フェデリコ・フェリーニ

映画史に名を刻んだイタリア出身の映画監督の1人。幼少期はサーカスを愛し、フィレンツェの出版社勤務を経て、ローマで風刺雑誌のコラムや映画脚本を書きはじめる。第2次世界大戦中は徴兵を逃れてイタリア各地を放浪し、戦後、ロベルト・ロッセリーニ監督の「無防備都市」（45）の脚本を担当。「寄席の脚光」（50）でアルベルト・ラトゥアーダと共同監督を務めた後、「白い酋長」（51）で単独長編監督デビューを果たす。「青春群像」（53）と続く「道」（54）でベネチア国際映画祭の銀獅子賞を2年連続受賞し、後者でアカデミー外国語映画賞を受賞。以後同賞を合計4回受賞した。ローマ上流社会の退廃を描き、観客の賛否両論を呼んだ「甘い生活」（60）でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞。その後も「8 1/2」（62）、「サテリコン」（69）、「オーケストラ・リハーサル」（79）、「そして船は行く」（83）、カンヌ映画祭40周年記念特別賞受賞作「インテルビスタ」（87）、遺作「ボイス・オブ・ムーン」（90）など数多くの名作を世に送り出し、不世出の名匠として知られた。93年逝去。