もちろん、宮崎駿がノスタルジーに浸って枯れた作品を作り続ける大御所みたいな、そんなじじむさい人間でないことはその後の精力的な創作活動が証明している。

20代の自分はこの作品がほんわかとし過ぎていて不満があったが、50代の自分はこういうほんわかとした作品も結構イイじゃないかと思っている。たぶん年を取れば取るほど好きになるような気がするので、この作品とは一生付き合っていけるのかもしれない。

ただ、一方で傑作短編漫画である「飛行艇時代」にシリアスな大人向けの要素を付け加えたりしないで、あの軽いノリとユーモラスな雰囲気そのままに30分くらいの痛快短編アニメに仕立てた作品を観たいという気持ちもずっと自分の中にある。
この気持ちもたぶん一生続くと思う(笑)。

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盟吉津堂

3.5初めてちゃんと観ました

2025年5月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:TV地上波

楽しい

ジブリの昔からある名作なのに今の今までちゃんと観たことがなかったから、ここにきて超新鮮に映った。豚がカッコいいとかだめ
何故主人公が豚なのかは深いテーマがありそう

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柿男

4.0かっこいいとはこういう事さ…

2025年5月12日
Androidアプリから投稿
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うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)

3.0ジブリの中で一番ピンとこなかった、が…。

2025年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

楽しい

単純

幸せ

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チャン・パー

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