大きな玉ねぎの下で

劇場公開日:2025年2月7日

大きな玉ねぎの下で

解説・あらすじ

ロックバンド「爆風スランプ」が1985年にリリースした同名ヒット曲にインスパイアされ、手紙やノートでの交流を通して顔も知らない相手に恋をする人々を描いたラブストーリー。

夜はバー、昼はカフェとして営業する店「Double」で、夜と昼にそれぞれ働く丈流と美優。業務連絡用のノートだけでつながる2人だったが、次第に趣味や悩みもつづるようになりひかれあっていく。丈流と美優は互いの素性を知らないまま、大きな玉ねぎの下(日本武道館)で初めて会う約束をする。一方、あるラジオ番組では、顔を知らずに好きになった文通相手と日本武道館で初めて会う約束をしたという30年前のエピソードが語られる。令和と平成の2つの恋が交錯し、やがて奇跡が起こる。

神尾楓珠が丈流役、桜田ひよりが美優役でそれぞれ主演を務め、2人の恋を見守るキーパーソン役で江口洋介、飯島直子、西田尚美、原田泰造、平成初期に織りなされる恋模様の登場人物役で伊東蒼、藤原大祐、窪塚愛流、瀧七海が共演。シンガーソングライターのasmiが主題歌「大きな玉ねぎの下で」をカバーし、武道館ライブを控えるアーティスト役で出演。小説家の中村航がストーリー原案、「彼女が好きなものは」の草野翔吾が監督、「東京リベンジャーズ」シリーズの髙橋泉が脚本を手がけた。

2025年製作/115分/G/日本
配給:東映
劇場公開日:2025年2月7日

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(C)2024映画「大きな玉ねぎの下で」製作委員会

映画レビュー

3.5 職人たちがつむぐ、珠玉の物語

2025年2月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 現代はパソコン、スマホ全盛。手書きをしなくなったと言いつつも、職場や家で、メモを書き残す場面は今もある。走り書きだから、字が雑だったり言葉の並びが適当だったりするけれど、受け取ると何となく捨てられない。そうやって放っておくとどこかに紛れ、ふと見返したときハッとする。単なる紙切れなのに、メモはちょっとしたタイムカプセルだ。
 本作の予告を何度となく目にして、聴き慣れた曲を耳にするたび、少し気恥ずかしく、勝手に敷居を上げていた。良い曲だけれど、まっすぐ過ぎて甘すぎて、少し苦手だった記憶も邪魔をした。たまたま時間があったから、と自分に言い訳しながらの鑑賞。どうしてどうして、これはなかなか!と、暗闇の中でほくほくした。
 主役のふたりを結ぶのは、メモの連なりのような引き継ぎノート。手書きの文字やマークが、彼らをつなぐカギとなる。出会いが最悪な性格正反対の男女が、少しづつ距離を縮めたところで、仲を引き裂く大事件が勃発!という、ラブコメ定石の物語運び…と思いきや。手紙で心を通わせあった、親世代のエピソードが重なり、絡まり合う。おかげでぐっと深みが増し、おのずと惹きつけられた。
 過去パートは、80年代ファッション、ファンシーなレターセットに青インクで書いた手紙、ラジオから流れるヒット曲…と昭和満載ながら、あざとさは感じない。時代は様変わりしても、手紙をもらえば心は浮き立つし、さまざまなツールによるラジオへの投稿も健在だ。一見古臭く煩わしい過去が、波のようにきらめく今につながっていることを、声高にならないよう描いている点に、好感が持てた。
 さらに、若い主人公たちを取り巻く大人たちが、それぞれに魅力的なところもいい。いつかこうなりたい、と思わせる。加えて、ここに繋がるのか!という幾つもの伏線も心憎い。タイトルにも繋がる伏線にもにんまり。こんもりと盛られたみかんも、実は…というのは考えすぎだろうか。
 草野翔吾監督は、「アイミタガイ」に続き、心に残る素敵な作品を世に送り出してくれた。エンドロールには、脚本は高橋泉、音楽は大友吉英(敬称略)…と、なるほどと思うお名前が続々。気恥ずかしさを乗り越え、踏み出してよかったとつくづく思った。
 帰り道、心は自転車!と、ざくざく歩いた。雪が解けたら、力いっぱいペダルを踏み込み、思いきり走りたい。

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cma

4.0 偶然じゃなくて

2026年8月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

人はそれを偶然じゃなくて「縁」という。
たまねぎ違いだけど、世代を超えて縁と縁は繋がっていく。

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上みちる

4.0 静かに心へ染み入る親子の物語【80点】

2026年8月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

幸せ

癒される

親子の時代を超えたストーリーは秀逸で、静かに心へ染み入る優しさを感じました。
玉ねぎの下で交差する記憶と想いが静かに重なり、過去と現在がやさしく結び直されていく過程が胸に沁みます。
上京して初めて知った九段下や武道館が、今では身近な場所として物語と結びつき、その風景が作品への思いをさらに深めてくれました。

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はんべえ

3.0 名曲の歌詞から着想を得た時をまたぐ二つの恋模様

2026年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

泣ける

ドキドキ

ラジオ番組、ペンフレンド、という昭和の情景。
手紙を通じた交流という古典的な手法を効果的に現代に移して、互いの素顔を知らないまま心を寄せ合う気持ちが丁寧に表現されています。
複雑な仕掛けや奇抜な展開はなく、楽曲の世界観に素直に寄り添った心温まるラヴストーリーでした。

桜田ひよりが美しすぎて、はまり役すぎて、彼女のための映画と言って良いかもしれません。
切ない表情には胸が熱くなります。
武道館という象徴的な場所と楽曲が重なり合い、誰にでもあった「あの頃」の想いが、純粋で透明な気持ちが、なんだ懐かしさを誘う映画でした。

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さとうきび