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「ファンタスティック4 ファースト・ステップ」あらすじ・概要・評論まとめ ~MCUフェーズ6の始まりは、理想的なF4をまっとうする~【おすすめの注目映画】

2025年7月31日 07:30

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「ファンタスティック4 ファースト・ステップ」
「ファンタスティック4 ファースト・ステップ」
(C)2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.

近日公開または上映中の最新作の中から映画.com編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介!

本記事では、「ファンタスティック4 ファースト・ステップ」(2025年7月25日公開)の概要とあらすじ、評論をお届けします。


画像2(C)2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.

数々のヒーローを世に送り出してきたマーベル・コミックス初のヒーローチームである「ファンタスティック・フォー」の活躍を描くアクションエンタテインメント。過去にも映画化されてきた人気作品を、「アベンジャーズ」を中核としたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の一作として新たに映画化した。

宇宙ミッションのさなかに起きた事故で特殊能力を得た4人は、その力と正義感で人々を救うヒーローチーム「ファンタスティック4」として活躍している。チームリーダーで天才科学者のリード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティックは、ゴムのように自在に伸縮する体を操り、妻スー・ストーム/インビジブル・ウーマンは、透明化や目に見えないエネルギーシールドを使いこなすチームの精神的支柱。スーの弟ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチは、炎を操り高速で空を駆け抜ける陽気なムードメーカーで、リードの親友ベン・グリム/ザ・シングは、岩のように強固な身体と怪力を持つが、内面に葛藤を抱えた心優しい人物だ。世界中で愛され、固い絆で結ばれた彼らは、スーの妊娠という知らせを受けて、喜びに包まれる。しかし、リードのある行動がきっかけで、惑星を食い尽くす規格外の敵、宇宙神ギャラクタスの脅威が地球に迫る。滅亡へのカウントダウンが始まる中、ヒーローである前にひとりの人間として葛藤を抱える4人は、世界を守るために立ち上がる。

「ファンタスティック4」の4人を演じるのは、「マンダロリアン」のペドロ・パスカル、「ミッション:インポッシブル」シリーズのバネッサ・カービー、「一流シェフのファミリーレストラン」のエボン・モス=バクラック、「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」のジョセフ・クイン。監督は、MCUのドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」を手がけたマット・シャックマン


●MCUフェーズ6の始まりは、理想的なF4をまっとうする(執筆:尾﨑一男)
画像3(C)2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.

ファンタスティック フォー(以下:F4)は1961年を起点に、マーベルコミックの中でも最初期に生まれたヒーローユニットだ。肉体伸縮や透明化を武器とする4人の変異能力者たちで編成され、1967年にはハンナ・バーベラ・プロダクションによってアニメ化されて、我が国では「宇宙忍者ゴームズ」というタイトルで放送実績がある。ちなみにダチョウ倶楽部のフレーズギャグ「ムッシュムラムラ」は、全身岩男のザ・シングが攻撃時に発する、日本オリジナルの決めゼリフ……と、こんな煩わしい詳述(しかもダチョウ倶楽部までがワンセット)から解放されるのが、2度目の再起動にしてMCUフェーズ6の初手となる今回の新生F4だ。

そう、本作「ファンタスティック4 ファースト・ステップ」においてF4は、すでに人類の守護神として周知され、彼らが何者であるかを、我々は劇中内のテレビ特番で復習、併せてビギナーはカジュアルに背景を学習することになる。なんとも効率的な構成に加え、F4のスーパーヴィランであるドクター・ドゥームが翌年12月公開予定「アベンジャーズ ドゥームズデイ」のラスボスに格上げされたことで、彼らはもう一人のF4ゆかりの敵・ギャラクタスと対峙することになる。その先兵としてシルバーサーファーが登場するに至っては、ファンはもはや無条件降伏で本作を称えるだろう。

画像4(C)2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.

だが最もファンたちを鼓舞させるのは、F4が「家族ヒーロー」としてそのアイデンティティを問われ、ファミリーの絆に関わる試練を課せられる点にあるだろう。ギャラクタスの要求にしたがい幼児フランクリンを捧げるか、あるいは拒否して地球を犠牲にするかの選択を迫られる、リード/ミスター・ファンタスティック(ペドロ・パスカル)とスー/インビジブル・ウーマン(ヴァネッサ・カービー)たち。家族編成のスーパーヒーローユニットは、ポピュラーなようでいて希少性が高い。とはいえ細田守の「サマーウォーズ」(2009)が富野喜幸(現:由悠季)のテレビアニメ「無敵超人ザンボット3」(1977~78)の衣鉢を継いだように、またブラッド・バードの「Mr.インクレディブル」(2004)がF4の変奏曲であるように、家族ヒーローはここぞというときに発表され、共感性を喚起させる。我々は超人でなくても、家族がいるからだ。

そんなF4としてのあるべき姿が、陽性的な世界観をダークに再定義して拒否反応を示された、2015年の「ファンタスティック・フォー」をコントラストに、さらに高ポイントを稼いでいく(個人的には悪評まみれなジョシュ・トランク版も嫌いではないが)。なにより主舞台となる別地球・アース828の、想像的な未来図像をそのまま実現させたようなランドスケープも機能的かつ秀逸で、過去のF4映画とは一線を画す個性化に成功している。こうしたマルチバース設定は来期アベンジャーズへの布石を匂わすが、遠大なロードマップに気を配らずとも、本作はF4をまっとうしており、単品として充分に楽しい。

画像5(C)2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.
画像6(C)2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.

あと自分はIMAXバージョンと通常版を観たが、IMAXバージョンは、2.39 : 1 と1.90 : 1 のフレーム混合ではなく、後者固定(グランドシネマサンシャイン池袋あるいは109シネマズ大阪エキスポシティの専門オーディトリアムで鑑賞した場合、ここから見せ場ごとに1.43:1 にフレーム拡張する)。ただ2.39 : 1 も作品のテイストと時代性に合っているので、優劣はつけがたい。まさしくファンタビジョンだ!!

執筆者紹介

尾﨑一男 (おざき・かずお)

X(Twitter)

映画評論家&ライター。主な執筆先は紙媒体に「フィギュア王」「チャンピオンRED」「映画秘宝」「特撮秘宝」、Webメディアに「ザ・シネマ」「cinefil」などがある。併せて劇場用パンフレットや映画ムック本、DVD&Blu-rayソフトのブックレットにも解説・論考を数多く寄稿。また“ドリー・尾崎”の名義でシネマ芸人ユニット[映画ガチンコ兄弟]を組み、TVやトークイベントにも出没。

Twitter:@dolly_ozaki


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