アイアンクローのレビュー・感想・評価
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知らなかった悲劇
80年前後のプロレスブームに熱狂した覚えがあります。
当時既に鉄の爪アイアンクローはレジェンドレスラーで、現役の試合を観た覚えは無いです。
ブロディ、レイス、フレアーなど懐かしく思い出しましたが、エリック一家がこんな悲劇に見舞われていたとは。。
彼の世での再会が悲しくも印象的でした。
スキャンダラスさやホラーテイストに描く案を乗り越えて、家族愛と最後に呪いから解放される結末に好感が持てました。
●はじめに
アイアンクロー(鉄の爪)を得意技とし、1960~70年代に活躍したアメリカの伝説的なプロレスラー、フリッツ・フォン・エリックを父に持ち、その教えに従ってプロレスの道を選び、世界ヘビー級王者になることを宿命づけられた兄弟の実話を、次男ケビンの視点から描いた作品です。
思い返すと昭和の時代、プロレスはいかにも米国的なショーでした。強い個性を持ったマッチョな男たちが、力と技を競いあったのです。
この映画の主人公は、前途したようにプロレス一家、フォン・エリック家の男たち。闘う男たちの栄光と挫折の軌跡に、アメリカンドリームの呪縛と末路が浮かび上がります。 それと同時に、悲劇の連続の中で絆を深める一家の家族愛も描かれます。
●ストーリー
1980年初頭。「鉄の爪(アイアンクロー)」を必殺技に活躍した元AWA世界ヘビー級王者の父フリッツ(ホルト・マッキャラニー)は、引退後に自分でプロレス団体を作ります。息子たちをレスラーにして、「世界制覇」を目指していました。
早くに長男を亡くした彼は、次男のケビン(ザック・エプロン)、続いて三男デビッド(ハリス・ディキンソン)が人気を博し、米国のボイコットで五輪出場を逃した四男ケリー (ジェレミー・アレン・ホワイト)も加わって、3兄弟として売り出し、最強のプロレス一家を作り上げようとしていたのです。
父の教えはファミリーにとって絶対でした。チャンピオンになれ!そのために筋肉を鍛え、痛みを鎮痛剤で抑え、筋肉を維持するためにステロイド剤を打ち、高揚させるためにコカインを吸ったのです。
その中で、華のある弟らに人気が集中し、父の期待が自分から弟たちに移っていることにケビンは気きます。嫉妬を抑えながら健気に弟たちを支えるケビンの心の拠り所は恋人のパム(リリー・ジェームズ)だけでした。パムの妊娠を期に、二人は家族に祝福されながら結婚。そんな中、一家の念願であったNWA世界ヘビー級タイトルマッチを控えたデビッドが急死してしまいます。さらにケリーが不慮の事故に見舞われ、片足を切断。リングデビューした五男マイク(スタンリー・シモンズ)も試合中の負傷から後遺症を患ってしまうのです。
相次ぐ悲劇の連続で、世間はエリック一家を“呪われた一族”と暗に噂するようになります。兄弟のなかで唯一生き残ったケビンは、ある決断をし、父と決別。呪いから逃れた先にどんな景色が開けるのでしょうか。暗い闇の向こう側には、美しい陽光が確かに映っていたのです。
●解説
一家はアメリカの理想を体現していました。父親を中心に固く結束、息子たちは指示通りに体を鍛え、レスラーとなりチャンピオンを目指す。良妻賢母の母親、あつい信仰心。成功をつかむために努力と献身を惜しみません。
物語はケビンの目から描かれます。長男を早くに亡くし、兄弟の最年長として率先して父親の期待に応えようとするのに、弟たちに後れをとってしまうのです。不満をのみ込み黙々と努力しても、父から認められなかったのです。
ところが四男のデビッドがこれからという時に日本で客死、三男のケリーは念願のチャンピオンになった直後に事故で片足を失います。代わりに音楽家を目指していた五男マイクがリングに上がるものの、試合中のけがに苦しみ、非業な最期を遂げます。後に「フォン・エリックの呪い」と言われた不幸のつるべ打ちとなっていったのでした。
米国が求める美徳を満たし、栄光を夢見た一家がなぜ不幸になるのか。父権の幻想にすがりアメリカンドリームを追う一家は痛々しく、もの悲しさすら漂いました。そこから解放された終幕には、ようやく肩の力が抜けることでしょう。
別人と見まごうほど肉体を鍛えたエプロンに驚かされることでしょう。俳優陣がほぼスタントなしで、リング上で激しくぶつかりあいます。そんな試合場面の迫力もすさまじいのです。リング上の熱演とフィルム撮影で再現した80年代の映像を見るだけでも価値があります。
しかしカメラは、リングの裏で起きつつある恐ろしい何かを捉えようとするのです。背景にあるのは、父の夢。誰よりも強くなり、大きな成功を遂げたい。父の夢は呪いとなり、息子たちを薬漬けに追い込み、内面から破壊してしまいます。
当初はスキャンダラスさやホラーテイストに描く案もあったそうですが、フォン・エリックー家に起きた出来事を悲しみに満ちた叙事詩として描くことで、有害な男らしさを批判し、家父長制によるパワハラの醜悪さを暴く展開となりました。昨今のトレンドともいえるテーマを扱いつつ、一方で、ダーキン監督は否応なく共同体に属さざるを得なかった者たちの生を丁寧に掬い上げています。兄弟が互いにかける親密な愛情に光をあてて彼らが見つめた一瞬の煌めきを捉えたのでした。
●感想
子供の頃、よくテレビの中継を見ました。スタン・ハンセン、トリー・ファンク・ジュニアとデリー・ファンクの兄弟、ディック・マードック。そして、この映画のエリックー家。テキサス州出身で、日本でも活躍したのです。テキサスといえば腕っぷしの強い荒くれ者、男らしさの象徴でした。それは力を誇示するアメリカのイメージそのものといえます。神経質な小心者がしゃべりまくるウディ・アレンが印象的なニューヨークと対局的です。
そして、昭和のプロレスファンなら誰もがやんちゃな少年時代にまねしたアイアンクロー。本作を見ると、懐かしの必殺技が若き兄弟たちの心をむしばむ“呪縛”の象徴に思えてきました。
そんな展開に、興奮、感動し、怒りや恐怖も覚え、悲しくなりました。プロレスに明るくない人でも、感情を揺さぶられること間違いなしの、“呪われた一族”のドラマなんですね。
心理スリラー「マーサ、あるいはマージー・メイ」で知られるダーキン監督も子供の頃はプロレス狂たったそうで、前途したようにハーリー・レイスやリッタ・フレアーらが登場する1980年代プロレスの再現度の高さがすごいのです。
35ミリフィルムの陰影豊かな映像、家父長制の問題などを現代的視点で捉えたドラマも含め、まさにヘビー級の見応えです。
古い価値観の打破、苦しみへの寄り添い方。一昔前のスポーツ一家の話が、これほど現代に通ずるメッセージをはらむとは!脚本も手がけたショーン・ダーキン監督の手腕にうならされました。
呪われてると言うよりも
パストライブスを観た翌日は2日連続のA24作品で、まさかファイティング・ファミリー的な家族愛や兄弟の絆の話?かと思いきや、アイアンクローで頭押さえつけられてんのは誰かって話で…。
前半はスポ根オヤジに忠実な四兄弟のわちゃわちゃなかよし加減が楽しい分、哀しい未来が待っているのがツラい。バイクと銃とか伏線がわかりやすすぎだが、Inspired by the true storyで脚色多めにしても事実ならしょうがない。プロレスの格闘シーンはリアリティがあって楽しめたけど、パムがプロレスの微妙なところを突いてくる発言には笑った。
実質長兄ケビンのムキムキボディと顔かたちが、ザック・エフロンなんかヤバいものやってんのか?レベルの変貌ぶりですごいのだが、マッチョな肉体とは裏腹に心やさしくオクテな性格が微笑ましく、パム役リリー・ジェームズに誘ってもらってカーSEXで童貞喪失とは、担任高校教師に女を教わる俺の空・安田一平級のうらやましさだった(各論)。
凄いマッスル
事実の一部を描くのだが、どこまでをリアルに、どこに映画的な演出を付けるのか? のバランスが素晴しくてラストシーンが良い。
父親フリッツ・フォン・エリックは「プロレスラーになれ」とは言わなかったらしい。だがそれ以外の選択肢が無い位にレスリング技術を仕込んで育てて来た。母親のドリスは信仰心で子供たちを教育。
その実在した6人の息子たち。
①長男 ジャックJr:6歳で、切れた電線に触り感電して水溜りで溺死
②次男 ケビン:呪いから脱したのか御存命で子沢山
③三男デビッド:活躍したが25歳で日本のホテルで死亡、急性肝炎と報じられた
④四男 ケリー:バイクで事故後も足の完治前に試合出場して悪化した為に切断、義足を隠して対戦していた、コカインに溺れて拳銃自殺
⑤五男 マイク:高校生で肩を痛めてレスラーを断念、しかしデビッドの後釜試合事故の手術後にバクテリア増殖で後遺症が残り、その後睡眠薬過剰摂取で死亡
⑥六男 クリス:末っ子もプロレスラーに憧れてデビューしたが喘息がち、試合で
両腕骨折、骨粗鬆症に悩みその後自殺
ショーン・ダーキン監督は「これ以上の悲劇に観客は耐えれないだろう」と六男クリスは描かなかったと言う。
ラストのケビンの涙シーンが良かったが、その後リアル写真での赤ちゃんの「高い高い」が尋常じゃない高さなので引いてしまった。
呪いからの脱出
プロレスは嫌いじゃないにせよ、フォン・エリック一家のことはほとんど知らなかった。『フォックスキャッチャー』のような秘話が観れるのかと思ったが充実した映画だったのは間違いない。
タイトルは栄光の代名詞ではなく呪いの意味だったんですね。どっぷり感情を引っ張ることはなく、みんなが少しつづ不吉や影を持ちながら崩壊していく小さな帝国。実話です、と言われなければ意味も意図もわからない不幸が突然やってくる。なので作劇的な緊密度というか面白さはあんまりない。ましてや何かしましたか〜という呪われる意味すらない。意味がないから名前を変えてみることしか対抗策がないし、この不幸からの解放はプロレス=父と母から離れることでしかない。最後にでてくるケリーの子だくさん一族の写真に救われる。
懐かしいアイアンクロー
伝説のプロレスラー家族の実話を基に描いたヒューマンドマ。鉄の爪と言われたアイアンクローは当時の日本でもかなり流行したので懐かしく感じました。兄弟が不慮の事故で次々に亡くなるという悲劇はまさに呪われた家族であり、主人公の心中を察すると痛たまれない気持ちになりました。
2024-67
真実だからこそ強い訴求力がある家族の物語、お薦めです。
その事実を知らず観て、衝撃の物語だった。
ジャイアント馬場さんやアントニオ猪木さんとも死闘を繰り返した史上に残るヒールプロレスラー、鉄の爪:フリッツ・フォン・エリック。
自身が果たせなかった世界チャンピオンの夢に6人の息子に恵まれる。
しかし、長男は感電溺死で6歳で他界、世界チャンピオン目前で3男が25歳で名古屋のホテルで心不全で急死。家族の夢、世界チャンピオンを果たした4男はバイク事故で右足首切断、33歳でピストル自殺。試合中に肩の負傷から発症した毒素性ショック症候群に悩まされ服薬自殺の5男、父の夢からレスラーとして喘息持ちで体格に恵まれずとも闘って21歳でピストル自殺。
厳格すぎる父の夢にけなげなまでに邁進する5人の兄弟愛とたった独り残った2男が築く本物の家族愛。
真実だからこそ強い訴求力がある家族の物語、お薦めです。
いい
父も母も兄も強いなあと思う。
幼少の長男の死、デビッドの急死、ここから続く自死は影響を受けてるんだろうなあと想像できる。ケビンの心中が充分伝わり悲しい。エンディングの実際のケビンで救われる気持ちになるのは良かった。
見て良かった映画。
フリッツvsジャイアント馬場の再現があったら良かったなあ。昔の映像でしか見たことありませんがアイアン・クローの痛さがものすごく伝わる絵だったと印象にあります。
男らしく生きるという幻想と…悲劇
実話に基づく、というエピグラムから始まる今作。
痛切な痛みと共に胸に迫る傑作。
家族論、ジェンダー論、家父長制、歪んだマチズモ、キリスト教..などの要素を入念にフィルムに刻み込んだプロレスラー一家の物語。
この話が現実にあったということに、まず驚かされる。
古代ギリシャ悲劇から、シェイクスピアの有名な3大悲劇などが根底に横たわる。
なぜ、ギリシャ悲劇やシェイクスピアの物語、また古代の神話などが現代にまで語り継がれ、書物が残り、映像化されるのか。現代の人間が生きる社会における、普遍性があるからだろう。
70年代、80年代のプロレス世界。アイアンクローという技で一世を風靡した父親フリッツフォンエリック。彼の息子たちもまた父親の強烈なプロレス教育によりレスラーの道に。
父の教えを純粋に純真に信じながら…。
しかし強烈なプレッシャーと共に。
息子たちを次々に襲う悲劇...
現実にこんなことがあったのか...
フリッツの息子たち6人のうち、サバイブするのは次男のケビン、弟たちは自ら命を絶ち、または病に倒れる...
次々に若い命を散らしていく。胸につまる。
人生を賭けて闘う、というのはこういうことなのか???
監督ショーンダーキンの言葉から引用するが、この物語は苦しみや悲しみの物語ではない。むしろ、悲しみの欠如、人が自分の苦しみ悲しみから目を逸らした時に、何が起こりうるかを描いている、と。
7、80年代の時代の空気、プロレスシーン、特有の気だるい雰囲気、迫真の闘争場面、俳優のすさまじい肉体...。
改めてプロレスも過酷なものだと痛烈に感じる。
ケビン演じるザックエフロン、肉体改造でプロレスラーを名
演。
監督ショーンダーキンの抑制の効いた演出。
男らしく、または女らしく…現実でも使い古されている言葉だ。
親の夢を子供に託す。
それらが、どれだけの人達を苦しめているのだろうか。
子供たちが喜びを見出せるのなら、それはいいことに違いない。
そんなことにも思いを馳せる。
プロレスに無知な私だが、プロレスに詳しい必要はない。
多くの人に観ていただきたい。
ラスト、彼岸に旅立った子供たちの描写。
胸にせまる。
次男ケビンが選んだ生き方に一筋の光明を見出す。
実は泣いていました。
フォン・エリックはテレビで普通に見ていたし、エリック兄弟の呪われた歴史もある程度知っていた。自分の子供も息子二人のため、兄弟愛の様子をみて嗚咽。ラストシーンでも声がでそうな程感動した。しかし妻はさほど感動しなかったとの事。プロレス愛は男に強いことを実感した。
人の生き方に関して考えさせられる
アイアンクロー=鉄の爪の異名で日本でも活躍した伝説的プロレスラー、フリッツ・フォン・エリックとその息子たちの真実の物語を描いた伝記ドラマ・・・・・・・・
何とも評価と言うのかな、この家族の物語、何とも言えません。お父さんの気持ちも分るし、子供たちの気持ちも分るし・・・
人が増えれば、多ければ多い程、想いもそうだし、行き方もそうだし、喜怒哀楽も多いのは当たり前・・・・
長男には、長男の宿命があり、兄弟それぞれ・・・・兄弟が数奇な運命をたどるけど、決して呪いではないと思うな・・・・
プロレスが好きな人にとっては、少し物足りなさがあると思いますが、お話的には、少しだらだら感があるかな・・・
ちょっとダレル部分もあるんだけど、しかし、最後は、長男に同情・・・・見ているこちらも何だか、涙が込み上げてくる。
強いてい言えば、亡くなった兄弟たちの妄想みたいなシーンがあるけど、あれはちょっと・・・私的には、何とも言えないかな・・・ちょっと変な解釈・・・・誰かの言葉(台詞)で表現した方がいいのかな・・・・
しかし、プロレスって、ショーなんだけど、しかし、やっぱり、リングに立つ人にとっては命がけの仕事であり、ショーでもメインイベントに立つと言うのは、それなりの資格が存在する。
当時は、まだまだプロレスラーに人々は尊敬もあったけど、しかし、本作品で、プロレスラーの選手が、やっぱ凄いと言うのは、分かるのかな・・・・
個人的には、リックフレアーが出た時は、なんか笑ったかな・・・・
もう少しコンパクトにまとめてくれると、いい映画だったかな・・・・
夢とその先
プロレスの頂点を目指すエリック兄弟。栄光を掴むために、必死にもがき、あがき、努力を続けながらも、そんな日々を家族と楽しく過ごしている。誰よりも情熱的でひたむきな彼ら。。。だけど、観客は徐々に気付き始める。
『何か良くないことが起きる』
楽しそうな雰囲気は建前。兄弟の心と身体が悲鳴をあげていくのが見て取れ、全てが壊れてしまう様子が目に浮かんでくる。頂点に立てなかった自身の後悔の念を息子に押し付ける父親と、それが圧力だと思わず父を慕い続ける息子たち。愛のムチ。何のために彼らは戦い続けたのだろう。
息子たちが成長していく中で、衰えるどころか生気を取り戻したように顔に肉の付いた父親と、人生に疲れ果てたかのように酷く窶れた母親。この対極の状況になった夫婦から、この家族の異様さが伝わってくる。実話であることが信じられない。たった1人の力で、ここまで人は狂ってしまう。
エリック家を演じたキャストが全員アカデミー賞級。この冷たい空気感と爆裂ボディから、途中からドキュメンタリーかと錯覚してしまう。やるせない気持ちとどうしようもない怒りから、終盤は震えが止まらなかった。
2024年、最も辛く悲しい物語。伝記映画としては、「オッペンハイマー」をも超越する傑作だと思う。
人生における幸せとはなにか
幸せとは何なのかを考えさせる作品で、プロレスに詳しくない方でも観てほしい。レスラーとして活躍した父が、息子たちを威厳で支配し、世界情勢さらには死さえも利用して次々とレスラーとして育てていく。自身よりも弟達に期待されていることを感じつつも嫉妬せず、必死に鼓舞するケビンが健気。なお劇中には登場しないが、6男のクリスもレスラーとなったが、21歳の若さで拳銃自殺をしている。唯一存命であるケビンには妻の存在があったのも大きいと思う。
ラストのケビンが遊んでいる子供達を見て涙ぐむシーンがあるが、レスラー時代の弟たちとの交流はトレーニングの指導くらいで遊ぶことなんてなかったと思う。そういう意味では真に父に支配されていたのはケビンだったのではないだろうか。
余談だがパンフレットにはフォン・エリック家の年表や知識人による解説もあり読み物として面白い。またAbemaプレミアムにてケビンがキラーカーンにアイアンクローをお見舞いしている当時の映像が公開されている。
シンプルな伝記映画として─
特別な人生をシンプルに─といった印象の作品でした。内容自体が数奇で、だからこそ淡々と語られていたのかなと─。もとの出来事がショウビズ要素が強く、しかも事実がかなり衝撃的であるので、淡々としていた割りにかなり感傷的になってしまいました。極力抑えられていたからこそ尚更そうなったのかもしれません。
カメラワークとか編集とか実に見事だったと思います。ドラマティックな映像が結構挟み込まれているわりにリアリティを相当に感じたのは、そのカメラと編集のなせる技かなと─。
分かりやすいタイトル、分かりやすい伝記、でも人生はそんな生やさしいものではない─、そう感じさせてくれる良作でした。
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