【一体何が起きた?】江口のりこがチェーンソーを抱いて床下に……「愛に乱暴」新たな狂気カット
2024年8月6日 14:00
原作は、「悪人」「さよなら渓谷」「怒り」など多くのベストセラーが映画化された吉田修一氏の同名小説。人間の複雑な感情とその裏に隠された本質を鋭く炙り出してきた著者が、本作では愛が孕むいびつな衝動と暴走を描く。「おじいちゃん、死んじゃったって。」「さんかく窓の外側は夜」を手掛けた森ガキ侑大が監督を務めている。
夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子(江口)は、義母から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次ぐ不審火、失踪した愛猫、度々表示される不気味な不倫アカウント…。桃子の平穏な日常は、少しずつ乱れ始める。
場面写真は、桃子がついに“暴走”を開始する様子をとらえたもの。真っ赤なリップを無表情で塗る姿、丸ごとのスイカを抱え愛人宅に突撃する姿、チェーンソーを傍らに畳をはがし床下に潜りこむ姿、床下を徘徊する姿、そして夜の町を駆け抜ける姿など、規律を守って生きてきた桃子が、危うさ全開で暴走している。
ひときわ目を引くのは、赤いチェーンソーを大事そうに抱きかかえ、泥だらけの姿で床下に横たわる姿。一体なにがあったのか。なぜ桃子はチェーンソーを手にしたのか。そして床下へ執着する真意は―――? この“床下ゆりかご”写真は、8月9日~9月5日に、新宿ピカデリーとなんばパークスシネマの巨大柱装飾として披露される予定だ。
「愛に乱暴」は、8月30日から全国公開。各界著名人からのコメントは、以下の通り。
【伊藤さとり(映画パーソナリティ・映画評論家) 】
【岩松了(劇作家・演出家・俳優) 】
これこそ義理の嫁の話。
観始めたときは「江口のりこ、頑張ってるな」だったのが
観終わる頃には「桃子さん、頑張って!」になってた。
『セーラー服と機関銃』ならぬ『桃子とチェーンソー』
割烹着?いやいや、桃子には着るべき服がない!
観始めたときは「江口のりこ、頑張ってるな」だったのが
観終わる頃には「桃子さん、頑張って!」になってた。
『セーラー服と機関銃』ならぬ『桃子とチェーンソー』
割烹着?いやいや、桃子には着るべき服がない!
【岡山天音(俳優)】
「映画」すぎました。
格好良い映画でした。表現が格好良すぎます。
人物に語らせていないのに人物が語りまくっています。
これを書きながら、なんだか文章が上手くまとまりません。
それは僕の語彙力の問題なのか、まっさらでこの映画と出会ってほしいからなのか、わからない。
人生って怖い!悲しい!最悪!
でもこの映画は最高。
格好良い映画でした。表現が格好良すぎます。
人物に語らせていないのに人物が語りまくっています。
これを書きながら、なんだか文章が上手くまとまりません。
それは僕の語彙力の問題なのか、まっさらでこの映画と出会ってほしいからなのか、わからない。
人生って怖い!悲しい!最悪!
でもこの映画は最高。
【SYO(物書き)】
不条理を丁寧にかき混ぜて、型に流し込んで出来上がった
見た目はすべすべ、中身は醜く凝り固まった男性優位社会。
主婦を《おかしく》したのは本当に周囲の《個人》なのか?
日本映画の文法で、埋められた澱を掘り起こす反語の一作。
見た目はすべすべ、中身は醜く凝り固まった男性優位社会。
主婦を《おかしく》したのは本当に周囲の《個人》なのか?
日本映画の文法で、埋められた澱を掘り起こす反語の一作。
【児玉美月(映画文筆家) 】
必死にしがみついていたものを手放してみても、
人生は案外しぶとく続くかもしれない。
映画が幕を閉じるとき、
始まりを告げる狼煙が上がる。
『愛に乱暴』の放った炎が飛び火して、
あなたの燻る心を焦げつかせてゆく。
人生は案外しぶとく続くかもしれない。
映画が幕を閉じるとき、
始まりを告げる狼煙が上がる。
『愛に乱暴』の放った炎が飛び火して、
あなたの燻る心を焦げつかせてゆく。
【早川千絵(映画監督)】
暴走する女のヒリヒリした孤独。
痛い。でも愛おしい。
痛い。でも愛おしい。
【ひらりさ(文筆家) 】
夫は無関心。姑も冷たい。 しんどい。ひりひりする。息が詰まる。限界を迎えて暴走する桃子には、一種の魅力がある。
「もっとやれ」と思ったし、こちらもつられそうになった。
それでも。孤独に駆け抜けた桃子が到達するラストには、とてつもない人間愛が込められていた。愛に愛を返してもらえない辛さを抱えつつも、自暴自棄になりきれずに必死に生きている人たちへの、心からのエール。
桃子、あなたも私も幸せになれるよ。絶対に。
「もっとやれ」と思ったし、こちらもつられそうになった。
それでも。孤独に駆け抜けた桃子が到達するラストには、とてつもない人間愛が込められていた。愛に愛を返してもらえない辛さを抱えつつも、自暴自棄になりきれずに必死に生きている人たちへの、心からのエール。
桃子、あなたも私も幸せになれるよ。絶対に。
【光石研(俳優)】