トム・ストッパードさん死去 「恋におちたシェイクスピア」脚本家、88歳
2025年12月1日 20:00

「恋におちたシェイクスピア」でアカデミー賞脚本賞を受賞し、トニー賞を5回受賞した劇作家のトム・ストッパードさんが11月29日、イングランド・ドーセットの自宅で家族に囲まれて亡くなった。88歳だった。所属事務所のユナイテッド・エージェンツが11月30日に発表した。
同事務所は声明で「彼は作品の輝き、人間性、機知、寛大な精神、そして英語への深い愛によって記憶されるでしょう。トムと仕事ができ、彼を知ることができたのは光栄でした」と追悼の言葉を述べたと、米APが伝えている。
ストッパードさんは1937年7月3日、当時チェコスロバキアのズリンで生まれた。ユダヤ人家族がナチス占領から逃れ、インドのヒマラヤにある寄宿学校に通った後、第二次世界大戦後に英国に定住。演劇評論家として働きながら劇作家としてのキャリアをスタートさせた。
1950年代にラジオドラマの執筆を始め、1960年に最初の舞台劇「A Walk on the Water(Enter a Free Man)」を完成。1963年にドイツ・ハンブルクで上演された。1966年、エディンバラ・フェスティバルで「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」を発表し、劇作家として大きな成功を収めた。その後も「Arcadia」「The Invention of Love」「Leopoldstadt」など数々の戯曲を発表し、トニー賞を5回受賞した。
映画脚本家としても活躍し、スティーブン・スピルバーグ監督の「太陽の帝国」(1987)で脚本を担当。クレジットはされていないが「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」(1989)の脚本にも貢献し、スピルバーグ監督は「ほぼすべての台詞はトム・ストッパードによるもの」と証言している。
1998年には「恋におちたシェイクスピア」でアカデミー賞脚本賞を受賞。2005年の「スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐」でもクレジットされていないが台詞の推敲に貢献した。
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