乙羽信子
子どもの頃から日本舞踊を習い、宝塚音楽歌劇学校(現・宝塚音楽学校)に第26期生として入学。39年に初舞台を踏み、戦後はトップ娘役として淡島千景とともに宝塚歌劇団の人気を牽引する。50年に劇団を退団して大映に入社。のちに人生の伴侶となる新藤兼人が脚本を手がけた木村恵吾監督作「処女峰」(50)で映画デビューした。51年の主演作「愛妻物語」をはじめ「原爆の子」(52)、「裸の島」(60)といった新藤監督作をはじめ、近代映画協会の作品で活躍。「竹山ひとり旅」(77)で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞し、「絞殺」(79)ではベネチア国際映画祭のイタリア映画ジャーナリスト選出女優の栄誉に輝く。新藤監督とは78年に結婚。海外でも人気を誇るNHK連続テレビ小説「おしん」(83)では主人公おしんの晩年期を演じる。末期ガンを患いながら撮影に挑んだ「午後の遺言状」(95)の完成直後、94年12月22日に他界。同作での演技に対し、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞が授与された。