ヤン・シュバンクマイエル
チェコのプラハ出身。1954年、チェコ国立芸術アカデミー演劇学部人形劇科に入学。卒業後は2年間の兵役を務めた後に仮面劇や人形劇の上演に携わり、自身もオブジェの制作を始める。プラハのラテルナ・マギカ劇場の舞台監督を経て、初短編「シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック」(64)を発表。「J.S.バッハ G線上の幻想」(65)でカンヌ国際映画祭の短編部門審査員賞を受賞する。以降、ストップモーションの手法を使った短編アニメを多数製作。70年代には前衛的な作風がチェコ当局の検閲にかかり、映画制作を7年間禁じられた。ルイス・キャロル作「不思議の国のアリス」をシュールでグロテスクな独自の世界観で描いた長編第1作「アリス」(88)でアヌシー国際アニメーション映画祭の長編部門最優秀賞を受賞。長編第2作「ファウスト」(94)を経て、「オテサーネク 妄想の子供」(00)でチェコのアカデミー賞であるチェコライオン賞の作品賞・美術賞を受賞した。以降も「ルナシー」(05)、「サヴァイヴィング ライフ 夢は第二の人生」(10)と独自の世界を描き続けている。