吉沢亮、主演作「国宝」に熱き思い!「役者人生の集大成」「僕の代表作になれば」
2025年4月23日 21:15

人気作家・吉田修一氏の最高傑作と呼び声の高い小説を映画化した「国宝」の完成報告会が4月23日、都内で行われた。任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公の50年を描く本作。主演の吉沢亮、共演する横浜流星、高畑充希、寺島しのぶ、森七菜、見上愛、田中泯、渡辺謙、李相日監督が出席した。

踊りの経験がなかった吉沢は、他の仕事をセーブすることでクランクインのギリギリまで歌舞伎の稽古に明け暮れた。撮影期間を含め、役作りと向き合った1年半を「費やした時間とエネルギー量は桁違い。いままで培ってきたすべてをぶつけた」と振り返り、「確実に役者人生の集大成といいますか、かなりの思いをかけて臨んだ作品なので、僕の代表作になればいいなと思う」と、熱き思いを語った。

完成したばかりの作品は「いろんな思いもあったので、すべての思いを処理できなかった。とにかく、ものすごいものを見たという余韻があった」といい、立て続けに2回鑑賞したと告白。「総合芸術としてのすばらしさがあり、純粋にエンターテインメントとしても楽しめる。本当に最高な作品が生まれた」と感無量の面持ちだった。

梨園の御曹司を演じた横浜は「自分とは正反対で、苦手な人物なので、理解し愛することから始めた」と述懐。李監督とは「流浪の月」に続くタッグで、「李監督は人間の中にあって、でも自分が律して眠らせているものを解放させ、挑戦させてくれる。役者冥利に尽きる」と全幅の信頼を寄せる。歌舞伎の世界に身を投じ「芸に人生を捧げる生き様が美しく、『芸に励むのみだな』と励まされた。ぜひ、役者の皆さんにも見ていただくと、いろんな思いを感じてもらえる」と話していた。

主人公の運命を導くキーパーソンを演じる渡辺は「舞台を降りて、芸とどう向き合うかは、僕もそれなりにキャリアがあるので、一緒に考えられると思った」といい、「僕にとっては、彼ら(吉沢と横浜)をどう見つめ、どう鍛えていくのか。そこから何を引き出し、突き上げていけるのかを意識した」と語った。

吉沢とは初共演を果たし「吉沢もこれまで、たくさん映画に出ているし、大河ドラマもやっているが、『国宝』の試写を見て、李監督に『これは吉沢の代表作になるね』って言ったんです。作品にかけている姿も知っているし、作品を背負う覚悟と執念が、亮に満ち溢れていた。俳優仲間として、すごいものを作ったなと思う。尊敬できました」と最大級の賛辞を送った。また、「流星もすごいんですよ」と横浜の奮闘もたたえた。
本作は、第78回カンヌ国際映画祭「監督週間部門」(現地時間5月13~24日に開催予定)で公式上映されることが決定。自由な発想や新しい表現で作家性を持つ監督の作品が選出され、過去には、日本からは大島渚監督、北野武監督、黒沢清監督などの作品が上映されている。優れた監督が世界に進出する登竜門だ。

吉沢は「カンヌは憧れの舞台。歌舞伎という世界に誇る日本の文化が、世界に放たれ、どう評価されるのは楽しみ」、横浜は「魂を込めた作品なので、心からうれしいですし、海外の皆さんにどう受け取られ、感じてくださるのか楽しみ」と声を弾ませる。
海外経験の豊富な渡辺も「李監督とカンヌは行ったことないし、『国宝』が上映される意義は大きい。李の作品は、作家性が強いので、海外の人も受け止めてくれるはず」と期待を寄せ、李監督は「実際、監督週間は超狭き門で、世界中の映画がしのぎを削っている」と喜びを語った。

李監督が、吉田氏の小説を映画化するのは「悪人」「怒り」に続き3度目。2018年に単行本化された「国宝」は、吉田氏自身が3年間にわたり歌舞伎の黒衣をまとい、楽屋に入った経験を血肉にして書き上げた渾身の作品。作家生活20周年記念作として、4年の歳月をかけて仕上げた上下巻800ページを超える大作だ。
「人間、やればできるんだと感じた」としみじみ語る李監督は、「この時代に生まれるべくして生まれた、生命力の強い映画」だと誇らしげ。渡辺が「原作を読んで、映像化は無理だと思った」と振り返ると、「無理だというのは同感。だからこそ、歌舞伎の映画がなかったんだと思うし、実際やってみて、無理な理由もわかった。この重みは、僕ひとりでは背負えない規模だった。総力戦でしたから」と、主演の吉沢ら映画に関わったすべての関係者に感謝を述べていた。
なお、本作の主題歌は「Luminance」(原摩利彦 feat.井口理)に決定。同楽曲をフィーチャーした予告編(https://www.youtube.com/watch?v=DAiq_4YWXow)が公開されている。
任侠の一門に生まれながら数奇な運命をたどり、歌舞伎役者の家に引き取られる。芸の道に青春を捧げ、激動の時代を生き抜き、やがて国の宝となる稀代の女形歌舞伎役者に挑む。
歌舞伎の名門に生まれ、跡取り息子として生まれた梨園の御曹司。生い立ちも才能も異なるライバルで親友の喜久雄と切磋琢磨し、互いに高め合いながら芸に青春を捧げていく。
喜久雄の幼馴染で恋人。喜久雄を追って自身も長崎から上阪し、人気役者になっていく喜久雄と俊介をそばで見守る。
半二郎の妻で俊介の母。初めは喜久雄を引き取ることに反対するが、喜久雄の才能に気付き、息子・俊介への愛情ゆえに苦悩する。
喜久雄を恋い慕う歌舞伎役者の娘。
喜久雄に人生を賭ける芸妓。
上方歌舞伎の名門の当主で、大人気の看板役者。任侠の家に生まれた喜久雄の女方としての才能を見出し、実の息子・俊介と共に育てる。
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