イ・チャンドンの全作品を初の4Kレストアで同時上映! 監督の原点と人生に迫る新作ドキュメンタリーも披露
2023年5月31日 10:00
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韓国を代表する巨匠イ・チャンドンの全作品を初の4Kレストアで同時上映する特集「イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K」が、8月25日から、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開されることが決定。なお、イ・チャンドン監督の原点と人生に迫る新作ドキュメンタリー「イ・チャンドン アイロニーの芸術」も披露される。
初の本格的なレトロスペクティヴの上映プログラムは、イ・チャンドンの名を初めて世界に知らしめた初期の傑作「ペパーミント・キャンディー」(過去唯一4Kで上映)に加え、第71回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞作「バーニング 劇場版」、第63回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞作「ポエトリー アグネスの詩」、第60回カンヌ国際映画祭主演女優賞をチョン・ドヨンにもたらした「シークレット・サンシャイン」、第59回ベネチア国際映画祭最優秀監督賞ほか数々の賞に輝いた「オアシス」、長編デビュー作「グリーンフィッシュ」がラインナップされている。
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「イ・チャンドン アイロニーの芸術」は、フランスのドキュメンタリー映画監督アラン・マザールと共に製作。イ・チャンドン作品に魅了されたマザール監督の発案でスタートしたプロジェクトは、コロナ禍での困難を逆手に取る形で当初被写体であったはずのイ・チャンドン監督が、彼の制作会社パインハウス・フィルム全面協力のもと水先案内人として本作に深く携わっている。

同作は、43歳にして小説家から映画監督に転身した異色のキャリアを、かつてないほど率直なイ・チャンドン本人の述懐、ゆかりの地にふたたび自ら足を運ぶ“聖地巡礼”だ。これまでのフィルモグラフィーを彩ってきた豪華俳優陣ソル・ギョング、ソン・ガンホ、チョン・ドヨン、ムン・ソリ、ユ・アインほか、そうそうたる顔ぶれも次々と登場し撮影当時を振り返る。これまで語られることのなかった芸術に対する思い、揺れる時代に向き合い芽生えたアイデンティティ、創作の原点に迫っている。
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上映プログラム作品と呼応するようなドキュメンタリー映画「イ・チャンドン アイロニーの芸術」とともに、イ・チャンドンの映像世界を存分に味わうことのできる珠玉のレトロスペクティヴ。海外映画祭の監督特集や企画展などを除けば、この日本でのイベントが一般上映としては世界初となる。また、今回のレトロスペクティヴ開催に先立ち、イ・チャンドンが1992年に発表した小説集「鹿川(ノクチョン)は糞に塗(まみ)れて」の邦訳版が、アストラハウスより7月28日に発売される。本書に収録される表題作と中篇「星あかり」については、ドキュメンタリー「イ・チャンドン アイロニーの芸術」本編で、著者自らが舞台となった土地を案内しながら執筆当時を語るシーンもある。
なお、日本初のレトロスペクティヴ上映の開催決定に際し、イ・チャンドン監督からコメントが寄せられた。
(レストア作業は)映画を保存するため、過去の映画と新たな観客と出会い結び付けるためにも、必須だと思います。元々のクオリティを維持するための綿密な作業には時間と費用を要し、その映画に関わった監督やスタッフが作業に携われない場合もありますが、幸いなことに、私は今回その機会を得ることができました。当時の映像の雰囲気や印象、そして感情を味わえることに努めてアップグレードしましたので、そこに注目して観てもらえたらと思います。
(今回の日本での上映について)とても嬉しく、大きな期待を寄せています。私はいつも韓国のほか日本、欧米など遠くにいて違う文化圏にいる観客であっても、人間であれば、根本的に共有や理解、意思の疎通ができると思っています。今回のレトロスペクティヴを通して、私たち人間について、人生について、皆さんと分かち合えればと思います。新しい日本の観客の皆さんとお会い出来ることを楽しみにしています。
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