死刑台のエレベーター(1958)
劇場公開日:1958年9月26日
解説
ノエル・カレフの推理小説を、製作当時25歳だったルイ・マルが監督した傑作サスペンス。パリの土地開発会社の重役ジュリアンは、その会社の社長夫人フロランスと不倫関係にあった。情事の果て、2人は社長を自殺に見せかけて殺す完全犯罪を計画し、実行に移すが、犯行直後、会社のエレベーターが停電で止まり、ジュリアンが閉じ込められてしまう……。出演はジャンヌ・モロー、モーリス・ロネ、リノ・バンチュラ。音楽にマイルス・デイビス。2010年、ニュープリント版でリバイバル公開。
1958年製作/92分/G/フランス
原題:Ascenseur pour L'echafaud
配給:映配
スタッフ・キャスト
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恋人との計画のため会社に忍び込んだ男は
目的を済ませた後エレベーターに閉じ込められる。
男の恋人はその会社の社長夫人。
一方、閉じ込められた男の車を盗み街を走る若い男女。
社長夫人は戻らない男を探しにパリの街を彷徨う。
エレベーターの男
その恋人の社長夫人
男の車を盗んだ若者
この3つが重なっていく。
モノクロの街に流れるJazz
マイルス・デイビスの渇き切った音。
男の恋人はつぶやく
「愛している」
※
ジュリアン、ツメが甘い。計画立てた割には、ロープの回収忘れたり、車の中にピストル、書類、コート置いたまま盗まれちゃうし。ハプニングとはいえ、エレベーターに閉じ込められちゃうし。ところであのロープ、誰が外したんだろう。
社長の奥様の行動も謎。ジュリアンが若い女と車で走っていくのを観ているのに、何故街を彷徨い探し続ける?そして、昔は朝方まで飲んでいると,警察に捕まるの?
あのまま、ドイツ人の夫婦殺害の罪を来た方が良かったのか、社長殺しのが良かったのか。どちらにしても罪は罪。
監督はこの映画を撮ったのが25歳。若いのにすごいなあ。ジャンヌ・モロー、名前は聞いたことあったけど、初めて観た。とても綺麗で(白黒だから?)魅力的。
吉瀬美智子の日本版、観たことあるのを思い出した。本家のがやはり面白い。
2022年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ラストが秀逸!!
じいッと写真をみつめるジャンヌ・モロー。
恋人ジュリアンとの愛の記憶が写真には焼き付いている。
(これは現実の愛より、数倍も数10倍も美しいもの)
(うつろいやすい愛が、固形物になり、時間が止められている)
(フロランスもジュリアンも、なんの汚れない恋人たち)
『死刑台のエレベーター』はルイ・マル監督が25歳で1957年にこの映画を
撮りました。出世作です。
『世にも奇妙な物語』(1967年)の中の1話。
『プリティ・ベイビー』(1978年)
『ダメージ』(1992年)を観ています。どの作品もルイ・マルらしい・・・
そういう共通点はありません。
『死刑台のエレベーター』
題名の衝撃性。マイルス・デイビスの音楽(トランペットのソロ)
そしてジャンヌ・モローの美しさ。
私はジャンヌ・モローを美人だと思ってなかったです。
小柄、痩せっぽち。唇の端を歪める癖。しゃがれた低い声。
リアル・タイムで知った時は、お婆さんだったせいもあるけれど、
カトリーヌ・ドヌーブやオードリー・ヘップバーンを美人だと
思ってました。
はじめて観た映画は、
『ニキータ』の教育係りの女。
それから、
『愛人/ラマン』の声の語り(マルゴリット・デュラスの声の役でした)
しかし、はじめて見た時から、頭抜けた才能でした。
この映画のモローは美しい。
恋人ジュリアン(モーリス・ロネ)もとても美形。
待ち合わせ場所に現れないジュリアンを探してパリの夜道を歩き回り、
突然込み上げる感情に涙がツツーっとひとしずく流れます。
恋する女の激情が、涙の一滴にこもります。
社長夫人のフロランスとジュリアンは社長を殺して、2人は幸せになるはずでした。
計画は完璧でした。
密室殺人にみせるトリック。
社長室の部屋の鍵をナイフでうまく閉めて逃げるジュリアン。
しかし、侵入に使ったロープを回収するのを忘れて、
引き返したエレベーターに閉じ込められる羽目になります。
ここから映画は意外な展開をみせます。
止めておいたスポーツカーに花屋の娘とその恋人のチンピラが、
乗り込んで勝手に高速を乗り回して、挙句にドイツのメルセデスベンツに乗る金持ちと
カーチェイスをした挙句に、同じモーテルにチェックインして、パーティを
楽しむことに。
チンピラの若者は、ジュリアンの車、コート、小型最新式カメラ、そして拳銃・・・
拳銃まで自分の所有物にします。
そして名前(ジュリアンの姓のタベルニエまで、名乗ってしまう)
ルイ・マル監督。
伏線の回収も実にお見事。
モーテルでドイツ人の若妻が、
「フイルムが3枚残ってるわ!」と、若者と夫のツーショットを撮ります。
この写真が、動かぬ証拠写真になるのです。
小ネタも隅々に伏線が張られます。
ジュリアンのスポーツカーが若い娘を乗せて走り去るのを、フロランスは目撃。
(運転席は見えないのです)
最後の証拠写真の提示も、見事です。
鳴り響くマイルス・デイビスの虚無的なメロディ。
ひとつの拳銃は2組の恋人たちの破滅を演出します。
ハードボイルドなノワールの傑作。
今観ても、色褪せることなく、ドキドキしました。
2022年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
元軍人の男が不倫相手の夫である社長を銃殺したが、社内のエレベーターに閉じ込められてしまう。
密室殺人に成功したまでは見事だったが、ロープを残したまま会社を出ようとしたのはお粗末過ぎた。
ドイツ人殺しは死刑だが、夫殺しは懲役10年程度というのは時代背景を感じた。
警察はよくあの男が犯人だと分かったものだ。
密室だったし、自殺で片づけそうなものだが。