東映2025~26年ラインナップを発表 感動作「花まんま」「宝島」、STUDIO4°C最新作など長編アニメにも注力
2025年1月16日 17:35
東映株式会社は1月16日、東京・有楽町の丸の内TOEIで、「2025~26年東映ラインナップ発表会見」を行った。
「愛される『ものがたり』を全世界に」をスローガンに掲げ、鈴木亮平と有村架純が兄妹役で初共演する「花まんま」(前田哲監督)、主演の妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太らが出演する超大作「宝島」(大友啓史監督)といった直木賞受賞のベストセラーの映画化から、世界が注目するSTUDIO4°C、シンエイ動画×冨嶽による長編アニメーション作品まで、バラエティに富んだ作品がラインナップされている。
第133回直木賞を受賞した、朱川湊人氏による短編集を映画化。主人公は、両親を早くに亡くし、大阪の下町で暮らす2人きりの兄妹・俊樹(鈴木)とフミ子(有村)。俊樹は、死んだ父と交わした「どんなことがあっても妹を守る」という約束を胸に、フミ子を守り続けてきた。妹の結婚が決まり、親代わりの兄として肩の荷が下りるはずだったが、妹には兄に話していない秘密があった。
会見に出席した前田監督は「原作と出合い、長い時間がかかってしまったが、思いが詰まった作品になった。感動作であり、笑えるヒューマンコメディなので、心に響くものがあるはず」と語り、兄妹を演じる鈴木、有村については「たぶん前世は、本当に兄妹だったんじゃないかと思うほど。おふたりが、この映画を輝かせ、豊かにしてくださった」と感謝を示していた。
人間と人魚が共存する未来社会を舞台に、人魚王国のお姫様・チャオに突然求婚されたサラリーマンのステファンの姿を通して、種族や文化を超えてわかり合うために、何ができるかを問いかける。STUDIO4°Cが贈る、純度100パーセントのラブストーリーだ。監督は青木康浩(「009 RE:CYBORG」)。キャラクターデザイン・総作画監督を小島大和(「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」)が務める。
プロデューサーの田中栄子氏が登壇し、「東映さんからお誘いを受けまして、実は誰にも言わずに、7年間こっそり作っていたオリジナル作品を見ていただいた。大変高く評価していただき、こうしてタッグを組ませていただく形になった」と本作の背景を説明した。作品のテーマは「出会いは奇跡」。作画枚数は10万枚を超えるといい、「ぜひ、劇場で手描きアニメーションの魅力を堪能してもらえれば」とアピールしていた。
第160回直木賞を受賞した真藤順丈氏の傑作小説を映画化。全てが失われ、混沌とした時代を全力で駆け抜けた“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちの姿を、圧倒的熱量と壮大なスケールで描くサスペンス超大作だ。105日間におよぶ撮影に際し、大友監督をはじめとする製作陣は当時の状況を徹底的に調べ尽くし、リアルな沖縄を再現。クライマックスのシーンでは、延べ2000人を超えるエキストラが投入された。
現在、新作を撮影中の大友監督がビデオメッセージを寄せ、「大げさに言うと、自分の全能力をかけて、自分にできることを投げうった」と強い思い入れ。度重なるコロナ禍で2度の撮影延期を挟み、24年2月に悲願の撮入。「もう無理なんじゃないか、諦めようという気持ちもあったが、その都度、原作に刻まれた『生きろ』という痛烈なメッセージに励まされた」と感無量の面持ちだった。会見には、プロデューサーを務めた五十嵐真志氏が駆けつけ、本作の総製作費が約25億円となったと明かしていた。
終戦80年に捧げる超大作アニメーション。1万人の日本兵が送り込まれ、わずか34人が生き残った太平洋戦争の激戦地ペリリュー島で、若者たちは何を思い、生きたのか。武田一義氏による戦争漫画を原作に、その壮絶な戦いが描かれる。脚本は西村ジュンジ(西村純二)と原作者の武田氏が共同で担当。アニメーション制作は、「ドラえもん」のシンエイ動画と「ドッグシグナル」の冨嶽が共同で担う。
会見には、本作で長編監督デビューを果たす久慈悟郎(「魔都精兵のスレイブ」)が出席。丹念な取材のもとに3頭身のキャラクターで描いた作品で、「とてもかわいらしく、柔らかなタッチで表現されているので、それゆえに他の漫画では許されないような凄惨な表現もたくさんあります。映画もその絵の力を借りて、そこで起こった出来事から逃げずに頑張って表現したい」と意気込みを語った。
●「大きな玉ねぎの下で」(2月7日公開)
●「35年目のラブレター」(3月7日公開)
●「映画おしりたんてい スター・アンド・ムーン」(3月20日公開)
●「花まんま」(4月25日公開)
●「BAD BOYS」(5月30日公開)
●「ChaO」(夏公開)
●「この夏の星を見る」(夏公開)
●「劇場版仮面ライダーガヴ(仮) 劇場版ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー(仮)」(夏公開)
●「映画キミとアイドルプリキュア♪(仮)」(秋公開)
●「宝島」(9月19日公開)
●「ペリリュー 楽園のゲルニカ」(12月5日公開)
●藤井道人監督最新作(冬公開)
●「ガールズバンドクライ 劇場版総集編 前編」(25年公開予定)
●「ガールズバンドクライ 劇場版総集編 後編」(25年公開予定)
●「楽園追放 心のレゾナンス」(26年公開予定)
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トニー・レオンとアンディ・ラウが「インファナル・アフェア」シリーズ以来、およそ20年ぶりに共演した作品で、1980年代の香港バブル経済時代を舞台に巨額の金融詐欺事件を描いた。 イギリスによる植民地支配の終焉が近づいた1980年代の香港。海外でビジネスに失敗し、身ひとつで香港にやってきた野心家のチン・ヤッインは、悪質な違法取引を通じて香港に足場を築く。チンは80年代株式市場ブームの波に乗り、無一文から資産100億ドルの嘉文世紀グループを立ち上げ、一躍時代の寵児となる。そんなチンの陰謀に狙いを定めた汚職対策独立委員会(ICAC)のエリート捜査官ラウ・カイユンは、15年間の時間をかけ、粘り強くチンの捜査を進めていた。 凄腕詐欺師チン・ヤッイン役をトニー・レオンが、執念の捜査官ラウ・カイユン役をアンディ・ラウがそれぞれ演じる。監督、脚本を「インファナル・アフェア」3部作の脚本を手がけたフェリックス・チョンが務めた。香港で興行ランキング5週連続1位となるなど大ヒットを記録し、香港のアカデミー賞と言われる第42回香港電影金像奨で12部門にノミネートされ、トニー・レオンの主演男優賞など6部門を受賞した。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。