ー 先日、長澤まさみさんの初主演映画「ロボコン」を見て、”この人、全然変わらないなあ・・、と思い主演第二作を鑑賞。-
■朔太郎(大沢たかお)と律子(柴咲コウ)は結婚直前だったが、律子が突然、引越し荷物から1本のカセットテープを持ち出して失踪してしまう。
朔太郎は律子を追って故郷の四国へ向かう間、初恋の思い出をたどる。
相思相愛だったスポーツ万能、勉学優秀な広瀬亜紀(長澤まさみ)とのしあわせな高校時代から一転、亜紀が白血病の病に倒れ、懸命に支える若き朔太郎(森山未來)。
◆感想
・今作は、片山恭一氏による原作に、行定勲監督が加えた大人になった朔太郎のシーンに違和感を感じた方が多いようだが、私は行定勲監督の脚本を指示する。何故ならば、映画とは原作があってもそこに、製作陣の思いが込められて別作品になる事を私は否定しないからである。
■長澤まさみさんについて
・今作でブレイクした長澤さんであるが、今作後20年!経っても邦画の若手女優を代表する地位をキープされている事には素直に敬意を表する。
加齢に対し、様々な努力をされていると思うし、演技の幅も広い。プライベートは良く知らないが、正にプロフェッショナルであると思う。凄い方である。
今作でも、あの年齢で剃髪をされている事からも、彼女の女優根性が感じられるからである。
■森山未來さんについて
・今や、日本を代表するダンサーであるが、俳優としても独自のポジションを築いておられる。田中泯さんを継ぐ方であろうと、勝手に思っている。
・物語構成も、原作にはない大人になった朔太郎(大沢たかお)と律子(柴咲コウ)との関係性を上手く取り込んでいると思う。
律子が幼かった時に、朔太郎と広瀬亜紀とのカセットテープをコッソリと聞いていた背景や、若き朔太郎が末期の広瀬亜紀を世界の中心であると思っていたオーストラリアのアボリジニの聖場所ウルルに、台風のために連れて行けなかった後悔を、律子を連れてウルルに連れて行く姿も良い。
■一番、沁みた所。
・癌治療のために、髪が抜けてしまった亜紀に対し、病室のガラス越しに婚姻届を見せる若き朔太郎の姿と、二人がガラス越しにキスを交わすシーン。
<写真館を営む重蔵(山崎努)が、若き時から恋心を抱いていた校長先生になった女性の写真を大切に飾っているシーンや、彼女の遺骨を朔太郎と広瀬亜紀に夜中に取りに行かせるシーン(違法です!)などが、後半効いてくる作品である。
泣ける映画と喧伝されている作品であるが、今作を観ると、”自分が愛した女性は、永く永く生きて居て欲しいよな。”と思った作品でもある。>