ジャンヌ・モロー
仏パリ出身。父はフランス人、母は英国人。子どもの頃から女優を志し、コメディ・フランセーズに入団。47年に初舞台を踏んで以降、舞台女優として活動するが、次第に映画にも出演するようになる。なかなか脚光を浴びずにいたが、ルイ・マル監督の「死刑台のエレベーター」(58)でヒロインを演じ、一躍有名に。当時恋人だったマル監督がメガホンをとった「恋人たち」(58)や「危険な関係」(59)でも印象を残す。60年の「雨のしのび逢い」では、「日曜はダメよ」のメリナ・メルクーリとともにカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞。フランソワ・トリュフォー監督作「突然炎のごとく」(62)も評判になり、ヌーベルバーグ全盛期を代表する大女優として地位を確立した。その他にもジョゼフ・ロージーやオーソン・ウェルズ、ルイス・ブニュエルといった名監督の作品で活躍する。76年には監督に初挑戦し「ジャンヌ・モローの思春期」を発表、ドキュメンタリー「リリアン・ギッシュの肖像」(83)でもメガホンをとった。91年の「La vieille qui marchait dans la mer(英題:The Old Lady Who Walked in the Sea)」で、セザール賞最優秀女優賞を受賞している。