誰よりも狙われた男

劇場公開日:2014年10月17日

誰よりも狙われた男

解説・あらすじ

スパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレの同名小説を「コントロール」のアントン・コービン監督が映画化。2014年2月に急逝した名優フィリップ・シーモア・ホフマンの最後の主演作となった。ドイツ、ハンブルクの諜報機関でテロ対策チームを率いるバッハマンは、密入国した青年イッサに目をつける。イスラム過激派として国際指名手配されているイッサは、人権団体の女性弁護士アナベルを仲介してイギリス人銀行家ブルーと接触。ブルーが経営する銀行に、とある秘密口座が存在しているという。ドイツ諜報界やCIAがイッサ逮捕に向けて動きだすなか、バッハマンはイッサをわざと泳がせることで、テロへの資金援助に関わる大物を狙うが……。ホフマンがバッハマンを演じるほか、共演にも「きみに読む物語」のレイチェル・マクアダムス、「グランド・ブダペスト・ホテル」のウィレム・デフォー、「ラッシュ プライドと友情」のダニエル・ブリュールら実力派キャストが集結。

2013年製作/122分/G/アメリカ・イギリス・ドイツ合作
原題または英題:A Most Wanted Man
配給:プレシディオ
劇場公開日:2014年10月17日

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(C)A Most Wanted Man Limited / Amusement Park Film GmbH (C)Kerry Brown

映画レビュー

3.5【ロシアとチェチェン共和国との関係性を背景を基にした、劇シブな様々な思惑が入り混じる現代スパイ劇。ラストの遣る瀬無さが尋常でない作品でもある。】

2025年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

難しい

■ドイツの港湾都市・様々な人種が住むハンブルクが舞台。
 ドイツの表面的には実在しない諜報機関でテロ対策チームを率いる練達のスパイ、ギュンター・バッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、密入国したイスラム過激派とみなされた若者・イッサ・カルポフ(グリゴリー・ドブリギン)に目をつける。
 バッハマンは彼を利用し、テロリストへの資金支援に関わる“ある大物”を狙おうとしていたが、一方で人道弁護士アナベル・リヒター(レイチェル・マクアダムス)は彼を助けようとし、CIAのマーサ・サリヴァン(ロビン・ライト)は、監視の手を緩めない。
 徐々にイッサ・カルポフは、テロ支援の意志などなく、ロシア人の父が残した”汚れた金”を預けられていた銀行家トミー・ブルー(ウィレム・デフォー)を介し、チェチェン共和国の諸施設に寄付しようとすることが分かって来る。
 だが、その間に入ったギュンター・バッハマンが目を付けていたアブドゥラ博士(ホマユン・エルシャディ)は、その金を一部、テロに関する船会社に回そうとし、その瞬間を狙っていたギュンター・バッハマンは千載一遇のチャンスと見て動くのだが、それを上回る動きをしたCIAに、まんまとヤラレルのであった。

◆感想

・今作は、多数の秘密組織や人物が錯綜して登場するので、脳内フル回転で見る必要がある。あー疲れた。
 だが、慣れれば人物相関図が頭の中に出来上がり、分かり易い作品構成図が出来上がる。今作を面白く観れるかどうかはそこがキーとなる。

・作品自体としては、観る側には優しくない作りであり、一部分かりにくい所もある。だが、今作はそれを上回る様々な伏線や、スリリングな展開に引き込まれるのである。
 更に言えば、今作ではラストまでは派手なカーチェイスや、銃撃戦などは一切ない。劇シブなスパイ映画と思ったのはその点である。

<ラスト、自らが考えたシナリオを最後の最後に壊されたギュンター・バッハマンを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの、叫びが何とも言えない苦い余韻を齎す作品である。>

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NOBU

4.5リアルスパイ

2025年6月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ホフマンの演技が抜群だ。背中で語れる数少ない俳優の一人ではないだろうか。それ故に若くしてこの世を去ったことが残念でならない。そしてレイチェル・マクアダムスも、この薄暗く、ローキーな撮影にして、あの存在感と魅力を出せる女優であり、こちらも素晴らしかった。

派手なカーチェイスも銃撃戦もないけど、これが諜報戦なんだろうなと思う。こんなことには絶対に無縁で平和ボケ日本、この国のガラパゴス化が心配でならない。

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Iwarenkon

3.5こういう静かで熱い話しが大好物です。

2025年5月5日
PCから投稿

実話だろうというぐらいの話のリアリティ
クオリティが高い。あちこちに情報網を張り巡らせ、
どんな小さな情報も見逃さず、点と点を繋いで
より大きな獲物へとアップグレードさせていく。
まさに海老で鯛を釣る。

平和のために、正義のためにとゴタクを並べ
正当化して自分に納得させ、周りも納得させる。
まるで宗教団体の様な言い分。

はじめのアブドゥラの航空チケットの
写真を誰がどうやって入手したんだと
思ったらアブドゥラの息子だと最後になって
気付きました。そこまで食い込む
諜報のやり口がエグ過ぎる。

アブドゥラがセブンスフレンズに名義替え
したときは痺れましたね。
バッハマン達の地道な努力が報われてよかった。
のも束の間、最後はCIAに横取りされてしまった。

結局最後は日陰者は報われず、
表の人間が全てかっさらっていく。
陰の努力があってこその成果なのに。
それを表に出さないからこそ出来る所業でもある。

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to

3.5難しい判断が必要

2025年4月26日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

フィリップシーモアホフマン扮するテロ対策チーム捜査官ギュンターバッハマンにイスラム過激派情報が入った。しかしその要注意人物が保護を求めて来たらどうするのかな。女性弁護士がフォローしてくれれば嬉しいよね。客観的には難しい判断が必要になるな。

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重