【映画館で見るチャンス!】「私ときどきレッサーパンダ」「あの夏のルカ」「ソウルフル・ワールド」の魅力
2024年3月14日 14:00
これまで劇場未公開だったピクサー・アニメーション・スタジオの「私ときどきレッサーパンダ」「あの夏のルカ」「ソウルフル・ワールド」の日本公開が決定。すでに3作品とも、ディズニープラスで配信中ですが、改めて映画館のスクリーンで、作品の魅力を再発見してみてはいかがでしょうか。もちろん、「まだ見てない」という皆さんにも、絶対に見逃してほしくない作品ばかり。全ての作品が、アカデミー長編アニメーション賞にノミネートされており、「ソウルフル・ワールド」は受賞を果たしています。この記事では、3作品の魅力と映画館での注目ポイントをご紹介します、
主人公は、由緒ある家庭に生まれ育ち、厳格な母親の期待に応えようと日々頑張る、ティーンエイジャーのメイ。しかし、実際には周りの友だちと同じように、アイドルや音楽が大好きで、青春や恋愛を存分に楽しみたいと思っている。
そんなメイはある出来事をきっかけに、本当の自分を見失い、感情のコントロールも難しい状態に。悩んだまま眠りについたが、翌朝目覚めると、自分の姿が巨大なレッサーパンダになっていた! この日を境に、フラストレーションが爆発するたび、レッサーパンダに姿を変えてしまう自分に、メイは「本当の私、どこいっちゃったの?」と戸惑うが、この不思議な現象には、ある秘密が隠されていた。
監督は、ピクサーの短編「Bao」を手がけ、アジア系女性で初めて第91回アカデミー短編アニメーション賞を受賞したドミー・シー。自身がティーンだった2000年代初頭を舞台に、親子関係など実体験も交えながら、ポップな感性で“自分らしさ”に迷う少女の気持ちに寄り添った。また、「美少女戦士セーラームーン」「らんま1/2」、宮﨑駿作品のファンを公言しており、日本アニメの作風が積極的に取り入れられている。
メイが変身する巨大レッサーパンダの“モフモフ感”を、ぜひ劇場の大きなスクリーンで体感したい。
北イタリアの美しい港町ポルトロッソを舞台に、海に暮らす「シー・モンスター」と呼ばれる種族の少年ルカが、憧れの人間の世界に足を踏み入れる、ひと夏の冒険を描いたファンタジーアドベンチャー。
ポルトロッソの住民たちは、海に住む未知の存在であるシー・モンスターを恐れていたが、実はシー・モンスターたちもまた、地上に暮らす得体の知れない存在である人間たちを恐れている。それぞれの世界は海面で隔てられ、互いを恐れ、決して交わることはなかった。しかし、地上への好奇心が抑えられないシー・モンスターのルカは、ある夏、親友アルベルトとともに、禁断の地である人間の世界へ冒険に出る。
監督はピクサーの短編「月と少年」を手がけ、本作で初長編監督を務めたイタリア出身のエンリコ・カサローザ。スタジオジブリの大ファンとしても知られており、宮﨑駿監督が「崖の上のポニョ」の絵コンテを水彩画で描いたことを知り、自身も「月と少年」の絵コンテを水彩画で制作した。今作では、ピクサーの象徴ともいえる3Dアニメに、あえて2Dの温かみある要素を入れ込んだ。
ピクサー作品には珍しく、王道の青春物語でもある本作。海のきらめきに負けない青春の輝きを目に焼き付けて。
「インサイド・ヘッド」「カールじいさんの空飛ぶ家」を手がけ、ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーも務めるピート・ドクター監督が、人間が生まれる前の「ソウル(魂)」たちの世界を舞台に描いた長編アニメ。
ニューヨークでジャズミュージシャンを夢見ながら音楽教師をしているジョーは、ついに憧れのジャズクラブで演奏するチャンスを手にする。しかし、その直後に運悪くマンホールに落下し、そこから「ソウル(魂)」たちの世界に迷い込む。そこはソウルたちが、人間として現世に生まれる前に、どんな性格や興味を持つかを決める場所だった。ソウルの姿になったジョーは、22番と呼ばれるソウルと出会うが、22番は人間の世界が大嫌いで、何の興味も見つけられず、何百年もソウルの姿のままだった。生きる目的を見つけられない22番と、夢のために現世に戻りたいジョーの大冒険が始まる。
第78回ゴールデングローブ賞、21年のナショナル・ボード・オブ・レビュー賞、第74回英国アカデミー(BAFTA)賞などで受賞を重ね、第48回アニー賞で作品賞を含む最多7冠を獲得。第93回アカデミー賞では、長編アニメーション賞に輝いた。
ジャズ映画としても一級品である本作。長編アニメーション賞に加えて、作曲賞も受賞した音色を、ぜひ映画館の音響で味わいたい。
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