アンドレイ・タルコフスキー「ノスタルジア」4K修復版 予告編&場面写真12点公開
2023年12月15日 11:00

日本初公開から40周年を記念し、アンドレイ・タルコフスキー監督の「ノスタルジア(1983)」4K修復版の予告編、場面写真12点が公開された。
1962年に長編1作目となる「僕の村は戦場だった」を監督したタルコフスキーは、ベネチア国際映画祭でサン・マルコ金獅子賞等を受賞。1967年にロシアの伝説的な画家を描いた「アンドレイ・ルブリョフ」を完成させるが、歴史解釈をめぐってソ連当局の激しい批判を受け、5年間の上映禁止を言い渡される。一方で同作品は1969年のカンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞。その後も「惑星ソラリス」(72)、「鏡」(75)、「ストーカー」(79)と唯一無二の映像世界で批評家や観客たちを魅了し、世界的な評価を確立。だがソ連国内の厳しい検閲は依然としてあり、ソ連を出国。「ノスタルジア」は、タルコフスキーがはじめてソビエト連邦国外のイタリアで製作した長編6作目となる
モスクワからイタリアにやってきた詩人アンドレイ・ゴルチャコフと通訳の女性エウジェニア。ふたりは、ロシアの音楽家パヴェル・サスノフスキーの足跡を辿る旅をしていたが、旅の終盤アンドレイは病に冒されていた。そんな中、二人は、世界の終末が訪れたと信じ家族で7年間も家に閉じこもり、人々に狂信者と噂されるドメニコという男に出会うのだった―。
中世からルネサンス期のフレスコ絵画と近代美術が一体化したような美しい映像に、実父であり詩人のアルセーニイ・タルコフスキーの詩が読まれ、ヴェルディの「レクイエム」やべートーヴェンの「第九交響曲」、そしてロシアの民族音楽が印象的に使用されている。タルコフスキーは本作を3年半の歳月を費やして完成させ、1983年カンヌ国際映画祭で「この映画の創造に対する特別大賞」「国際映画批評家連盟賞」「エキュメニック審査員賞」の3冠に輝いた。

今回公開となる4K修復版は、2022年に撮影監督であるジュゼッペ・ランチ監修のもと、ローマのチネテカ・ナチオナーレの協力で4K修復が行われ、ボローニャ復元映画祭2022でワールドプレミアされたもの。高精細の4K修復版によって、空間、時間、そして人間の葛藤を巡る、タルコフスキーによる詩的宇宙の極致がよみがえる。
予告編は、本作で印象的なカメラの横移動や長回しショットを堪能できる、壮大かつ静謐な映像を切り取った。ラストには、タルコフスキー監督を敬愛する作家・詩人の池澤夏樹氏のコメント「彼の映画の中では人類の不幸が映像の祝福によって中和されている。そんな計算が成り立つのかと思いながら、やはりうっとりとしてスクリーンを見続ける。」が挿入されている。これは2015年に発売された本作のBlu-ray(発売元:株式会社IMAGICA TV/販売元:株式会社KADOKAWA 角川書店)の封入ブックレットに書き下ろしされた池澤氏のテキストから、池澤氏本人の許諾を得て抜粋された。
2024年1月26日からBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開。Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下およびメイジャー・ネット通販ではオリジナルB3ポスター付き前売券が1500円(税込)で販売中。
(C)1983 RAI-Radiotelevisione Italiana.LICENSED BY RAI COM S.p.A.-Roma-Italy, All Right Reserved.
フォトギャラリー
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

片思い世界
【“鑑賞確定”の超期待作】広瀬すず×杉咲花×清原果耶主演×「はな恋」製作陣…そして涙腺崩壊へ
提供:リトルモア

ミッキー17
【前代未聞のオール社畜レビュー】史上最凶のブラック仕事を描いた痛快作…社畜が観たらどうなった!?
提供:ワーナー・ブラザース映画

侍タイムスリッパー
【ついに見放題“最速”配信中!!!】観たかった人も、何度も観た人も今すぐ観て!【ネタバレ厳禁】
提供:JCOM株式会社

この村の住人は、人間を喰ってる――
【衝撃の問題作】異常なクオリティで世界が熱狂…“絶対的支持”の理由を徹底解説!
提供:ディズニー

観ないとぜっったい後悔する
【ラスト5分の破壊力】そして“観たことないシーン”のゲリラ豪雨に、感動を超えてもはや放心状態――
提供:東和ピクチャーズ

映画を安く観たい人、絶対にチェックして!
【映画2000円は高すぎる!!?】知らないと損な“1250円も安く観る裏ワザ”、ここに置いときます
提供:KDDI

厳選した名作“だけ”をあなたに。
【探す時間、ゼロ】家のテレビが「あなただけの24時間シアター」に!(提供:BS10 スターチャンネル)