「ゴジラ-1.0」山崎貴監督は「ミッキー17」をどう見た? ポン・ジュノ監督と特別対談「最後にすごいところに連れていかれる映画」
2025年4月10日 17:00

「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督と「TENET テネット」のロバート・パティンソンが初タッグを組んだ映画「ミッキー17」(公開中)。このほどポン監督と「ゴジラ-1.0」で第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した山崎貴監督の特別対談映像が公開された。
原作は、エドワード・アシュトンの小説「ミッキー7」(早川書房)。人類発展を使命に掲げる巨大企業に雇われた主人公ミッキー(パティンソン)の物語が描かれる。
ハリウッド進出も決まっている山崎監督は「ミッキー17」をどう受け止めたのか――。最初に口を開いた山崎監督は「ちょっと打ちのめされましたね、僕も次の次の映画をアメリカで撮る事になっているのですが、こんな作品ができてしまうとやたらハードルが高くなってしまって本当に迷惑だなと思いました」と思わず苦笑い。
ポン監督がナチュラルな日本語で「すみません」と笑顔で応じ、興味津々に「次の次に撮るアメリカの作品がどのようなものか気になります。怪獣ものですか?」と問いかける。すると山崎監督は「怪獣……ではないです。が、大きなVFXをたくさん使う映画になります」と明かしている。

パティンソン演じる“2人のミッキー”を描く映像表現と並んで、大きなみどころのひとつとなっているのが、大雪原を舞台にクリーパーたちが群れをなす壮大なクライマックス。山崎監督は「僕はVFXのオタクなのでわかるのですがアメリカで本当に一流のとてもお金のかかるチームを使って、しかも大スペクタクルシーンがあるじゃないですか。だからそれをホントどうやってやったのか知りたい」と満面の笑顔で尋ねる。
本編を観ることでどんどん可愛さが増していくクリーパーは「作っている当時は気づかなかったのですが、ポスプロの段階で見た時に、これは『風の谷のナウシカ』の王蟲に似ているなぁと思ったのです。もしかしたら自分の中に眠っていた潜在的なものが影響を与えたのではと思いました。子どものころから宮﨑駿監督の作品は数十回見てきましたから」と敬愛する宮﨑監督の影響についても語ったポン監督。観客からも“王蟲を連想させる”という声が多数発信されているが、観客の代表でもある山崎監督は「すごいなと思ったのが、普通に見たら気持ち悪いものがどんどん可愛くなっていって……。あれを助けたい!…という気持ちで劇場が一体となる瞬間があると思うんです。それはやはりなかなかできないことです」とポン監督の演出手腕を絶賛している。

ポン監督が改めて「ゴジラ-1.0」の表現を讃えると「予算がなくて手作りでやるしかなかった…」と恐縮した様子の山崎監督。ポン監督からは「クラシックな怪獣を見ていると、着ぐるみの中の演者が東宝のセットで怪獣の頭を脱ぎタバコを一服している姿を一度見てみたいなと、そんなことを想像してしまいます」と思わずほっこりするコメントが飛び出した。
日本の観客に対するメッセージを求められた山崎監督は、「社会的な問題も扱っているのですがとにかく面白いんですよ。それがこの映画の何よりの特徴だと思います。ひたすら面白い。ずーっとずーっと、どうなるんだどうなるんだという気持ちを持ちながら最後にすごいところに連れていかれる映画なので、劇場で是非、観ていただきたいです。ちょっと宣伝では伝わってないくらい大スペクタクルがたくさんあるんですよ。だからこの面白さを伝えたいですね。観てくれ、とにかく観てくれということを伝えたいです。ほんと素晴らしい作品です。これが作れて羨ましいし、良かったと思います。是非劇場でご覧ください」と“映画館での鑑賞”を推奨した。
ポン監督は「観客の皆さんには楽しんで観てほしい、そういう気持ちでずっと作っているんです。正直に言うと、自分自身が楽しめる映画を撮りたい。そんな子供のような気持ちで映画を撮っているんです。最終的にはとにかく観客の皆さんに是非楽しんでいただきたいです」と思いの丈を述べている。
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