ドラマ版「ハリー・ポッター」で魔法大臣役が決定
2025年6月9日 17:30

米HBOが制作する話題のテレビシリーズ「ハリー・ポッター」で、新たな重要キャストが発表された。トニー賞・オリヴィエ賞受賞者のバーティ・カーベルが、魔法大臣コーネリウス・ファッジ役にキャスティングされたことが米Deadlineの報道で明らかになった。
カーべルは「ザ・クラウン」でトニー・ブレア役を演じ注目を集めた実力派俳優で、「刑事ダルグリッシュ」では主演を務めている。権力者の複雑な心理を巧みに表現することで知られ、魔法界の政治的キーパーソンであるファッジ役には最適のキャスティングといえるだろう。
今回の発表により、すでに決定している主要3人組のドミニク・マクラフリン(ハリー・ポッター)、アラベラ・スタントン(ハーマイオニー・グレンジャー)、アラスター・スタウト(ロン・ウィーズリー)に加え、パーパ・エシエドゥ(セブルス・スネイプ)、ジョン・リスゴー(アルバス・ダンブルドア)、ジャネット・マクティア(ミネルバ・マクゴナガル)、ニック・フロスト(ルビウス・ハグリッド)らと並ぶ豪華キャストが揃うこととなった。
コーネリウス・ファッジは1990年から1996年まで魔法大臣を務めた人物で、シリーズにおいて極めて重要な役割を担う。当初は温厚でハリーに好意的だったが、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」でヴォルデモートの復活を頑なに否定し、ハリーを狂人扱いするなど、物語が進むにつれてその問題のある本性を露わにしていく。彼の判断ミスは魔法界の危機対応を1年近く遅らせ、後の魔法省陥落の遠因ともなった重要なキャラクターだ。
映画版では故ロバート・ハーディが「ハリー・ポッターと秘密の部屋」から「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」まで4作品でファッジを演じ、善良さと小心さを併せ持つ複雑な人物像を見事に表現していた。17年に91歳で逝去したハーディの名演技を受け継ぎ、カーべルがどのような新たな解釈を見せるかに期待が高まる。
舞台出身のカーべルは現在、「ゲーム・オブ・スローンズ」の前日譚「ナイト・オブ・セブン・キングダムズ」への出演も控えており、テレビドラマでの活躍の場を広げている。ファッジ役は複数シーズンにわたって登場予定で、シリーズ全体を通じて物語の重要な軸となることが予想される。
HBOの広報担当者は「知名度の高いシリーズには多くの憶測や噂が飛び交うことは承知しています。プリプロダクションを進める中で、契約が確定した詳細のみをお知らせしていきます」とコメントしている。
シリーズは2025年夏からイギリスのリーブスデン・スタジオで撮影開始予定。26年から27年にかけて放送される計画だ。全7シーズン構成で各シーズンが原作の1冊ずつを映像化するという壮大なプロジェクトにおいて、カーべルの魔法大臣がどのような存在感を示すか注目される。
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