アイアンクローのレビュー・感想・評価
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アメリカの話ですが日本のプロレスも同じで、栄枯盛衰は避けられないと
アイアンクロー
神戸三宮にある映画館 kino cinéma(キノシネマ)神戸国際にて鑑賞2024年4月9日(火)
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解説
日本でもジャイアント馬場やアントニオ猪木らと激闘を繰り広げ、鉄の爪=アイアンクローを得意技としたアメリカの伝説的なプロレスラー、フリッツ・フォン・エリックを父に持ち、プロレスの道を歩むことになった兄弟の実話をベースに描いたドラマ。
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ストーリー
ヒール(悪役)のプロレスラーとしてドサ周り興行に参加していたフリッツ・フォン・エリック(ホルト・マッキャラニー)は、妻と子供たちを養うために自らのプロレス団体を設立。息子のケビン(ザック・エフロン)らを花形レスラーに育て上げようとしていた。
1979年、ケビンがNWAテキサス州ヘビー級チャンピオンとなる。フリッツはケビンを賞賛しつつも「これはまだ第一歩」だとさらなる鍛錬を積むように命じる。フリッツは早くに長男を亡くし、次男のケビンを筆頭にしたプロレス界最強ファミリーを作り上げようとしていた。
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ケビンに続いて三男デビッド(ハリス・ディキンソン)のリングデビューが決まり、大学生の四男ケリー(ジェレミー・アレン・ホワイト)は陸上競技のオリンピック代表選手として日々トレーニングに励んでいた。しかし1980年、アメリカ政府がモスクワ五輪のボイコットを宣言、活躍の場を失ったケリーは実家に舞い戻り、父フリッツの勧めで家業であるプロレスラーになることを決意する。
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フリッツはケビン、デビッド、ケリー兄弟をレスラーとして売り出し、次第に華のあるデビッドとケリーに人気が集中していく。ケビンは自分に向けらていた父の期待が弟たちに移っていることを敏感に察知するが、嫉妬に駆られる感情を抑え込み、ストイックに弟たちを支え続けていた。そんなケビンにとっての心の安らぎは恋人のパム(リリー・ジェームズ)の存在だった。パムが妊娠し二人は家族の祝福を受けて結婚式を挙げる。
デビッドは一家の念願である世界ヘビー級タイトルマッチに挑戦する日を間近に控えていたある日、巡業先の日本で急死してしまう。家族は悲嘆に暮れるが、父フリッツは悲しみを乗り越えて先に進むように子どもたちを叱咤する。
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デビッドの追悼興行でヘビー級タイトルマッチが行われることになり、フリッツはコイン投げでケビンとケリーのどちらかが出場するかを決める。選ばれたケリーは王者リック・フレアーを倒し、ついにフォン・エリック家から世界ヘビー級王者が誕生した。しかも喜びは束の間、ケリーはバイクの事故で片足を失ってしまう。
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「フォン・エリック一族は呪われてる」というジンクスを恐れるようになったケビンは、生まれてきた子供にデビッドと名付け、父親が改姓する前の「アドキッソン」姓で出生登録をする。一方ケリーの事故によって、ミュージシャンを目指していた五男のマイク(スタンリー・シモンズ)もレスラーへの道に足を踏み入れるが、試合中に負傷して病院に担ぎこまれてしまう。マイクは後遺症に悩まされ、周囲の期待に耐えきれずに衝動的に命を絶ってしまった。さらに義足で復帰したケリーも、手放せなくなった鎮痛剤の中毒症状に苦しむようになり、実家の庭で拳銃自殺を図る。
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気がつけば、兄弟で生き残ったのはケビンただ一人となっていた。それでもなお悲しみを拒絶し、強さを誇示しようとする父フリッツを目の当たりにして、ケビンはついに、人生最大の決断をするのであった。
アメリカの悲しみと希望
これまたA24の映画です。
プロレス映画ですが、決して挫折や失敗を乗り越えてついに"勝った!優勝!やったー!"でメインテーマが流れ、感動の涙が止まらないという話ではない。
プロレスと家族を題材にアメリカの男性性や宗教感や価値観の変容を描いてるといった様に私は感じた。
家族の呪いでもあると同時にアメリカの呪いでもある。
いつもは講釈を垂れない様にしてるが今回は垂れ気味に書きます。
まず一昔前の映画を観る時は何となく今の価値観だけでなく当時の価値観を脳の片隅に入れておくといいかもしれない。
例えば親が毒親のように描かれてるかといえば今の価値観でいえばYESで、当時ならNOだろう。今だからこそそれって教育虐待だよって思えるけど、一昔前はその感覚さえなかったわけです。負けと逃げるはあり得なかったから、悲劇的な展開だからこそ批難されただけで成功してれば違って見えるのだろう。
またこの映画の中で男性性の問題を描いていて、日本より自由の国アメリカの方が根強く残ってる。今でさえアリアナグランデの曲を聴いてればゲイ扱いされるし、オシャレしてもゲイ。モテたきゃマッチョで男らしさをアピールすべきと思ってる男性も多い。
その同調圧力も当時なら今とは想像出来ないほど強かっただろう。
それらをプロレスというビジネスで表現しててリングではいかに強く見せるか、それが虚勢だろうと成功すれば正義であり、プロレス(男性社会)では必須でありその強さは日頃の積み重ねが大切だ。だから男は泣いてはダメだし、下を向いても弱音もダメ。
そしてリングに上がる。逃げ場を絶たれたロープ(檻)に囲まれて同じ様に虚勢を張った者同士が本当の強さではなく第三者や運や流れで勝利が決め合う。
今でこそ遺伝で決まる事や成功の再現性の無さなどが理解出来るが、一昔前ならスポ根や24時間戦えますか?の世界だった。タフネスと成功がセットでそれが父親と銃(これもまたアメリカの象徴)で表現されてたのかなと思った。
もう一つ、宗教。敬虔なクリスチャンである母だが、私達日本人からすると信仰してるのになぜ?と思う場面多いが、教義自体が宗教の生まれた時代であり教義がアプデされずに時代の流れとのギャップが生まれて行った時代でもある。
特に自殺はキリスト教において御法度であり天国などありえないし、神様から許されもしない。だから今でも自殺より精神的自殺(ドラッグ依存)を選ぶ人が多い。なのでお母さんさえ涙を堪え息子への気持ちを吐くことさえ出来ず「同じ喪服はイヤ…」という。
また彼女は敬虔なキリスト教信者であると言う事は今話題のトラッドワイフという保守層の女性で、働きに出ず家事をこなし夫を支える。なので男社会に口出しをしないのもその影響であれが当時は一般的だったのだろう。
そういった背景があり、最後の天国の様子を描くというはキリスト教の影響力がアメリカで衰退したからこそ描けるわけで昔の価値観からしたらあり得ないシーンですごくグッときた。
あぁアメリカは変わったなぁと思ったし、息子達の様子を見て涙が流せたのが古きアメリカの呪いが解けた証拠なんだと思った。
唯一の理解者であるパムは新しい価値観の象徴であり、今でいうリベラル層。パムが働いてた事は彼にとっても違う選択肢を選びやすかっただろう。しかしリリージェームスは好きな俳優だからテンション上がったな。本当にかわいい。
パムがどんな時も寄り添い、子どもの面倒を見させてご飯を作らせ、そのおかげで彼は救われ違う道を探し新しい人生を見つけた。最後の沢山の家族に囲まれた写真も兄弟の集合写真も両方とも美しかった。
日本でも男性性の問題は軽視されてる部分や、氷河期の方に見られる自己責任論と助けてと言えない生き方
にも重なるものあるなぁと思った。
悲劇が続くシーンは本当に息が詰まり、友人の訃報を聞くかの様な寂しさとやり場のない共感。
いい作品でした。
ちなみに
カップルで観る◯
こういう話題で少し深い話できそう
家族◯
人によっては微妙な空気になりそう笑
1人◎
A24の映画は1人で観るのが正解なんかもな…
前知識がなくこの映画を観るほうがおすすめ
家族を守り抜くために
1980年代にプロレスの頂点そして伝説になったエリック・フォン家の実話を基にした作品。
プロレスという観客を沸かせる華やかな世界、その裏で選手としての葛藤とも闘う。どのシーンも胸に突き刺さりました。
プロレスで家族を守ろうとした父親とそれに応える息子達。そして凛と支える母親。
当時のリングや選手の言葉や姿を忠実に再現したそうで、その頃を知っていたら更に感情が揺さぶられたに違いないです。デビッドは天龍源一郎さんと試合をする予定だったそうですね。
ケビンを演じたザック・エフロンの肉体改造にも驚き!
最初に目を疑ってしまいました。
ハンサムは健在ですが、何よりも素晴らしい俳優さんになっていますね。
結局家族を守り抜いたのはケビン。
家族の絆や愛が絶対的なものであるが故に胸が痛みます。
ザック・エフロン熱演!
前情報なしでも映画の売り文句からどれだけ悲劇に見舞われるのかなという心構えで観た
実質長男的な次男ケビンが背負った重荷は凄まじかったな
プロレスシーンは迫力満点でザック・エフロンは熱演!
音の使い方も良かった
あとブルーザー・ブロディが出てきて嬉しかった
昭和のプロレスを見ていた方なら知っているエリックファミリーのお話。...
昭和のプロレスを見ていた方なら知っているエリックファミリーのお話。
三男デビッドが全日本に来日するのを楽しみにしていた矢先、ホテルで客死したと聞いて驚いたのを覚えています。映画ではケビン視点で物語が描かれていますが亡くなってしまった兄弟たち、親父さんの視点があればもっと良い作品になりえたと思います(尺の都合はあるでしょうが)
今でこそ毒親という概念がありますが、あの当時は親が子供に自分の夢を託すのが悪だという風潮は今ほど無い時代背景を知っている者としてこのファミリーに起こった不幸のすべての責任を父親に求めるのは酷ではないかと思いました。少なくともフリッツはレスラー、プロモーターとして成功し一代でダラスの名士になった人物でもあり、家族もその恩恵を受けながら幸福を享受してきたという状況を考えると息子たちが父親に絶対服従してしまうのも家業を盛り上げることが自分たちの使命と思ってしまうのも仕方がなかったのではないでしょうか(だからこそ悲劇的なのですが)
作品全体としては職業を同じくする者にありがちな醜い確執もなくお互いを思いやる兄弟であったことがせめてもの救いでした。ケビンの子孫たちに幸多かれと祈らずにはいられません。
ルックが素晴らしい!
本作、IMDbやRotten Tomatoesで評価が高いこともあり、公開前から注目しておりました。
プロレス、私自身も短い期間ではありましたが夢中になった時期があります。さすがにフリッツの時代には間に合っていませんが、ケビンやケリーについては新日本プロレスで試合を見た記憶がありますし、「呪われた一家」の逸話についてもざっくりは知っています。
本日サービスデイの午前中の回、客入りはあまり多くはありませんが解りやすい特徴としては、ほぼオジサンです。そもそも日本でプロレスはサブカルチャー。さらに現代のように一般にインターネットが使われていなかった時代、情報を手に入れる方法は限られ、金と時間、そして情熱がなければ続けていけない趣味でもありました。と言うことで、当時早々に脱落した私としても、今「フォン・エリック・ファミリー」の映画が観られることを楽しみにしていました。
で感想ですが、映画としては「悪くはない」印象です。が、やはりというか、思った以上に観る人を選ぶ作品ですね。微妙な言い回しの最大の理由は「事実との相違」。伝記映画あるあるですから「そこは織り込んで」観られる人はいいと思いますが、話をシンプルにするために一部割と大胆に「設定」から改変されていることなど、プロレスファンに受け入れられるかは疑問です。
一方で、素晴らしいのはルックですね。衣装やメイクなどは勿論なのですが、特に試合シーンは当時のテレビ放映を見ている感じで、思わず「懐かしい」と思い込めます。また、日本でもおなじみのプロレスラー、リック・フレアー、ハーリー・レイス、ブルーザー・ブロディ、テリー・ゴディなどの試合以外の様子なども垣間見えます。
ただ、如何せん少々物足りないかな、と。伝記映画として切り口を決めて出来るだけ事実に寄り添った作りなのは解りますが、そこはプロレスですから、もう少し盛ったり、尾ひれをつけても良かったかなとも思います。
それにしても、ザック・エフロンは相変わらず身体仕上がってますね。トップロープからのフライング・ボディ・プレスが実に美しいです。
悲しくも深い愛の家族のストーリー
「アイアンクロー」は聞いた事がある程度で全然プロレスの知識がなくても楽しめる作品でした
楽しめるって表現は合わない作品ですが、観て良かったと思える作品です
息子達が「Yes, Sir.」と父に答えるから恐怖政治的な感じで息子達を支配しているのかと序盤思いましたが、そうではなく強い父を尊敬しているからこその「Yes,Sir.」
プロレスラーになる道を当然のように選ぶ息子達
自分の夢を息子達に託す父の呪縛から早く抜けられていたら良かったのにと思わずにはいられませんでした
そうしてたら息子全員幸せになれていたかも
責任感が強すぎるケビンに切なくなりますがパムがいてくれて良かった
ケビンだけじゃなくてフォン・エリック家全員がパムの存在に救われていたような
そのパムはリリー・ジェームズ、ホントぴったりでした
ザック・エフロン、ハリス・ディキンソン、兄弟全員鍛え上げられた身体でプロレスラーみたいで役作りがすごい
俳優さん達の役作りからプロレスシーンはすごくて、深い兄弟の絆、父の期待に応えたい重圧、悲しい家族から未来への希望、なんかもういろんな想いでいっぱいになる作品でした
ラストのケビンの涙に息子2人からの言葉、涙ポロポロでした
イエッサー!
プロレス一家フォン・エリック家の悲劇を描いた映画。
親が成し遂げられなかった夢を子供に託し、幼少の頃からスパルタ教育をするのは世界中のどこにでもある話だが、大人になっても親の言う事を疑わず、真っ直ぐに努力できるのはある種の才能に加え、洗脳に近い状況にあると言ってもいいかも知れない。
恋人もおらずプロレスと家族が人生の全てであったエリック兄弟にとって、重圧を受けても逃げる場所がなかったと言うのがその後の悲劇に繋がってしまった原因の一つのように感じたが、一番の元凶は父親が本当の意味で子供を愛していなかったことだと思う。
次男ケビン役のザック・エフロンの尋常じゃない体つきは素晴らしい役へのアプローチではあるが、兄弟全体のバランスを考えたらやり過ぎな感じがした。
プロレスの実力というものが今ひとつわからなかったが、少なくとも団体の興行を成功させる能力が大事であるということはわかった。
身体をいじめ抜くだけではなく、派手な衣装やマイクパフォーマンスなどショーとして如何に楽しく見せるかが(特にケビンには)欠けていたので、なかなかチャンスが与えられなかったんだと思う。
リック・フレアは自分自身が試合で良いところがなかったにも関わらず、試合自体が盛り上がったことでケビンをしっかりと評価することができる素晴らしい人格者だった。
ショーマンとして非凡な能力を持っていた故のチャンピオンなんだと思った。
映画ではケビンは不幸の源であるプロレスから距離を置いたように見せているが、実際子供は2人とも日本のプロレス団体ノアでデビューしている。
結局呪縛からは逃れられないという話に持っていくのも面白かったように思う。
兄弟愛と言うものに素直に感動
フリッツフォンエリックが引退する直前くらいからプロレスファンになりました。
全盛期は見ていないですがそりゃ伝説のレスラーでした。
映画はプロレスファンで無くとも楽しめる内容ですがフリッツフォンエリックがどんな人物だったのかどれだけ偉大だったか位は知識として入れておくとより楽しめると思います。
兄弟愛を語るには美しい内容で心に入りました。
「呪われた家族」の話しはもちろん知ってほぼ事実通りに作成されています。実際はマイクの下にもう一人兄弟がいたのですがいない事になっています。その位ですかね(事実のがもっと厳しい)。
しかしケビン役の俳優凄い体を作ってますね。
実際のケビンより仕上がってます。
ケビンはもっと細いです(笑)本物のケビンと合わせるとプロレス知らない人だとあれ?と思うだろうからあの位作った方がいいのでしょうね。
父の呪縛
”呪われた一家”とも言われるフォン・エリック家であるが、その波乱に満ちた運命は実に悲劇的だ。これが実話ベースというから、何ともやりきれない思いにさせられる。自分はそこまで迷信を信じる方ではないが、流石にこれだけ不幸が重なるとお祓いでもしてもらった方が良いのではないか…と思うほどだった。
ケビンたちの不幸は、厳格な父フリッツの束縛から逃れられなかったことに起因しているように思う。何をするにしても彼らは父の言いなりで、反抗することすらできない。
例えば、五男のマイクは兄たちのように決して体格が恵まれているわけではない。彼は大好きな音楽の道を進もうとした。しかし、厳格な父はそれを許さず兄たちと同じようにレスラーにさせた。その結果、悲劇的な末路を辿ってしまう。
プロレスの世界では”強さ”こそが正義である。フリッツは息子たちに期待をかけて厳しく特訓したが、これが完全に裏目に出てしまった。結局、彼らの人生を奪ってしまったのである。
もし、ケビンたちが勇気を出して自分の”弱さ”を正直に曝け出すことが出来ていれば…。あるいは、このような不幸は起こらなかったのかもしれない。
監督、脚本はシェーン・ダーキン。長編デビュー作「マーサ、あるいはマーシー・メイ」を鑑賞したことがあるが、シュールなスリラー・テイストが中々面白かったと記憶している。この路線で行くのかと思いきや、今回は実話ベースの人間ドラマということで、その時のような技巧的な演出を封印し、実に正攻法にまとめ上げられている。唯一、母親が息子を幻視するシーンにシュールさが感じられたが、基本的には奇をてらうことなく大変観やすく作られている。
ただ、ヘビーな物語のわりに、映画自体の鑑賞感はもうひと声欲しいという気もした。ケビンの葛藤に迫るような描写が余りなかったせいかもしれない。兄弟間の絆や父に対する愛憎など、プロットの肝は押さえられているものの、いかんせん語り口が淡泊なのが惜しい。ケビンの内面を深堀していけば、更に見応えのある作品になっていたかもしれない。
キャストではケビンを演じたザック・エフロンの熱演が印象に残った。筋骨隆々にバンプアップした肉体改造はレスラーとしての説得力も十分。本作にかける思いが映像から伝わってきた。
プロレスに詳しくない僕のレビューです。
プロレスに興味ないしスルーする気だったんだけど…
予告編で流れてた曲が好みだった事や好きなリリー・ジェームズが出てる事、プロレスに興味ない人こそ観るべきって記事を読んで観てみました。
男臭く、むさ苦しい、と思ってる方いらっしゃるでしょうが、スタイリッシュでオシャレな演出でスマートに観せてくれます。
観て正解、予想の何倍も良かった。
もう1回観たい。
事実に基づく話で、実在するレスラーのファミリーを描きます。
呪われた一族と呼ばれたファミリー…
知らない方は詳しく調べないで、そのまま、知らないまま、一族のドラマチックな人生を追体験して下さい。
プロレスに詳しくなくても大丈夫、感動できます。
リリー・ジェームズのロマンスがステキなので、女性にもオススメ。
PS.予告編で流れ気になっていた曲は、ブルー・オイスター・カルトってバンドの「(Don't Fear) The Reaper」って曲でした。
歌詞が映画の内容に合ってる。
父親というカルト
不幸にも偶然が重なって災いがエリック一家にやってきた。最初のうちは、そう解釈できなくもないレベルだったが、物語が進んでいくと、呪いではなく、父親という名のカルトが原因であることがはっきりしてくる。
家族が全て、家族の夢を家族全員が力を合わせて叶える。そう父親から言われてしまうと、父親の夢が自分の夢であるかのように錯覚してしまう。それで上手くいけば、心に歪みが生じることもないのだろうが、一旦、綻び始めると、自己崩壊が止まらなくなる。
試合のシーンは、スタント無しで再現したらしいが、信じられないくらいの迫力。ザック・エフロンもレスラーにしか見えない体に仕上がっている。
強い者がチャンピオンなのではなく、プロレスでは、実力とショーマンシップと人気がある者でないとチャンピオンになれない。その辺の雰囲気がよく伝わってくる。
ケビンが父親の呪縛から解き放たれるまでの物語で、重苦しい気持ちを何度も追体験することになる。
「困難を克服して跳ね返さなければならない」父親が唱えるスローガンを死ぬ気で実践しても不幸は消えない。消えないどころか再生産される。
長い時間をかけて下したケビンの決断に、見ている自分も安堵。
リリー・ジェームスにあんなこと言われたら、そりゃー、もう大変。
プロレスをテレビで見ていた時代の空気をフィルムで上手に再現していた...
素晴らしかった
プロレス、よく観に行ってたっけ。
自分がプロレスをよく観に行ってたのは1990年代あたりかな。
雑誌も買ってたから「呪われたエリック一家」の話は、よく知ってた。
ただエリック兄弟を生で観たことはなくて、一番、よく記憶してるのはテレビでケビンが猪木と組んで木村健吾、武藤敬司とのタッグマッチ。
猪木と一緒に武藤を攻撃してるケビンが楽しそうだったな。
映画は最初は「似てる、似てない」くらいの感じで観てたけど、だんだん物語に引き込まれて終盤、泣いてしまった。
プロレスを題材にした映画、日本でも作って欲しいけど日本じゃ役者がプロレスラーに見えるくらいの身体、作れないしな。
かといってレスラーは演技、ヘタクソだし。
個人的には’90年代、日本で一番、プロレスが盛り上がってた頃のドキュメンタリーが観たいかな。
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