オテサーネク 妄想の子供

劇場公開日:

解説

チェコの民話をベースに命を持った切り株人形の恐怖を描く寓話。監督・脚本・原案・美術は「悦楽共犯者」のヤン・シュヴァンクマイエル。出演は映画初出演のクリスティーナ・アダムツォヴァーほか。

2000年製作/132分/チェコ
原題:Otesanek
配給:チェスキー・ケー=レン コーポレーション

ストーリー

ホラーク(ヤン・ハルトゥル)とホラーク夫人(ヴェロニカ・ジルコヴァー)には子供がなく、二人は失意を抱えていた。ある日、夫人は赤ん坊の形に削った木の切り株をオティークと名付け、我が子としてかわいがるようになる。同じアパートの住人たちの奇異の目や夫の不安をよそに、夫人はオティークに異常な愛情を注ぐが、そのオティークは生命を持ち、恐ろしい食欲であらゆるものを平らげていく。そんな事の真相を理解していたのは、民話『オテサーネク』を読んでいた少女アルジュビェトカ(クリスティーナ・アダムツォヴァー)だけ。民話のオテサーネク同様、オティークは生きた猫や人間まで食べてしまう。収拾のつかなくなったホラーク夫妻は地下室にオティークを閉じこめるが、今度はアルジュビェトカが彼の面倒をみはじめる。やがて少女はアパートの住人をオティークの餌にすることを選び、ついにはホラーク夫妻も食われてしまう。それにようやく気づいたアパートの管理人(ダグマル・ストシーブルナー)は、鍬を持ってオティークのいる地下室に下りていくのだった。

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映画レビュー

4.0CGでは出せない気持ち悪さ

2023年5月27日
iPhoneアプリから投稿

久しぶりに観たくなって再鑑賞。

面白いのは、オテサーネクが"生まれる"前後で映画のテンポが全く変わるところ。
生まれる前はとにかく母親のクレイジーぶりに父親ともども観客は引きまくりで、コイツが"出産"してしまったら一体どうなるんや!?とハラハラする。
"出産"後は一転して聖母マリアのような微笑を浮かべる母親。父親はとにかく隠蔽に奔走し、母親は飢えさせないために奔走するが、ここから楽しい大殺戮が始まる。

後半、母性とはなんぞや?子供とはなんぞや?ということを考えさせられてしまった。オテサーネクをあくまで庇おうとする母親。いっそこの手で殺そうとする父親。出産経験がないのに母性が備わっている隣人の少女。子供を性的対象としか見れないおじいさん。
奇想天外なストーリーなのに、思いの外難しいテーマについて考え込んでしまった。

とかなんとか言いつつも、とにかく動くオテサーネクのビジュアルが本当にすごい。CGではこの気持ち悪さは絶対出せないと思う。本当はキャベツおばさんとの壮絶な対決シーンも観せてほしかったのだが…

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ケロケロケロッピ

4.0とてもよかった

2023年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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吉泉知彦

4.0冒頭が一番ユニークに心掴まれる

2023年4月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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redir

4.0喩えるなら・・・・・・グレムリンの襲撃を受けるめぞん一刻の人々。

2022年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

一棟の古ぼけたアパートの中で繰り広げられる人造マンドラゴラによる人食い騒動!
 単なるモンスター映画と侮るなかれ、実態はご近所付き合いの皮を被った醜悪なエゴのぶつかり合いと少女のサイコパス性、しかしてその実態は祖国の芸術への政治弾圧に対する悲憤と鬱屈を投影したダークファンタジーなり。

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O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)