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【監督インタビュー】「テリファー2」アート・ザ・クラウンが喋らない理由は? “ギコギコシーン”誕生裏話も

2023年6月1日 17:00

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デイミアン・レオーネ監督
デイミアン・レオーネ監督

ピエロ姿の殺人鬼が巻き起こす惨劇を描いたホラー「テリファー」の続編「テリファー 終わらない惨劇」が、6月2日から公開される。新たなホラーアイコンとして彗星のごとく現れた最凶ピエロ“アート・ザ・クラウン”がこれでもかと非道の限りを尽くすさまが描かれ、全米での公開時には、内容の過激さゆえに失神者&嘔吐者が続出。映画の公式SNSが注意喚起したことでも話題となった。

これがアート・ザ・クラウン。怖い!
これがアート・ザ・クラウン。怖い!
(C) Dark Age Cinema,LLC

ホラー映画好きが注目する本作のメガホンをとったのは、脚本家、プロデューサー、特殊メイクアップアーティストとしても活動するデイミアン・レオーネ監督。このほどオンライン取材に応じたレオーネ監督が、撮影の裏話やアート・ザ・クラウンについて、さらにアート・ザ・クラウンの代名詞となる“ギコギコシーン”誕生のきっかけを語った。


【あらすじ】
マイルズ・カウンティーの惨劇から1年後のハロウィン。絶命したかにみえた連続殺人鬼のアート・ザ・クラウンが死体安置所で息を吹き返し、ふたたび街に現れた。残虐性と冷酷さを増したクラウンは、父親を亡くしたシエナとジョナサンの姉弟を標的にし、ハロウィンでにぎわう街で一人また一人と犠牲者を生み出していく。

オンラインインタビューに応じた
オンラインインタビューに応じた
――監督の部屋に「処刑教室」(原題「Class of 1984」)のポスターが貼ってありますね!今日はインタビューよろしくお願い致します。「テリファー 終わらない惨劇」が本国でヒットした実感はありますか?

プレミアのあった週末から「気持ち悪くなったとか」「吐いてしまった」「気絶した」などの口コミがSNSで広がっていって、見ないといけない一本という形になっていったんです。宣伝的に仕掛けた訳ではなく、自然発生的に起こりました。朝の番組に名前が出たり招待されたりもして、どんどん広がっていったのでワクワクしました。

――「気持ち悪くなった」「吐いてしまった」「気絶した」などの反応は予想していましたか?

ここまでは予想していませんでした。もともとアメリカのスラッシャー系のホラー映画はR指定などの検閲を受けて上映されるものが多く、検閲を受けずに上映されるものは少ないです。でも、僕はもともと検閲を受けずにやろうと思っていたので、バイオレンスの表現も今までの限界を突破するよう意識していましたし、作っているときからこれは見ている人が気持ち悪くなったり、途中で見るのを諦めてしまう人が出てくるかもとは思っていました。アメリカではレイティングがない形でワイドに上映されていたので、普通のホラーファンが他の検閲が入っている映画を見るような気持ちで見に行くと、やっぱり驚くような効果はあったと思います。最初は週末のみの限定公開の予定でしたが、あまりに反応が良かったので、どんどん拡大公開していきました。

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――前作に続いて、アート・ザ・クラウンが全く声を発さないのはなぜですか?

僕のこだわりです。小さい頃からホラーキャラだとフレディ(「エルム街の悪夢」シリーズ)も大好きでしたが、マイケル・マイヤーズ(「ハロウィン」シリーズ)やジェイソン(「13日の金曜日」)派で、声を発さない殺人者の方が好きだったんです。原始的でコミュニケーションが取れないのがまた怖さを生んでるように思えて、よりモンスター味が強いと思います。あと台詞を書かなくていいから脚本家としては楽ですし(笑)。キラークラウンの王様でもあるペニーワイズ(「IT イット」)との差別化でもあります。色味を抑えて、ピエロの象徴である丸い鼻も使わない。ペニーワイズはジョークを飛ばしまくるけれど、アートは一切声を発さないことで差別化を図りました。

――キャスティングのポイントを教えてください。

短編でアートを演じてくれたのは、役者ではなくて、僕の親友なんです。昔から弾痕などの特殊メイクを試させてもらうような関係で、短編はそんなに演技の必要はないので彼にお願いしていましたが、長編となるとやはり役者さんにということでオーディションをしました。僕が探していたのは、痩せ型で長身。6人目にデビッド・ハワード・ソーントンが入ってきて、二つの資質に加えてニッコリとした笑顔をしていて、彼だと思いました。特殊メイクをして演出をすれば、きっと彼がアートになると確信しました。

例えば、首を切り取るシーンを楽しそうに演じてというと、そこでスイッチが入ったようにアートに見られるユーモアが出てきて、ジム・キャリーの「グリンチ」のような不思議な動きなども見せてくれて、完璧だと思い、それ以降のオーディションの人には会いませんでした。

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――前作「テリファー」は、アートがのこぎりを使って“ギコギコ”するシーンが強烈でした。あのシーンはどんな瞬間に思いついたのですか?

僕らが作っているのは低予算のスラッシャーホラー映画で、ハリウッドのバジェットのある作品と競わなくてはならないときに、ハリウッドで見られるようなものを作っても仕方ないので、今まで描かれなかった見たことのないようなものってなんだろうと考えました。そこで中世の拷問史を調べていたところ、実際の拷問で逆さ吊りにして両側から左右2人がかりで大きなノコギリを持っているスケッチを見つけたんです。これはホラー映画でも見たことがないから、途中でカットすることなく全部その行為を見せる。しかもオールドスクールのエフェクトでやったら、ゴアファン、ハードコアファン、一般の方はもちろん、絶対今まで見たことのないものになるんじゃないかなと思いました。実際決め手はこのシーンだよねという声も大きかったです。

――今回登場するシエナがとても魅力的なキャラクターでした。

実は、自分が生んだキャラクターの中で一番シエナが好きなんです。自分自身や、僕の二人の姉妹などの現実の要素がこのキャラクターには入っていて、シエナの物事に対して不安になるような部分も実は僕から来ています。ヴィランも好きだけど同じくらいヒーローも大好きなので、アートに見合うだけのヒーローがやっと生まれたかなと思っています。作品の後半でシエナは自分を超越するような変化があったので、これからどうなっていくのかを追っていきたいと思っています。

愉快なデイミアン・レオーネ監督
愉快なデイミアン・レオーネ監督
――ホラー作品を手掛けていますが、監督自身が怖いものは何ですか?

特には思いつかないけれど、人かな(笑)。通りすがった人が本当はサイコかもしれないですよね。そういう意味では人間が一番怖いかもしれません。(インタビュー後に改めて)これを言うとみんな驚くのですが、例えば手術の映像とかリアルライフの暴力は耐えられないんです。年を重ねるごとにどんどん無理になっていく。だから、避けるようにしています。でも、フィクションでのゴア描写は大丈夫なんです。どうやって作るのかメカニズムを分かってるからかもしれません。

6月2日から公開
6月2日から公開
(C) Dark Age Cinema,LLC
――日本の作品で好きな作品、影響を受けた作品は?

ホラーファンなら三池崇史監督の「AUDITION オーディション」はみんな好きだと思います。あとは、ありきたりになってしまいますが、黒澤明監督の「蜘蛛巣城」「」「用心棒」「七人の侍」なども好きです。黒澤明監督の血の使い方は壮大でオペラチックで、僕の描く血がワーっと飛び散るようなイメージも黒澤監督へのちょっとしたオマージュというか、影響を受けた部分だと思います。ストーリーテラーとしてもすごく力強いものを持っていて、すごいビジュアルセンスもあり、アメリカのファンはアイドルとして崇めているような方です。みんな、彼の爪の先位でも才能が欲しいと思うような尊敬する映画作家ですね。

――今後の仕事の予定を教えてください。

実は自分のヒーローであるサム・ライミの制作会社でオリジナルホラーの企画を開発中なんです。まさに今夢が叶っている最中です。

テリファー 終わらない惨劇」は、6月2日からTOHOシネマズ 六本木ヒルズほかにて公開。R18+指定。

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