誰よりも狙われた男

劇場公開日:

誰よりも狙われた男

解説・あらすじ

スパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレの同名小説を「コントロール」のアントン・コービン監督が映画化。2014年2月に急逝した名優フィリップ・シーモア・ホフマンの最後の主演作となった。ドイツ、ハンブルクの諜報機関でテロ対策チームを率いるバッハマンは、密入国した青年イッサに目をつける。イスラム過激派として国際指名手配されているイッサは、人権団体の女性弁護士アナベルを仲介してイギリス人銀行家ブルーと接触。ブルーが経営する銀行に、とある秘密口座が存在しているという。ドイツ諜報界やCIAがイッサ逮捕に向けて動きだすなか、バッハマンはイッサをわざと泳がせることで、テロへの資金援助に関わる大物を狙うが……。ホフマンがバッハマンを演じるほか、共演にも「きみに読む物語」のレイチェル・マクアダムス、「グランド・ブダペスト・ホテル」のウィレム・デフォー、「ラッシュ プライドと友情」のダニエル・ブリュールら実力派キャストが集結。

2013年製作/122分/G/アメリカ・イギリス・ドイツ合作
原題または英題:A Most Wanted Man
配給:プレシディオ
劇場公開日:2014年10月17日

スタッフ・キャスト

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(C)A Most Wanted Man Limited / Amusement Park Film GmbH (C)Kerry Brown

映画レビュー

3.5こういう静かで熱い話しが大好物です。

2025年5月5日
PCから投稿

実話だろうというぐらいの話のリアリティ
クオリティが高い。あちこちに情報網を張り巡らせ、
どんな小さな情報も見逃さず、点と点を繋いで
より大きな獲物へとアップグレードさせていく。
まさに海老で鯛を釣る。

平和のために、正義のためにとゴタクを並べ
正当化して自分に納得させ、周りも納得させる。
まるで宗教団体の様な言い分。

はじめのアブドゥラの航空チケットの
写真を誰がどうやって入手したんだと
思ったらアブドゥラの息子だと最後になって
気付きました。そこまで食い込む
諜報のやり口がエグ過ぎる。

アブドゥラがセブンスフレンズに名義替え
したときは痺れましたね。
バッハマン達の地道な努力が報われてよかった。
のも束の間、最後はCIAに横取りされてしまった。

結局最後は日陰者は報われず、
表の人間が全てかっさらっていく。
陰の努力があってこその成果なのに。
それを表に出さないからこそ出来る所業でもある。

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to

3.5難しい判断が必要

2025年4月26日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

フィリップシーモアホフマン扮するテロ対策チーム捜査官ギュンターバッハマンにイスラム過激派情報が入った。しかしその要注意人物が保護を求めて来たらどうするのかな。女性弁護士がフォローしてくれれば嬉しいよね。客観的には難しい判断が必要になるな。

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重

4.0名優フィリップ・シーモア・ホフマンの最後の主演作

2025年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

2014年2月に急逝した名優フィリップ・シーモア・ホフマンの最後の主演作。

ホフマン演じるのは、ドイツのハンブルクの諜報機関でテロ対策チームを率いるリーダー役。イスラム過激派として国際指名手配されている青年に目をつける。彼をわざと泳がせることで、テロへの資金援助に関わる大物を狙うのだが。ドイツ警察やCIAも動き出し、結末は……。

面白い!

フィリップ・シーモア・ホフマンのどう見てもカッコ悪いダブついた体型が、この映画のなかではカッコ良く見える。ヘビースモーカーで、酒ばかり飲んで、過去の失敗を引きずっている男が。ありていに言えば体裁を気にせず仕事に命を賭ける姿が、カッコいい。
誤解をおそれずに言うなら、役者として一番あぶらの乗った状態で逝ってしまい役者としては最高だったのでは?

スパイ映画でありながら、誰も死なない、誰も拳銃を撃たない、派手なアクションシーンは皆無。でもこの緊張感、その上とても暴力的なものを感じさせる。

カタルシスがない映画。見終わったあとに徒労感が残る。それがテロとの戦いの現実と言わんばかりに。

ラストシーン、ホフマンが車を降りる。カメラはフィックスで降りたあとの座席を数秒映って、そのあとクレジットタイトルが出てくる。あのなんとも落ち着かない間がこの心象風景として脳裏に焼きつく。

「カタルシスのなさ」までもカッコイイ。

プロの仕事ぶりというところでは、映画「マイアミバイス」を彷彿とさせる。チームがまるで家族のよう。ホフマンの右腕の女性(ニーナ・ホス)がいい味出している。恋人でもなく、友人でもなく、同僚または部下なんだけど、もう長年連れ添った妻のような、その上妻ほど面倒くさくなく、気持ちをわかってくれる。そんなことが仕草で感じる。

CIAの女性(ロビン・ライトがクール!)もいい。アメリカのいやらしさがよく出ている。目的は「世界平和」。そこには一点の曇りもなく言い切る厚かましさ。その言葉をホフマンがクライマックスで使う。皮肉まじりに(このへんも面白い)。

弁護士の女性(「ミッドナイト・イン・パリ」に出ていたレイチェル・マクアダムス)は、まあ~普通なんだけど、なかなか色っぽい。人権派の素人さんという感じがよく出ている。それでホフマン側に取り込まれる。ラストのあの騒ぎ方が見事。止めるウイレム・デフォーに引っ張られて、もう服から胸がはだけるのでは?と思うぐらいの勢いで。あのシーンが彼女の名シーンだと思う。

というわけで、出てくる女優陣も素晴らしい。

と、好きなことを書いたが、なかなかカッコイイ映画でした。

ただ一点、気になったのは、ドイツのエージェントは、英語を日常で話すんかい??

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mac-in

3.5誠意とは

2025年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

すごく複雑な作品だって聞いていたので身構えてたけど
意外にシンプルというか、要は権謀術数のお話。
何よりも結果が求められるテロ対策なんだから、
そりゃスポーツみたいに正々堂々ってわけにはいかないんでしょうと。
ただ、誠意ってなんなんだ?とは思ってしまったかな。

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mar